「Vista」でデビューした6人組ガールズグループFIESTAR

まだ自分たちの名前より“IU(アイユー)の妹グループ”として良く知られているグループがある。6人組ガールズグループFIESTARだ。短くて2年、長くて6年間も歌手になるという一つの夢だけを見てきた彼女らは、今「FIESTAR」という名前で新しく出発する。激しく踊っても揺るがない生歌とエネルギーあふれるステージが彼女たちの強みだ。

「デビューのステージでは、本当に胸がいっぱいになりました。初放送なのにファンのみなさんがたくさん来て応援してくれたんです。『FIESTAR』と叫ぶ声援を聞いた時、予想していなかったことだったのでジーンときました」(Jei)

「思ったより人が大勢来て驚きました。『人気歌謡』が終わってからファンミーティングを行いましたが、ファンがデビューを祝うケーキに火をつけて『デビューおめでとうございます』と歌を歌ってくれました。涙が出ました」(Yezi)

ミュージカルキッドから韓流を愛した中国歌手まで

FIESTARは、韓国人メンバー4人(Jei、リンジ、Yezi、Hyemi)と在米韓国人(Cheska)中国人(Cao Lu)で構成された多国籍ガールズグループだ。ミュージカル「グレート・ギャツビー」を見て感銘を受けたJei(24)は、大学に進学してから歌手を夢見た。「幼稚園のときから歌手になりたかった」と言うほとんどのアイドルグループのメンバーと比べると、割合進路を決めるタイミングが遅かった。Jeiは「遅くなったぶん、より熱心に働いた」と微笑んだ。

2010年ラインメディアで練習生生活を始めたCheska(21)は、非公開のオーディションでFIESTARに合流した。幼い頃、韓国のテレビ番組に出演していたSE7EN、RAIN(ピ)、イ・ヒョリなどを見て歌手になりたかったというCheskaは「初めて韓国に来たときは、アイドルになれるとは思わなかった。最初は文化の違いで大変だったけれど、今は慣れた」と語った。

17歳の時、すでに中国でデビューし、新人賞まで受賞したCao Lu(26)は韓流ブームで韓国留学にまで来た。韓国人に負けないぐらいの韓国語の実力でインタビューに応じたCao Luは「最初は言葉も通じず、友達もいなくて寂しかったけれど、学校(中央大学校安城キャンパス)の語学院に通いながら韓国語をたくさん習った。ある程度コミュニケーションがとれるようになった今は、昔のように語学力が伸びない」と残念そうに話した。

「前に活動していたことはうまく実感できていません。韓国へ来る前に心を無にしました。学生に戻るので、心が浮ついていてはいけないと思いました。静かに勉強するために韓国に来ましたが、中国の人たちが韓国でデビューしている所を見て素直に嫉妬しました(笑) 運命だったようです」

JeiだけJYJジュンスと撮影……羨ましがりながら見物した

小学生時代から友達とトレーニングをしていたというHyemi(23)は幼い頃から才能があった。ダンスを覚えて教えたり、歌を練習したり、作詞までトレーニングしたという。6年間今の所属事務所(LOENエンターテインメント)に所属していたHyemiは「いろいろなことをたくさん経験しなければならない10代後半から20代初めに学校生活と練習を両立したので、できなかったことが多く、悔しい思いをしたこともある。焦ったりもしたけれど、デビューするだろうという希望があったので大丈夫だった」と語った。

公務員である父の反対にぶつかった“カラオケジュクスニ”(一ヶ所に長くいる女性の意味)リンジ(24)は、青少年歌謡祭で大賞を受賞して歌手になった。そして今、父は誰よりも心強いサポーターとなった。「『うまくやれる』という気持ちより『これが全てだ。これがなければ何もない』という切実な気持ちで夢に向かって走ってきた」と言うリンジは「何か一つに目をつけば没頭するタイプだが、歌手という夢だけは24年間諦めきれなかった」と語った。

ラッパーで末っ子のYezi(19)は、デビュー前からダンサーとして活動していた。他の歌手のコンサートに参加するうちにステージで歌い、歓声を聞きたいという願望が強くなったという。幼い頃、週末ごとに江陵(カンヌン)の家からソウルを行き来しながら学院に通っていたYeziは、彼女に注目していた練習生の姉の提案でオーディションを受け、合格した。Yeziは「これまでステージで経験を積み重ねてきたけれど、今度は私がステージに立つことができて嬉しい」と喜んだ。

6人の魅力は、デビューアルバムにもしっかり反映されている。華麗なタイトル曲「Vista」からラップが目立つ「Wicked」少女のような雰囲気の「Sea of Moonlight(月光の海)」まで、FIESTARのデビューアルバムは、今後の活躍を期待させる。「Vista」のMVには、JYJのジュンスがゲストとして登場した。唯一彼とともに撮影したリーダーのJeiは「ジュンスさんにお会いでき、光栄で不思議な気持ちだった」と明かした。他のメンバーは、Jeiを羨ましがりながら首を伸ばして見物したという。

「2年、3年が過ぎても、関節が脱臼するまで激しく活動する準備ができている」というFIESTAR。先輩のガールズグループである少女時代、2NE1がそうであるように「FIESTARだけのスタイル」を確立したいという希望を示した。「1フレーズだけ聞いても『これはFIESTARの音楽だ』という感じをお伝えしたいです」