ペク・チヨンの「Good Boy」は、恋人のチョン・ソグォン?
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写真=WSエンターテインメント
5月21日、韓国の市民団体「男性連帯」は、歌手ペク・チヨンの「Good Boy」の歌詞が男性を卑下したとして裁判所に音源流通禁止仮処分の申請をした。女性と男性の関係を主人と犬に例えたことで不快感を与えたということが主な理由だ。「男性連帯」は、2011年の映画「きみはペット」に対する上映禁止仮処分の申請も提出したが、裁判所から棄却されたことのある団体だ。もちろん、人によっては「男性連帯」の主張のように感じることも十分あり得ることだと思う。だが「Good Boy」という歌が世の中のすべての男を犬だと称したわけでもなく、多くの男女関係の中から、一つユーモアを入れて表現したことに過ぎない。これを、男性全体を冒涜したと言い、法的な制裁を求めることは一言で表現すると“やり過ぎ”だと思う。
何はともあれ、意外に“ノイズ・マーケティング”の恩恵を受けている「Good Boy」は、歌手ペク・チヨンが久しぶりに発表したダンスナンバーで、彼女が最近発表した同名のミニアルバム「Good Boy」に収録されている。今回のアルバムには3曲の新曲が収録され、「Good Boy」のアコースティック・バージョンを含む計4曲が収録された。
「Good Boy」は、年上の女性と年下の男性カップルの口喧嘩をテーマにした曲だ。目を引くのは、歌詞に表れた彼らの力関係である。“愛の大きさには等式が成立しない”という言葉があるが、彼氏と自分の関係をペットと主人だと思う女性の認識には問題があるだろう。彼に心を捧げたと言っているが、果たしてそれが純粋な愛だったのか疑問が残る。ドラマ「夫婦クリニック 愛と戦争」の一部分を取ってきたような対話体の歌詞、心地良く耳に入ってくるメロディー、ドラマチックな曲の構成、セクシーながらも力のあるペク・チヨンのボーカルと、BEAST ヨン・ジュンヒョンの個性溢れるラップなどがこの曲の主な鑑賞ポイントだ。
「Good Boy」のアコースティック・バージョンには、ヨン・ジュンヒョンのラップはない。代わりにギターとピアノ、タンバリン、ドラムなどのアコースティック楽器が作り出すサウンドが風変わりな印象を与える。特に、前奏に登場する素敵なギター演奏が印象的だ。オリジナルバージョンに比べると、少し寂しい感じもするが、このバージョンの方を好む人もいるだろう。
「声」は、愛する男性を手離した女性の悲しみと苦痛を歌った曲である。話し手を苦しめるのは「目を閉じても、息をこらえても/度々聞こえる」彼の声。まず、彼の声とはどんなものなのか。Leessang(リッサン)のケリのラップを聴いてみると、それは恨みの声だ。「痛く、さらに私をさらに悪くさせるあいつの声」という女性の話から察することができるように、二人の別れを主導したのは彼女の方であるからだ。彼女に、愛するが故に彼を手離すしかなかった、避けられない事情でもあったのか。この曲は「銃に撃たれたように」以来の、いわゆるペク・チヨン流バラード曲で、すすり泣くように悲しみを歌う彼女の訴えるような歌唱法とリフレイン部分の心を打つメロディーが印象的だ。
「昨日よりも今日の方がもっと」は、恋愛中の女性の気持ちを表現した曲だ。「毎日愛している/もっと愛している/私も驚くほど、私の中であなたがどんどん大きくなっている」など、“鳥肌の立つ”表現が一杯だが、それもそのはずで、話し手にとってその男性は「孤独の道の端に/奇跡のように」彼女の前に現れた大切な存在であるためだ。人が離れた席は、人で満たさなければならないという言葉通りだ。軽快な曲の構成は爽やかだが、「Good Boy」に比べると地味な感じがする。つまり、強力なインパクトがないということだ。
ミニアルバムに収録された曲を聞いてみると、自然に彼女のプライバシーを覗き見するような“勘違い”をすることになる。もちろん「声」は違うが、「Good Boy」と「昨日よりも今日の方がもっと」の歌詞を聞いて年下の俳優、チョン・ソグォンと恋愛中の彼女の恋愛話を思い出さないわけにはいかない。
その歌が事実とどれくらい一致するのかとは別に、ペク・チヨンを愛するファンであればそれは確かに楽しいと思える要素だと思う。ペク・チヨンと彼女の所属事務所はこのような点を念頭に置いて、今回のアルバムの収録曲を決めたのだろうか。その可能性は十分にあるだろう。ますます“仮想”と“現実”の区別が曖昧になり、スターとファンの距離が縮まり、ひいては足のない言葉が地球の反対側まで一瞬に広がる時代を生きているためだ。
記者 : ソ・ソクウォン