国民の時代劇「太陽を抱く月」の大ヒットにSHOWBOXが喜ぶ理由とは?

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放送終了まで4話を残しているMBC水木ドラマ「太陽を抱く月」が視聴率40%を突破するやいなや、ソウル忠武路(チュンムロ)に密集する韓国の映画会社の明暗が分かれている。「太陽を抱く月」で大活躍している主演俳優をキャスティングした映画会社は「反射的利益を得られるだろう」と喜んでいるが、彼らをキャスティングしていなかった映画会社は「後悔先に立たず」の状態だ。

「太陽を抱く月」の大ヒットを誰よりも喜んでいるのは、チェ・ドンフン監督の「10人の泥棒たち」の関係者や同映画に投資した大手配給会社のSHOWBOXだ。もともとキム・ユンソク、キム・ヘス、イ・ジョンジェ、チョン・ジヒョン、オ・ダルスなど超豪華俳優が出演した作品ではあるが、最年少のキム・スヒョンも期待以上の人気を博して喜びを隠し切れない様子だ。キム・スヒョンはドラマ「ドリームハイ」で10代のファンを獲得しただけではなく、今回の「太陽を抱く月」で、中高年層にまでその人気を広めた。観客1,000万人の動員を目指している「10人の泥棒たち」側から見ると、頼もしいサブエンジンを手にしたことになる。

「10人の泥棒たち」の関係者は「ザンパノ役をめぐって、20代の男性俳優の間で熾烈な競争が繰り広げられていたが、キム・スヒョンに決定して本当に良かったと思っている。『太陽を抱く月』の後押し効果が映画が公開される7月まで続くとは思わないが、キム・スヒョンという名の重みは以前とは違ってくるはず」と話した。

キム・スヒョンは「10人の泥棒たち」でマカオのカジノのVIPルームに保管された420億ウォン(約31億円)相当のダイヤモンドを盗む中韓連合泥棒たちの“末っ子”メンバーだ。劇中で魅力を放つ泥棒「AnyCall」(チョン・ジヒョン)に片思いする恋愛模様も描かれ、多くの男性俳優が目をつけていた役だ。

ハン・ガインの主演作「建築学概論」の制作会社Myoung Filmも期待を高めている。「太陽を抱く月」の序盤にハン・ガインが登場してから演技力に疑問符が投げかけられ、映画制作会社内でも一時心配が広がっていた。しかし、記憶を取り戻したヨヌが嗚咽するシーンをきっかけに議論が払拭され、同会社も安心しているという。

ハン・ガインは「建築学概論」で15年ぶりに再会した大学の同期、スンミン(オム・テウン)の心を揺さぶる初恋の相手、ソヨン役を演じた。大学1年の時、建築学概論の授業を共に受け、心のときめきを感じていた二人が15年ぶりに再会し、ソヨンが建築士となったスンミンに自身の家を設計してほしいと依頼したことから始まるストーリーを描いたラブコメディ。ポン・ジュノ監督の助監督出身で、映画「不信地獄」を演出したイ・ヨンジュ監督が久し振りにメガホンを取る長編映画であり、ロッテエンターテインメントの配給を通じて韓国で3月22日から公開される。

「太陽を抱く月」で大王大妃ユン氏として出演しているキム・ヨンエも、映画「グッバイ、マザー」以来3年ぶりとなる映画出演を決めた。チョン・ジェヨン、パク・シフらと共演する映画「殺人の告白」がその舞台となる。この映画でキム・ヨンエは娘を殺害した連続殺人犯に復習する財閥のCEO、ハン・ジス役を演じる。ハン・ジスは、殺人犯として挙げられていたイ・ドゥソク(パク・シフ)の時効が成立した後に、自分の衝撃的な犯行を記録した本を通じてベストセラー作家として登場すると、彼を暗殺するために被害者たちの家族を集めて陰謀を計画する“プランナー”だ。

「殺人の告白」の投資会社SHOWBOXの関係者は、「印象に残る演技で高く評価されていたキム・ヨンエが、『太陽を抱く月』での名演技で再び注目されている。『殺人の告白』では、娘を失った母の母性愛と犯人への復讐心に悩まされる、両面性のある女性を演じる」と述べた。キム・ヨンエの娘で、この事件を担当するチェ・ヒョング(チョン・ジェヨン)の元彼女、チョン・スヨン役はドラマ「チュノ~推奴~」でチョボク役を演じたミン・ジアが努める。

“国民の時代劇”として浮上した「太陽を抱く月」に続いて、キム・スヒョン、ハン・ガイン、キム・ヨンエが次期作となる映画でどれほどの観客を呼び込むことができるのか、見守りたい。

記者 : キム・ボムソク