ジョン・パク ― 「スーパースターK」は神様がくれたチャンス
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写真提供=Music Farm
2010年、Mnetのオーディション番組「スーパースターK」に出演し、注目を集めたジョン・パク(パク・ソンギュ)がついに歌手デビューする。優勝はできなかったが、ジョン・パクの人気は優勝者のホガクに負けないほどであった。1年間悩みに悩んだ結果、自分の望む音楽ができる、歌手になることを決めた。「スーパースターK」出身の歌手ではなく、“歌手”として堂々とファンの前に立った。22日、ジョン・パクは歌手としてデビューミニアルバム「Knock」を発売する。全5曲が収録されており、所属事務所Music Farmの大先輩であるキム・ドンリュルのサポートのもと、ミュージシャンとしての能力を思いきり発揮した作品だ。タイトル曲「Falling」は自ら作詞とプロデュースをした。彼ならではの、低くて深みのある声と裏声がマッチしており、ジョン・パクの繊細な感性が感じられる曲である。
「今までは声を張り上げて歌ってきたが、この曲はリラックスして歌うようにした。キム・ドンリュル先輩と共に制作作業をして、歌詞をどのように伝えるかに注力した。そうしているうちに、だんだん曲によって歌唱法を変えて歌えるようになりました。自分で作詞をしたのですが、本当に誇らしく思っている。シンガーソングライターとしての一歩を踏み出したので、これからは自作曲を収録したいと思う」と語った。
デビューしたばかりの新人として作詞とプロデュースをしたジョン・パクは、所属事務所が決まって1年もの間、音楽に集中した。両親が韓国に来ても、ソウルで一人で過ごしながら、自分の内面磨きに時間を費やした。
「1年間休んだり、読書しながら韓国語の勉強に集中しました。いつも身近に辞書を持ち歩いていました。僕の感情を韓国語で表現するのは簡単なことではありませんでした。ふと頭に思い浮かんだことを韓国語で直訳していたら、内容はめちゃくちゃで、どこか不自然でした。でも、今は頭に浮かんだことを韓国語でうまく表現できるようになって、前より早く歌詞を書けるようになりました」と嬉しそうに語った。
ジョン・パクを語る上で欠かせないのが「スーパースターK」である。これは彼自身も分かっていた。負担に思うより、現実をありのまま受け止めていた。「『スーパースターK』を通じて人気を得たのは事実だ。また、歌手として早くデビューできる機会も得た。当時は僕の人生の最盛期だと思っていたので、その次に何をすべきか散々悩んだ。アイデンティティに混乱する時期だった。『スーパースターK』では見せることのなかった姿を披露すべきだと思っていた。演技をするにも、大手芸能事務所に入らなきゃと思っていた。芸能人ジョン・パクでないと、見てくれないような気がした」と悩んでいた当時の気持ちを語った。ジョン・パクは迷っていたが、「『スーパースターK』は神様がくれたチャンス」という彼の一言で片付いた。
長く悩んできたジョン・パクは、自分の好きな音楽ができるMusic Farmと専属契約を結んだ。「長く悩んだが、悩むことで悟ったこともある。それは、人気と金がすべてではないということだ。僕は音楽でないと、幸せになれることも、成功することもできないことも分かった。芸能人ではなくミュージシャンになりたかったので、欲望を捨てた。でも、音楽への欲望はさらに大きくなった」と語った。
さらに「音楽への欲望は、僕が心から望んでいる歌手に導いてくれると思う。自分を誇らしく思っているし、今回のアルバムにも自信を持っている。素敵な曲をもらって、僕がミュージシャンを目指してこのように立っていることに自信を持っている」と語り、自身の選択を後悔しない“自分”を励ましていた。
また彼は、「今までは『スーパースターK』と言う番組を通じて認めてもらったが、これからは歌手ジョン・パクとして認めてもらいたい。『スーパースターK』出身というタイトルがメインにならないようにシンガーソングライターを目指している歌手として前へ進みたい」と付け加えた。
韓国語の勉強に励んだと言うジョン・パクは、適材適所に合った単語を使いながら、自分の考えを語った。「本格的な活動を控えており、頭の中がこんがらがっているが、インタビューを通じて今まで僕が考えてきたことをまとめることができてよかった。頭で思っていることを口にする機会がなかったが、今回のインタビューを通じて、今の僕はこうなんだなと分かったような気がする」と照れくさそうに微笑み、インタビューを終えた。
記者 : ペク・ソルミ、翻訳:チョン・ジュヨン