【2011放送決算】“カン・ホドン時代”終焉、芸能戦争が本格化

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2011年、韓国の芸能界の基準はカン・ホドンによって変わったと言っても過言ではない。9月にカン・ホドンが暫定的に引退し、10年余り誰も脅かすことのできなかったカン・ホドン、ユ・ジェソクふたりによるライバル体制が崩れ、新しい時代が開かれた。カン・ホドンがTVから消えて3ヶ月、荒々しく吹き荒れた芸能界の変化をもう一度振り返る。

◆ カン・ホドン暫定引退
1993年、MBCの特別採用コメディアンとしてデビューしたカン・ホドンは、ユ・ジェソクと“国民的MC”の座をバラエティ界で争っていた。彼らが作り上げた牙城に崩れる兆しは見られなかった。
しかし2011年9月5日、カン・ホドンの税金過少納付が報じられ、国税庁から数億ウォン(1億ウォン=約668万円)にも及ぶ追徴金を請求されたと伝わると、事態は混乱に陥った。国民は真偽の確認よりも先に、彼に裏切られたという印象を抱き、カン・ホドンは素早く記者会見を自ら開いて暫定的な引退を宣言した。

◆ カン・ホドンのプログラムの混乱
カン・ホドンの引退宣言と同時にバラエティ界にも大きな変化が起こった。当時彼が進行を担当していた地上番組は、KBS 2TV「ハッピーサンデー-1泊2日」、MBC TV「黄金漁場-ヒザ打ち導師」、SBS TV「強心臓」、「スターキング」の4番組。これらの制作スタッフはその対応に頭を悩まされた。
「1泊2日」はカン・ホドンなしの5人体制で来年2月まで放送することになり、「強心臓」はイ・スンギの単独MCに、「スターキング」はDJブームとイトゥク(SUPER JUNIOR)の2人をMCに変更した。カン・ホドンの存在が絶対的だった「ヒザ打ち導師」だけが放送終了になり、現在「ラジオスター」がその代わりをしている。当初カン・ホドンの番組は今後を心配されていたが、今ではそれぞれ新しいカラーで適応している。

◆ 牙を失った「カン・ホドンのライバル」ユ・ジェソク
カン・ホドンの引退発表と同時に注目を集めたのは、絶対的なライバル、ユ・ジェソクだった。カン・ホドンなき韓国バラエティ界をユ・ジェソクが独走するのか、ライバルを失ったユ・ジェソクもまた牙を失った虎になるのか。これに対する無数の推測記事があふれ返った。これとともに「ポスト・カン・ホドン」にも大きな関心が集まり、イ・スクン、イ・スンギ、キム・ビョンマンなどの名前があがった。
イ・スンギは「強心臓」の初めての単独MCで合格点を受け、3ヶ月が過ぎた今も無理のない進行で番組をリードしている。また「1泊2日」ではイ・スグンとともに、カン・ホドンの空席を補うために懸命に活躍中だ。
また、カン・ホドンの代わりに「1泊2日」のまとめ役になったイ・スグンはKBS 2TV「青春不敗シーズン2」や多数の総合編成番組の進行をしている。
さらに「達人」キム・ビョンマンは、ユ・ジェソクやカン・ホドンを抜いて2011年の最高のコメディアンに選ばれ、最も強力な「ポスト・カン・ホドン」候補となっている。彼が出演中のSBS TV「ジャングルの法則」は同時間帯の視聴率1位を記録し、無敵の快進撃をみせ、この他にもさまざまな総合編成番組の司会進行役として活躍している。26日のSBS TVクリスマス特集ドラマ「クリスマスプレゼント」では演技にも挑戦し、俳優としての地位も確立しようとしている。

◆ 伏兵オム・テウン、虎視耽々キム・グラ
イ・スンギ、イ・スクン、キム・ビョンマンの他に新しく急浮上した芸能人がいる。その中で視聴者を驚かせた人物は「1泊2日」の最年長となった俳優オム・テウンだ。これまで「1泊2日」では「オムスンドゥン(※穏やかなオム・テウン)」と呼ばれ、優しいイメージを見せてきたが、今はカン・ホドンなき「1泊2日」の新しいお笑い担当になっている。最近の放送では、無茶苦茶な罰ゲームを言い渡すナ・ヨンソクプロデューサーにキレて話題になった。彼のためらいのない発言はポータルサイトのリアルタイム検索語にもなり、人々を動かしている。
また、始終一貫した毒舌で芸能人を緊張させるキム・グラは、カン・ホドンはもちろんユ・ジェソクの座までも遠慮なく狙っている。彼は14日「ラジオスター」で演芸大賞シーズンが近づいてきたと口を開き「毎年ユ・ジェソクが受賞するのでは、何の感動もないし、退屈だ。いつも同じ人ばかり受賞しているではないか? 2011年は強力なライバルのカン・ホドンの暫定引退でさらに面白くなくなった。ユ・ジェソクの独占を我々が防がなければならない」と「ラジオスター」の大賞受賞理由を明らかにして話題になった。

◆ カン・ホドン告発事件の却下決定、2013年復帰の合図?
カン・ホドンの暫定引退宣言後、バラエティ界は素早く変化し、現在はある程度安定を取り戻した印象だ。そんな中、ソウル中央地検がカン・ホドン告発事件を却下すると明らかにし、脱税容疑を免れたカン・ホドンの復帰に関心が高まっている。
現在のところ、カン・ホドンの復帰の可能性は報道されていない。しかし彼が復帰した場合、再びバラエティの王者の座を取り戻すという意見が多数だ。2012年のバラエティ界の変化が注目される。

記者 : イ・ウイン