「NO WAY OUT:ザ・ルーレット」ユ・ジェミョン“6歳の子供と様々な国に行きたい”

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写真=STUDIO X+U
俳優ユ・ジェミョンが、出口がないと感じていた当時を振り返った。

ユ・ジェミョンは最近、ソウル鍾路(チョンノ)区のあるカフェで行われたDisney+シリーズ「NO WAY OUT:ザ・ルーレット」(以下、「NO WAY OUT」)(脚本:イ・スジン、演出:チェ・グクヒ、イ・フビン)に関するインタビューで、演技をしながら出口がないと感じた時代を振り返った。

同作は、希代の凶悪犯キム・グクホ(ユ・ジェミョン)が出所するやいなや、200億ウォン(約22億円)の懸賞金をかけた“公開殺人請負”が行われ、“殺そうとする者”と“生き残ろうとする者”の間で繰り広げられる対決を描いたドラマだ。同作でユ・ジェミョンは極悪無道な性犯罪者キム・グクホを演じた。

ユ・ジェミョンはキム・グクホについて「生まれつきの悪人」と紹介し、「悪役を何度もやってきましたが、悩まないわけではありません。自分がどのように見えるか、イメージを気にしない方なので、直感的に作品を選びました。プレッシャーはありましたが、心配はしませんでした。むしろ周りの人たちが心配していました」と話した。チョ・ドゥスン(2008年に起きた強姦致傷事件の犯人)を連想させるという反応については「出所後、チョ・ドゥスンが住む地域の住民から反発があったと記憶しています。あるプログラムで化学的去勢についての討論を見たこともありますし、社会的に重要な部分だと思っています。極端な人物ですが、実際に存在する人物であり、想像力により作られた人物だけど、十分に共感でき、つなぎ合わせることができるだろうという判断のもとで出演を決めました」と明かした。

今作の出演俳優の中で、一番最初に出演を決めたというユ・ジェミョンは、「一人ひとり決まる度に、良い作品になるだろうと思いました」としながらも、イ・ソンギュンさんの訃報について、「残念でした。色々なことが起きるのが現場ですが、大変だったのも事実です。たくさんの人が集まったので、この作品をきちんと作り上げることが最優先の目標でした。仲間たちと痛みを分け合って、いいものを作ろうと意気投合したのが唯一の力でした。そのようにして公開まであっという間に時間が過ぎたようです」と打ち明けた。

「NO WAY OUT」というタイトルのように、実際に人生の出口がないと感じたことがあるのかと聞かれると、「俳優としてどうすればいいのか分からなくなった経験もありますし、知られていない状態で辞めたいと思ったこともたくさんありました。ソウルに来た時も、オーディションも受け、プロフィールを自分で配りながら、先が見えないという思いはありました。釜山(プサン)で劇団を運営しながら演出をし、燃え尽き症候群のようなものを経験して、新たに始めたいという衝動的な気持ちがありました。計画していたというよりは、休みに来て居座ってしまったケースです。現実はとても貧しかったですが、『応答せよ1988』に出会って第2幕が始まりました」と切り出した。

ターニングポイントになった時期としては「3回ほどあります。『応答せよ1988』が国民的に愛されたドラマだったため、大きなポイントになりました。『応答せよ1988』の時、ドンリョン(イ・ドンフィ)の父親役をやりましたが、もともと家の内部のセットがなかったんです。外の門だけあって、家族もいませんでした。第2、4、8話だけに出て抜ける役だったのですが、多くの方々がドンリョンの父親をビルドアップする十分な魅力を感じてくれたようです。第8話で抜ける役だったので最善を尽くしましたが、どんどん他のシーンも追加され、妻も家族もできて、第18話までいきました。そのような幸運はあまりないと思います。『秘密の森』にも出演できると思いませんでした。『応答せよ1988』と『カッとナム・ジョンギ』でのコミカルな姿とは異なるキャラクターだったのですが、多くの方々にサポートしていただきました。僕という俳優にそのキャラクターがやって来るとは思いませんでしたが、一生懸命にやって多くの人に愛されました。3回目は『梨泰院クラス』だったと思います。もともとチャンガの会長役ではなく、父親役で4回分出る予定だったのですが、監督に“チャンガの会長だったらうまく演じられそうだ”と先に提案したんです。監督も想像していなかったようですが、その役を演じることになりました。その3本の作品が大きなポイントになったと思います」と裏話を伝えた。

「NO WAY OUT」と同時期に公開された映画「幸せの国」でも、悪役を披露している。ユ・ジェミョンは「まるで計画したかのように(同じ時期に)公開されることになりましたが、僕は“無計画の計画”によって動く方です。(『幸せの国』にも)興味を持っていただいて嬉しくもあり、異なる雰囲気の作品なので、様々な魅力を見ることができて俳優として幸せでもあります。周りの人は善役を演じることを願っています。無理をするというより、与えられた役に最善を尽くす方ですが、良い作品を待っています。(悪役のイメージに対する)負担はないですが、次の作品では良いキャラクターを準備しています」と知らせた。

休まず作品に出演する理由については“仕事中毒”だと打ち明けた。ユ・ジェミョンは「俳優という存在の宿命ですが、休んだことがないので、休むということをうまくできないのだと思います。しっかり休まないと、充電しないとと思って意図的に休もうとするのですが、うまくできません。趣味があるとしたら近所を散歩し、友達と一緒にお酒を飲むことです。これからはバランスのとれた人生を生きることが、目標になる年齢だと思います。仕事を楽しみながらする方ではなく、うまくやりたくて自分をいじめてやっていたと思います。年を取ってかなり良くなったと思うのが、楽しめると思うようになったので、これからも精力的に活動したいです。運よく、やりたい作品をやれること自体が幸せで、これからもそのようにできそうな気がします。子供が今6歳ですが、名前は“ユ・モドゥン”(韓国語ですべてという意味)だ。すべての国に行ってみたいと言っています。国旗を覚えるのが得意で、クイズを出すとよく当てます。仕事も頑張りながら、子供と多くの国に行ってみたいです」という願いを明かした。

演劇に対する変わらぬ愛情も見せた。長い間、青少年の演劇指導をしてきたユ・ジェミョンは「4、5年ぐらいやったと思います。(あの時教えていた生徒たちが)今はみんな大学生になった。慣れないソウル生活で唯一、情があったところでした。ある方の紹介で始めるようになり、(青少年たちと)共同創作するようになりました。彼らの話を聞いて一緒に台本を書いて上演して。今はやっておらず、これから計画があるとしたら、そういった方面で役立ちたいと思っています。隣で支援してあげたい気持ちが大きいです。青少年の演劇が多くなればと思います。子供たちが思いっきり遊べる環境であってほしいという願いもあります。10年間、何度か(演劇を)推進しようとしたのですが、作品にたくさん出演するようになり、現実的にできなくなりました。8年前が最後の演出ですが、その後にトライしたができなかったんです。来年まで出演する作品が決まっているので、嘘つきになってしまいました」と恥ずかしそうに話した。

最近出演したYouTubeチャンネル「チャンネル十五夜」では、激情的なメロに出演したいという願いを明かすことも。ユ・ジェミョンは「激情的なメロというよりは、中年のラブストーリーがあればいいなと思います。この時代を生きる父、母、中年の愛と別れ、人生の物語です。良い作品が多かったじゃないですか。(中年の愛が)しっかり表現される作品に出演してみたいです」とし、「共演したい俳優は秘密にしておきます」とつけ加えた。

バラエティ出演に関する考えはどうだろうか。ユ・ジェミョンは「提案はたくさん受けましたが、撮影が多くてできなかったんです。できなさそうで断っていました。『三食ごはん』のような素敵な旅行バラエティが多いじゃないですか。久しぶりに(『チャンネル十五夜』で)バラエティの現場に行ってみましたが、やれそうな気がしました。チャンスがあればやってみたいです。僕は面白い人ではないので、どこかに行って暮らせと言われたら、暮らせそうです。俳優のイ・グァンス、キム・ムヨルと一緒に出演できるとよさそうですね」と答えた。

記者 : パク・スイン