イ・ヒョヌ、映画「ドッグ・デイズ」でミュージシャンに変身“オールバックの長髪がすごく気に入った”

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写真=Awesome ENT
映画「ドッグ・デイズ」に出演した俳優イ・ヒョヌが、出演のきっかけや犬との撮影のビハインドを語った。

最近、ソウル鍾路(チョンノ)区安国洞(アングクドン)のカフェで、映画「ドッグ・デイズ」に出演したイ・ヒョヌのインタビューが行われた。

この日イ・ヒョヌは「今までは新型コロナウイルスの感染拡大もあり、対面でインタビューを行うのは久しぶりです」とワクワクする様子で登場した。映画の公開についても「ワクワクしていますし、うまくいってほしいという気持ちもあります。不安がないとは言えません。でも、いつも公開前と公開日はワクワクする気持ちが一番大きいです。観客の皆さんに近づいていく日ですので、反応も気になりますし、自分が表現したことがきちんと伝わってほしいという希望が一番大きいです」と語った。

映画「ドッグ・デイズ」(監督:キム・ドクミン)は、成功した建築家とMZ世代(ミレニアム世代+Z世代)のバイク配達員、シングルの男女と新米のママとパパまで、一人でも一緒にいても寂しい人たちが特別なパートナーに出会い、毎日が変わっていくストーリーを描いた。

同作はキム・ドクミン監督の長編映画デビュー作である。イ・ヒョヌとキム・ドクミン監督は、映画「英雄」を通じて、俳優と助監督として息を合わせた。イ・ヒョヌは「『ドッグ・デイズ』のシナリオは、『英雄』の撮影をしていた時に現場で読んだのですが、素敵で温かい内容だと思っていました。そしてだいぶ時間が経った後にオファーを受けて、考えるまでもなく、ありがたい気持ちで参加を決めました。このように縁が続くのは簡単なことではないので、感謝の気持ちが一番大きかったです」とビハインドを語った。

今作でキム・ドクミン監督と再会したイ・ヒョヌは、「映画『英雄』はユン・ジェギュン監督の他にも、多くの素敵なスタッフと俳優がいる、温かい現場でした。キム監督はJKフィルムで長く仕事をしてきましたので、これまで現場で身につけた部分を今作でも引き継ぎ、『ドッグ・デイズ』の現場が『英雄』からそのまま続いている感じがしました」とし、「『ドッグ・デイズ』が取り扱うテーマも温かいですし、現場もすごく温かかったです。キム監督が持っている姿や性格に好感を抱いたので、温かい現場で撮影ができました」と語った。

劇中イ・ヒョヌは、しばらく恋人の愛犬“スティング”の世話をすることになった無名のミュージシャン・ヒョン役を演じ、オールバックヘアと長髪に変身して注目を集めた。イ・ヒョヌは「監督がヒョンというキャラクターについて、バンドのボーカリストでギターも弾くので、『見た目のイメージがいつもとは違うかもしれないけど、大丈夫?』と聞いてくださいました。僕は様々な姿を本当にたくさんお見せしたかったので、その部分が(むしろ)気に入ったんです。また、ヒョンが感じるスティング、ダニエル(ダニエル・ヘニー)、スジョン(キム・ゴウン)への感情がとても良いと思いました。ある意味で心苦しい部分もあるかもしれないけれど、シナリオを読みながらとても温かく感じました。日常の様子や悩みも自然に伝わってきたので、僕はヒョンがあまり目立たないように、自然に作品の中に溶け込んでほしいと思いました」と振り返った。

また彼は「髪型も気に入っていました。ご覧になる方々がどのように受け止めるかは分かりませんが」と笑いながら、「僕の知人の中では、『初めて見るスタイルだけど似合っている』と言った方もいれば、『あの髪型はどうしたの?』と言った方もいました。ただ、僕は個人的に初めて撮影する時、メイクチームと一緒にテストして、初めてスクリーンの中の自分の姿を見ながらも200%満足しました」と話した。特に彼は映画「英雄」で知り合ったパク・ジンジュの反応も伝えた。イ・ヒョヌは「『ドッグ・デイズ』の試写会が終わって、パク・ジンジュ姉さんと少し挨拶をしたんです。来てすぐに『ヒョヌ、どうしたの? 何? 罰ゲーム?』と言われました」と明かして笑い、「もちろん良い言葉もかけていただきました。ただ、ジンジュ姉さんは僕がハンサムに見えてほしかったと思ってそのように言ったのだと思います」と話し、笑いを誘った。

ミュージシャン役で出演した彼は、劇中の歌を自ら歌った。「実は、そのシーンに対するプレッシャーが一番大きかったんです。ミュージシャンらしい雰囲気が出てこそ、この人物の感情を観客に理解してもらえるように表現できると思いました。すでに『英雄』で(歌を)歌ったことはあったけれど、まだ自信がなかったので、プレッシャーも大きかったです」と振り返った。続けて「(『英雄』で)キム・ゴウン姉さんと一緒に撮影したので、リラックスした状態で歌うシーンを撮影することができました。僕もあのような表情が出てくるとは思っていなかったんです。ゴウン姉さんといたからそうなったのかもしれません。また、スジョンという人物に対面したら、自分が考えていたシナリオの中のイメージは吹き飛んで、その瞬間に没入した表情になったかもしれません。だから僕はとても満足しています。大げさになりすぎず、かつ抑えすぎず表現されていると感じました」と振り返った。

そして「ギターの練習もしました。実はギターは、高校生の時に教室に行って短期間習ったことがあったんです。その時はすごく難しいし、面白くなくて辞めてしまったけれど、今回のキャラクターのために先生に習ったのですが、とても楽しく指導してくれました。撮影のために急いで習わなければならないというプレッシャーがあってもおかしくないのに、先生はそんなことより、ちゃんと楽しんで、練習した分だけ現場で最善を尽くせばいいと言ってくれたんです。練習だけでなく、人間対人間として会話をたくさんした記憶があります。実はその先生のビジュアルがヒョンとすごく似ていたので、その先生から持ってきた部分もたくさんあります」とつけ加えた。

実際に彼は、愛犬ハヌリとピョリと一緒に暮らしている。イ・ヒョヌは「小学生の頃からずっと犬と一緒に過ごしてきました。亡くなった子もいますし、新しい子も一緒に暮らしています。スティング役の犬の本当の名前はフロイドなのですが、とてもいい子で可愛くて、すぐに近づくことができました。犬と一緒に撮影すると、命令をしても100%やってくれるわけではありません。そのため待つことの連続でしたが、その過程もその子が可愛かったので楽しく過ごしました」と振り返った。

続けて、「『ドッグ・デイズ』の撮影後に家に帰ると、2匹の犬がドアの音を聞いて、いつも駆けつけてくれたんです。その度に2つのことを考えました。1つは、『フロイドのように温かく迎えてくれて、心強い友人がいて幸せだ』ということ、もう1つは、フロイドは大型犬なので、抱っこしたり触ったりすると満足感と言いましょうか、気分が違うんです。家に帰ってきてハヌリとピョリに触ると、その感覚はないんです。大きさからくる違いがあって、そのような楽しさもありました」と笑いながら、「ハヌリとビョリは家族です。家族という言葉を温かく感じる人も、辛く感じる人もいるかもしれませんが、僕にとってはすごく良い意味の、温かい家族という言葉で表現できると思います」と愛情を表した。

特にイ・ヒョヌは最近、愛犬をめぐる様々な社会問題に対する心境を打ち明けた。「多くの話を聞いていますし、目にしています。口輪を付けていない状態で人を噛んでしまうケースとか、屠殺場にいる犬もいますし、捨て犬のために素敵なことをしている方たちもたくさんいます。このようにいろいろなものを見ているけれど、(飼い主として)心が痛みますし、腹が立つことも多いです。そのため僕も犬を散歩させる時、さらに気をつけるようになりました」と語った。続けて、「間接的に経験して実感しているので、気をつけるしかありません。僕の犬が他の人の犬に危害を加えることがあるかもしれませんし、逆に被害に遭うかもしれません。まだ僕に子供はいませんが、子供が産まれたらこのような気持ちになるだろうと考えたりもします」とつけ加えた。

全ての出演者が出演料を削って参加したという「ドッグ・デイズ」。これに対してイ・ヒョヌは「もちろん僕が直接関わった部分ではありませんが、映画の作業というのは共同作業です。作品を完成させるため、同じ気持ちで集まったので、とても温かいことだと思います」と話した。また「映画に犬の話がたくさん出てきますが、人の日常の中に犬が一緒にいるじゃないですか。僕たちの映画の中で扱える時間的な部分が不十分なので、短い瞬間にすべてを込めて表現することはできませんが、犬を飼う上で役に立ったり、個人に共感したりと、映画のメッセージが(観客の)人生に良い影響を与えることができれば嬉しいです」と願いを語った。

デビュー19年になる俳優イ・ヒョヌの話も聞くことができた。2005年にデビューした彼は、子役から成人の役までこなし、様々なジャンルで多彩な姿を披露してきた。

彼は「振り返ってみても、この仕事をやってよかったという気持ちが大きいです。やっていくうちに徐々に楽しさを感じています」とし、「幼い頃は、右も左も分からないまま、やらなければならないからやるということが多かったと思います。そうやって意味を感じずにやってきたのですが、仕事を続けながら次第に自分の考えがはっきりして、(演技に)仕事としてアプローチするようになりました。時間が経つにつれて楽しくなりましたし、これまでよりは今のほうが楽しく、今よりも将来はもっと楽しいと思います。一生懸命に走っていく過程だと思います」と伝えた。

そんな彼にもプレッシャーはあった。「いつも上手くやり遂げなければならないというプレッシャーはあったか?」という質問にイ・ヒョヌは「本当に多かったです。いつも作品がうまくいかなかった時にすごく傷ついたり、動揺するほどプレッシャーが大きかったです」と告白した。続いて、「時間がすごく経ったわけではないですが、それでも最近になって思うことは、最善を尽くしてやり遂げるのは当たり前のことで、僕を見守ってくださる方々の反応や結果ももちろん大事ですが、自分の意図がきちんと伝わる時もあれば、伝わらない時もあるということです」と語った。彼は「今はそれ(結果)よりも、自分が本当にやりたいこと、できることを探しています。もちろん100%楽しいとは言えないけれど、さらに楽しいことを探してみようと思っています。(今も)同じように大変ですし、プレッシャーはあります。でも、その過程が今は嫌いなだけではないというのが嬉しいです」とつけ加えた。

記者 : ユ・スヨン