映画「ドッグ・デイズ」タン・ジュンサン“ユン・ヨジョン先輩が面白い子だと褒めてくれた”

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写真=CLNカンパニー
俳優タン・ジュンサンが、映画「ドッグ・デイズ」でユン・ヨジョンと共演した感想を語った。

最近、タン・ジュンサンはソウル江南(カンナム)区論硯洞(ノンヒョンドン)にあるカフェでマイデイリーに会い、映画「ドッグ・デイズ」(監督:キム・ドクミン)に関するインタビューを行った。

同作は、成功した建築家とMZ世代(ミレニアム世代+Z世代)のバイク配達員、シングルの男女と新米のママとパパまで、一人でも一緒にいても寂しい人たちが特別なパートナーに出会い、毎日が変わっていくストーリーを描いた。3匹の犬“ワンダ”“次長”“スティング”を中心に絡み合う人々が、一緒に泣いて笑うヒューマンドラマがオムニバス形式で展開される。

タン・ジュンサンは成功した建築家のミンソ(ユン・ヨジョン)と偶然知り合いになったバイク配達員のジヌ役を務めた。ジヌはミンソの唯一の家族であるワンダが行方不明になったという話を聞き、文句を言いながらも誰よりも一生懸命に探し回る人物だ。アルバイトで生計を立てていく、夢も情も多い若者でもある。

写真=CJ ENM
この日タン・ジュンサンは「ワクワクしています。『ラケット少年団』が放送終了となってから、久しぶりの作品です。もちろん『オマージュ』という作品にも出演はしていますが、撮影中だったのでスケジュールが合わず、広報は全くできなかったんです」とし「久しぶりに出演する作品が公開されて、PRのためファンの方々に会えてとても嬉しかったです。作品の成功を祈っています」と公開の感想を伝えた。

同作は、ナ・ムニ&キム・ヨンオク主演の映画「ピクニック」と、チョ・ジヌン&キム・ヒエ主演の映画「DEAD MAN」と同じ日に公開された。タン・ジュンサンは「この作品にだけ集中していましたし、別の作品は観ることができなかったので、『どうしよう』『この作品の方がいい』などと考えたことはありませんでした。実はまだそのようなことはよく分からないんです」と恥ずかしそうに笑った。ティモシー・シャラメ主演の「ウォンカとチョコレート工場のはじまり」に言及すると「太平洋の向こうにいらっしゃる方です。心配する必要もなく、訪韓されたら嬉しい気持ちで会いに行きます」と冗談めかして言った。

写真=CLNカンパニー
彼は「ラケット少年団」の放送終了後にこの作品の台本をもらった。“MZ”という単語がまだ流行っていない時期でもあった。その当時、ミンソのキャラクター名はヨジョンで、ユン・ヨジョンがその役の台本をもらったという話も聞いた。興味深い台本と誰が演じるかによって変わるジヌというキャラクターは、彼がこの作品を選択する十分な理由となった。

2003年8月13日生まれで、MZ世代の一人であるタン・ジュンサンは、「周りにMZ世代がいなくて、すべてのMZ世代がそうなのかは分かりませんが、堂々としているのが特徴のようです。怖いものがなく、堂々と行動します」とし「僕は自分と年齢差のある人たちとも仲良く過ごせるタイプです。そのような部分はジヌに似ています。ジヌもミンソと仲良く過ごしますから」と説明した。

続いて「ジヌとの違いは、映画の中に出てくる姿の中には、ないと思います。結局のところ僕が演技をしましたので、最大限、自分の体にキャラクターを取り込み、自分に一番よく合う姿を自然に見せようと思ってやりました。そのため作品や台本と大きな違いはないと思います」とつけ加えた。

写真=CJ ENM
MZ世代のライダーらしく、ジヌは長髪で、流行のダウンジャケットを着て登場する。ここにはスタイリッシュで、一度も挑戦したことがないヘアスタイルをやってみたいという彼の願いが反映された。キム・ドクミン監督と、衣装とヘアスタイルについて相談した後、扮装チームからもらった試案が良かったという。特に用意してくれたかつらが気に入って、様々なヘアスタイルをテストしてみたが、結局そのかつらが選ばれた。

彼は「作品には出てきませんでしたが、ジヌが彫刻をやるので、手にたこができていたり、傷もあるように見せた方がいいのではないかと意見を出しました。監督も賛成してくださり、撮影する度に時間をかけて手にそのような扮装をしました。手もたくさん撮影しましたが、残念ながら映画にはあまり出てきません。ただこのような個人的なアイデアと努力があったということを申し上げたいと思いました」と明かした。

同作で彼は、「アカデミー賞」で韓国人俳優として初めて助演女優賞を受賞した大先輩ユン・ヨジョンと息を合わせた。彼は「先輩とは仲良くとまではいかないけれど、不便なことはありませんでした」とし「大先輩ですので、もし怒られたり、何か言われたりしたらどうしようと心配していたのですが、それは無駄な心配でした。それだけでも、僕に十分優しくしてくださったと思います」と感謝を伝えた。

2人の共演シーンに言及する時、アドリブの話は欠かせない。これに先立ってユン・ヨジョンは、マスコミ向け試写会およびインタビューなどで、アドリブに挑戦したがるタン・ジュンサンの失敗に言及したからだ。当時彼女は「その姿を見ていると面白くも、可愛くもあった。『そんなにやりたいの?』と質問したら、そうだと答えた。だけど、結局失敗した」と回想した。

これについて質問するとタン・ジュンサンは「編集されたシーンがあります。先輩と2人で、車をしばらく止めて夕暮れを眺めながら、会話をするシーンでした。セリフは全て終わったのですが、監督が夕焼けを入れると言って、そのまま撮影を続けたんです」とし「その時に僕がアドリブを入れたいと言ったら、先輩がやってみてと言ってくださいました。『とにかくやってみよう』と思いました」と説明した。

そして「本当に予想もできなかったことですが、先輩が許してくれたんです。そのようにしてアドリブが続きました。徐々にカメラが後ろへ行きながら全体的な風景を撮影していたので、何を言っても構わない状況でした」とし「撮影が終わったら、先輩が『あなた、とても面白い子だね。面白かった』というニュアンスで褒めてくださったことが思い出されます。実は、先輩はアドリブが嫌いだという話を聞いたので、やめようかとも思ったんです。先輩がどのようなアドリブを返してくれたのかは覚えていません」と告白して笑いを誘った。

2003年生まれのタン・ジュンサンと1947年生まれのユン・ヨジョンが一緒に演技を披露したように、ライダーのジヌと成功した建築家のミンソは、この時代の若者と大人として世代を超える友情を築く。2人が描く関係性と、ミンソがジヌに伝えるメッセージは深い響きを与える。タン・ジュンサンは、ジヌの感情について「その当時は胸を打たれたとしても、数日後には忘れてしまったんじゃないでしょうか」と解釈した。

彼は「ミンソが青春について語る時、ジヌは『これからどのように過ごしたらいいだろうか』と未来についてたくさん悩んだはずです。だけど、それは何日続いただろうかと思います」とし「もちろんジヌはすぐにありがたく感じて、どうして優しくしてくれるのか質問しました。また『本物の大人なんだ。僕は老けたことはないけれど、先生は若かった時代があったんだ』と、彼女の話に胸を打たれたはずです。毎日ではないと思いますが、たまに思い出す言葉だったのではないかと思います」と話して目を引いた。

ジヌに対するタン・ジュンサンの細かい分析についても聞くことができた。いなくなった犬を探すことは簡単ではない。しかしジヌは、ワンダを失ったミンソのため、積極的に乗り出す。これはジヌが純粋に、ミンソ対して人間的に好感を持っていたからなのか、あるいは今後、ジヌも犬を飼う可能性があるのか。タン・ジュンサンは「僕も撮影中にそのようなことを考えたことがあります」と答えた。

彼は「ジヌは犬を飼うほどではないけれど好きで、もし飼うとしたら一生懸命にケアすると思います。初めてワンダに会った時、少し驚いて、可愛いけれどブサイクだとストレートに言うじゃないですか。ワンダを探したのは、頼まれたから『それなら助けてあげよう。一体にどこへ行ったのだろう』という気持ちだったかもしれません。見つけた後には、ミンソへの申し訳ない気持ちもあったけれど、安心してよかったと思ったでしょう」と説明した。

また「ジヌは絶対、彫刻は続けていくと思います。子供の頃から天才と言われた上に、大人になってもアルバイトをしながら趣味として彫刻をやっていることから、彫刻への愛情があったと思います。彫刻で成功したかもしれません。当分の間、配達は続けるはずですから、ミンソとたまに会って食事もして、そしてある日、彼女に作品を見せてアドバイスももらって。『あら、これは本当にいいね』と言われてバイトをやめてもいいくらいになるのではないかと。僕はハッピーエンドを切実に願っています」と語った。

写真=CLNカンパニー
インタビューの最後の質問は、彼の青春に関するものだった。同作で青春そのものであるジヌを演じた彼の青春は、今どこに向かっているのだろうか。タン・ジュンサンは「僕がどこから来て、どこに向かって進んでいるのかは分かりません。このような話はいつもすごく難しいです。簡単に考えたいけれど、うまくやっているのか、青春をきちんと過ごせているのか、すごく深く考えてしまいます」とし「一つ確実なことは、僕はやりたいことをやりながら過ごしているということです」と堂々と答えた。

続いて「時々、ある方々が、『今のうちにたくさん遊んで、今できることをたくさん経験して』とアドバイスしてくれます。僕も演技に役立つことをいろいろとやりたいと思っています」と明かし、「僕は今役者として活動していて、演技のためにしていること全てがやりたかったことなんです。そのため、自分なりに青春を過ごせているのではないかと考えています。やりたいことをやっているので、とても幸せです。青春が過ぎて大人になっても、ずっと役者として活動したいです」と伝えた。

記者 : カン・ダユン