黒木華主演「せかいのおきく」韓国で2月21日に公開…阪本順治監督が訪韓へ

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(株)ATNINE FILM
日本の巨匠、阪本順治監督が訪韓する。

映画の輸入・配給を担当する(株)ATNINE FILMは昨日(8日)「映画『せかいのおきく』の坂本監督が、24日から27日の日程で訪韓する。韓国の観客との熱い出会いを予告する」と伝え、期待を高めた。

21日に韓国で公開される「せかいのおきく」は、19世紀の江戸時代、武家育ちの一人娘おきくと、糞尿を売買する業者の中次と矢亮、輝く3人の愛と青春を軽快に描いた作品だ。

坂本監督の30作目であり、初のオリジナル脚本で完成された、これまで見たことのない新しい時代劇として昨年公開され、映画「怪物」や「君たちはどう生きるか」などを抑え、「2023年 第97回 キネマ旬報ベスト・テン」の日本映画部門1位と脚本賞を受賞。「第78回 毎日映画コンクール」大賞、脚本賞、録音賞の3冠、また「第45回 ヨコハマ映画祭」では日本映画ベストテンで2位、主演女優賞(黒木華)、助演男優賞(佐藤浩市)、美術賞の4冠に輝いた。

「第53回 ロッテルダム国際映画祭」「第22回 ニューヨーク・アジアン映画祭」「第25回 上海国際映画祭」など、全世界の映画祭への招待と受賞はもちろん、昨年「第24回 全州(チョンジュ)国際映画祭」を通じて韓国で初めて同作が公開され、観客と評団のハートをつかんだ。

この作品が注目される理由は、坂本監督の繊細な視線が盛り込まれているためだ。

これまで精力的にフィルモグラフィーを重ねてきた坂本監督は、30本目の作品で初めてモノクロ時代劇に挑戦した。肥料を畑にまいて作物を育て、それが成長すると食物になり人の口に入り、再び肥料になるというユニークな循環経済が行われていた江戸時代を背景に、監督の視線をそのまま映し出した。

坂本監督は映画社を通じて「3年間のパンデミックを経験して、私もとても辛かったし、人々に希望的な話をしたかった。なので最下層の人々が差別されながらも負けずに生きていく、そのような姿をカメラに収めてみた」と演出の意図を明かした。

評論家の反応も良い。映画を事前に観覧した海外のメディアと評論家は「時代劇に対する坂本監督特有の大胆さが際立つ」(ロッテルダム国際映画祭)、「素晴らしい演出」(Sight&Sound)、「平凡な時代劇、その中で発見した一味違う新鮮さ」(Chris Knipp)、「坂本監督は本当に純粋な愛を見せてくれた。今年最高の映画」(Genkinahito)、「世界はこのような映画を待っていた」(オダギリジョー)など、好評が相次いだ。

今回の訪韓は、坂本監督の韓国に対する並々ならぬ愛情で実現した。彼は、1973年に東京で起きた金大中(キム・デジュン)元大統領の拉致事件を扱った映画「KT」(2002年公開)の監督として、キム・ガプス、チェ・イルファ、キム・ビョンセなどと縁を結んだ。当時この映画は「第52回 ベルリン国際映画祭」コンペティション部門に招待された。

「闇の子供たち」(2010年公開)で訪韓した際には、ポン・ジュノ監督と対談。また、俳優ユ・ジテと共に「第3回 DMZ国際ドキュメンタリー映画祭」のトレーラーを演出するなど、韓国と長い間縁を続けてきたため、今回の訪韓にも期待が高まっている。

「せかいのおきく」は2月21日に韓国で公開される。

記者 : ナム・ヘヨン