「眠り」チョン・ユミ“完璧な台本だった…新しい監督が作品を発表することに大きな意味がある”

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写真=ロッテエンターテインメント
映画「眠り」に出演した女優のチョン・ユミが、作品と自身について語った。

最近、チョン・ユミはソウル市鍾路(チョンノ)区安国洞(アングクドン)のカフェで映画「眠り」に関するインタビューを行った。

今年5月、「第76回カンヌ国際映画祭」批評家週間に正式出品されて注目を集めた「眠り」は、幸せな新婚夫婦のヒョンス(イ・ソンギュン)とスジン(チョン・ユミ)を悪夢のように襲った夫ヒョンスの睡眠中の異常行動、眠った瞬間に始まる恐ろしい秘密を解くために努力する2人の物語を描いた。

ボン・ジュノ監督の作品「オクジャ」の演出部で経験を積んだユ・ジェソン監督の長編デビュー作で、チョン・ユミとイ・ソンギュンが夫婦役で共演した。チョン・ユミは、ある日突然始まった夫ヒョンスの睡眠中の異常行動に直面し、最も信頼していた存在が毎晩自分を脅かす対象になってしまった恐ろしい状況に置かれた妻スジン役を演じた。

チョン・ユミは作品に参加したきっかけについて、「このようなジャンルの台本を初めてもらいましたし、すごく簡潔しているなと思いました。映画はドラマよりセリフが少ない方ではありますが、その中でもパーフェクトな台本でした」とし、「すごく面白かったですし、台本を読んでから、これを書いた監督がとても気になりました。いつも監督が誰であるのかが私には重要なので、脚本で感じる空白をどのように埋めていくべきかを監督の口から聞きたかったんです。そのようにして監督と最初の打ち合わせをして話を聞いた後、監督を信頼することができたので、出演すると言いました」と振り返った。

ユ・ジェソン監督との撮影の裏話も伝えた。チョン・ユミは「シナリオで表現していた方法と、現場で監督が話す感じが違うことがあります。でも、ユ・ジェソン監督は現場とシナリオが同じでした。無駄がなく、最初の打ち合わせや現場で無駄なことをあまり言わないところもよかったです」と明かして笑顔を見せた。また「『眠り』はある意味、低予算の映画だと思います。だから撮影もコンパクトにしなければならなかったのですが、監督が説明を簡潔にしてくれたので、分かりやすかったです。おかげで演技をする時、より明確にやることができました。演技をしていると、自分でも意識しないうちに、小細工をすることがあるんです。でも『眠り』ではそれが少なかったです。荷物を開けるシーンがあったのですが、その時に『一度に“パッ!”と開けてほしい』と細かいところまで決めてくれました。おかげで演技する時に楽でしたし、自分でも監督が何を望んでいるのか分かりました」と説明した。

また、“澄んだ目の狂人”というあだ名を得た今回の演技について、「その表現は、カンヌで映画が上映されて初めて聞きましたが、そのように表現してくださると知っていたら、もっと狂気に満ちた演技をすればよかったと、個人的に残念な部分が残りました。演技をする時はそのようなことを念頭に置かず、シナリオに書いてある通り、監督に言われた通りにやりました。でも、いつの間にか数年間から“澄んだ目の狂人”が流行語になっていました。それを聞いて個人的には惜しいと思いました」と打ち明けた。また「劇中で観た時、自分でも驚くような顔がたくさんありました。演技する時は自分の顔は見れないじゃないですか。もともと現場で監督にモニターを見るようにと言われない限り、あまり見ない方だったのですが、びっくりすることが少しありました」とし、「現場でローアングルで撮ることがすごく多かったんです。それが実はすごく嫌でした。現場では『どうして下から撮るんだろう? 鼻の穴だけが見えるのではないだろうか』と思っていたけれど、映画を観たら、映画のために必要なシーンだったと思います」と話した。

そして「3つのチャプターに分かれていて、キャラクターが少しずつ変化しますが、事前に監督と話した部分はなく、その日その日に撮るべきシーンについてだけ話しました。キャラクターがすごく日常的な服を着ていたので、何が大きく変わるのか分からなかったけれど、美術チームなどが準備した空間が変わると、それがすごく参考になりました。特に指示してもらわなくても、チャプターごとにセットがどんどん変わりました。そのような空間に入ると、監督や制作陣が何を表現したいと思っているのかが分かり、そのように演技をしました」と説明した。

「新感染 ファイナルエクスプレス」「82年生まれ、キム・ジヨン」に続き、母親役を演じたチョン・ユミは、「妊婦を演じる時に良い点があります。休憩時間に何か飲みながら、お腹にたてかけておくといいんです」と笑顔で話し、「一度やったことがあるので、妊婦の演技は難しくはありませんでした」と話した。また、女性の人生と悩みを描いたキャラクターを演じることになった点については、「全く(それに関して)悩みながら演技はしませんでした。ただ、その時に与えられた役に忠実だっただけです」とし、「無責任に聞こえるかもしれませんが、私は本当に監督が言う通りにしただけです。ストーリーを書いたのは監督ですし、それに対する信頼がありました。実を言うと、監督が『このように演じてください』と言ってくれる時が一番嬉しいです。そう言われると、むしろ感情表現がより自由になるんです。解釈に自分の考えが入りすぎてしまうと、コンパクトな作品に負担をかけるかもしれないと思い、監督にたくさん聞きながら撮影しました」と語った。

2003年に映画「愛する少女」でデビューしたチョン・ユミは、「親知らず」「家族の誕生」「よいではないか」「人喰猪、公民館襲撃す!」「10億」「私のチンピラな彼氏」「カフェ・ノワール」「トガニ 幼き瞳の告発」「新感染 ファイナルエクスプレス」「サイコキネシス-念力-」「82年生まれ、キム・ジヨン」など多数の作品で活躍した。特に「ロマンスが必要2」「恋愛の発見」などラブコメディでの活躍はもちろん、「ユン食堂」「ソジンの家」などのバラエティ番組に出演してラブリーな魅力をアピールし、“ユンブリー(チョン・ユミ+ラブリー)”というニックネームを得た。

“ユンブリー”というニックネームについて彼女は「ここでユンブリーに言及されるとは思いませんでした」と笑いながら、「突然ついたニックネームです。もちろん、親しい人たちが私をユンブリーと呼んでくれることもありますし、面白いので楽しんでいます」と話した。また「ユンブリーと呼ばれなくなったらどうか」という質問には「それなら仕事を辞めます。そこで終わりにします」と答え、爆笑を誘った。

様々なバラエティ番組に出演していることに対する本音も打ち明けた。チョン・ユミは「バラエティ番組に出演してから6年も経つので、もうぎこちなくはないけれど、私を幼い頃から見てきた方々は、私が生活密着型のバラエティ番組に出演したのを見て驚いたと聞いています」とし、「(『ユン食堂』)チームと数年に一度やっているので、その中で親しくなりましたし、タイミングもよく合いました。昨年11月下旬か初旬にメキシコに行った時、(パク・)ソジュンとイ・ソジン兄さんと『私たちがもう6年にもなるの?』と言ったことがありました。私たちも話しながら驚きました。短い撮影ではありますが、シリーズ物の感覚で言えば、ドラマさえこんな風に撮ったことはありません。そのようなシリーズのフォーマットを持つバラエティはないので、ある意味では“作品”だと思います」と語った。

また「振り返ってみると、女優としてこんなにバラエティに出ることになるとは思わなかったけれど、『それでも楽しんでできているな』と思って、すごく感謝しています。そしてバラエティは、演技をする時に役立ちます。そのような時間が与える癒しと自由さがあります。バラエティを通じて、自分という人間に対する幅が広がったような気がして、演技をする上でも、何でもできるという自信が持てるようになります。『こんなこともできるのだから、元々やっていた演技ができないわけがない』と思っています」と語った。

音楽活動もバラエティ番組出演と同じ脈絡だという。先立ってチョン・ユミは、2016年にはソン・シギョンと「Andromeda」でコラボを、2021年にはColdeとデュエット曲「Enough」を発売した。彼女は「ソン・シギョン兄さんとのコラボは、普段から彼の音楽が好きで、当時音楽監督と個人的に親交があったのもありました。監督が『一緒にやらないか』と提案してくれて、すごく驚きました。それも私にとっては挑戦でした。彼らに迷惑をかけてはいけないと1番先に思いました。(レコーディングをしながら)私がそのような音を持っていることを初めて知りましたし、次にどんな役を任されるかは分からないけれど、この音を活用できると思いました」と振り返った。

今年でデビュー20年になる女優チョン・ユミの裏話も聞くことができた。彼女は「楽な気持ちで演じられるキャラクターにはどんなものがあるか」という質問に、「楽なものはありません。いつも他の人と一緒に作り、違う話をしなければならないじゃないですか。その状況を自然に受け入れるために努力するだけで、このキャラクターは楽で、自分にはこれが合っていると思うと、もっと複雑になってしまうと思います」と話した。また「仕事をする度に“良い俳優”に対する考えが変わってきます。1つの作品の中でも、演技的な技術が必要な時もあれば、感情的な表現が必要な時もあります」とし、「ただ、個人的にはいつからか技術がバレない形で演技することを目指すようになりました。撮影をしていると、技術的に息を合わせなければならないシーンもありますし、その中で感情が必要なシーンもあります。実際の状況であれば感情を出し切ったほうがずっと楽ですが、構図も合わせないといけないので、自分の感情だけを見せることはできません。技術的な面の中で出てくる別の姿が面白いと思います」と説明した。

チョン・ユミは「若い頃はキャラクターに完全に感情的に入り込んだことがありましたが、撮影が終わると大変でした。なぜなら、私はそのキャラクターではないですし、ずっとそのように生き続けることができないからです。そのような経験もありますし、様々な経験を積んでいくうちに考えが変わったと思います。次にどんな作品をやるかは分かりませんが、それに合わせて私が動きながら演技をしようと思います」とつけ加えた。

作品を選択する基準については「以前は選ばれる立場でしたし、今もシナリオをもらわないと選択できない立場ですが、一番重要なのは文章と監督です。文章が良いからといって作品を選ぶわけではない。それが良ければ監督に会いますし、監督との最初の打ち合わせが良ければ出演します」とし、「最初の出会いが良くなければ、二度三度会っても変わりません。私も良い印象を与えなければなりませんが、初対面で何か違うと思ったら選びません。文章がいいからといって、必ずしもうまくいくとは限りません。文章は良かったけれど、自分とは合わないと思った人もいました。今は何本も仕事をしてきているので、初対面で分かるようになりました」と打ち明けた。

最後に彼女は「ユ・ジェソン監督と次の計画について話したことはありませんが、次がとても楽しみです。他の監督も素晴らしいけれど、このように新しい監督が出てきて新しい映画を見せることに、大きな意味があると思います。劇場の扉も再び開かれ始めていますし、『眠り』にも観客が足を運んでくれるきっかけになればという個人的な願いがあります」と語った。

記者 : ユ・スヨン