「ラブ・パッセンジャー」少女時代 スヨン、デビュー準備当時の心境も“母と私の話みたい”

OSEN |

写真=Saramエンターテインメント
少女時代のスヨンが「多作したいです」と、作品への意欲を語った。

最近、ソウル江南(カンナム)区のSaramエンターテインメントの社屋で、genie TVオリジナルドラマ「ラブ・パッセンジャー」のスヨンの放送終了インタビューが行われた。

「ラブ・パッセンジャー」は、大人げない母親とクールな娘の、陽気でハツラツとした同居物語を描いた“K-母娘共感コミカルドラマ”として好評を博した。スヨンは、作中で大人げない母親キム・ウンミ(チョン・ヘジン)の保護者であり、執事であり、恋人であり、娘であるキム・ジニに扮した。

スヨンは「実は撮影はだいぶ前に終わっていました。ドラマをすごく好評していただいて、『ドラマを楽しく見ている』とたくさん言われます。最近、そういうことを言われるのが本当に幸せです。ドラマの撮影をしながら、監督やヘジン姉さんと悩んだ部分が、不思議にも観ていただいた方々にも伝わったようで、本当に感謝しています」と、作品が終了した感想を語った。

チョン・ヘジンと母娘の演技を披露した彼女は、ケミストリー(相手との相性)について「100点満点をあげたいです」と話した。彼女は「実はチョン・ヘジンさんの大ファンです。このドラマを見て、脚本もとても面白かったのですが、チョン・ヘジンさんが出演すると聞いて、『私がチョン・ヘジンさんと、会社の上司でも姉でもなく、お母さんとして会えるなんて』と思いました。幸運だと思いましたし、ファンとしてはこの作品がチョン・ヘジン先輩の人生キャラクターになりそうな気がしました。私の人生ドラマ、人生に残るキャラクターはさておき、ファン心でお姉さんの人生キャラクター、人生ドラマを作りたかったです。人生キャラクターを作る上で、迷惑にならずに、少しでも輝けるように、このドラマをちゃんと作りたいと思いました」と明かした。

彼女は「ラブ・パッセンジャー」に登場する母娘の関係について「私でもこのドラマの撮影を始める時、母と娘、家族、私たちが今までドラマで見てきた家族の形にこの2人を入れようとしていました。でも、脚本を読めば読むほど、そのようなアプローチをしてはいけないと思いました」と悩みを語った。

また「傍から見ていると、私は両親2人とも生きていますし姉もいて、末娘だからジニのような感情を細かく感じることができないと思う方もいるかもしれないですが、娘が持つ母親への哀れみ、仲間意識、そして成長などは、誰でも同じだと思いました。私は自分が成長する過程で、母親が私を苦労して育ててくれたことに対する負債感みたいなものがありました。その負債感を補うために、良い娘になろうと努力した時間を参考にしました。でも監督から『ジニとウンミは、お互いに何の負債感も申し訳なさみたいなものもない関係だ』と言われました」という。

スヨンは「この2人は、友達のように、同僚のように生きてきて、『今思えば私がよく育ったのは、お母さんが私を苦労して育ててくれたからなんだ。私もその中でたくさん苦労して生きてきたんだ』というのを、ようやく感じるタイミングでのドラマです。なので、他人のように見えても、お互いに深くベタベタしすぎるほどつながっていて、お互いに切り離さないと自身を完全に愛せないほどの関係だと思いました。しかし、あまりにも近くにいると、それを感じられません。まるで空気みたいなものです。存在を意識できないほどの空気です。ジニが成長するにつれて母親から離れていくその部分が、私チェ・スヨンという人間の人生にもすごく似ていると思いました」と深く共感した。

特にスヨンは、作中のウンミが実の母親に似ていると明かして目を引いた。彼女は「ジニが母親と旅行して、喧嘩して1人でケーブルカーに乗るシーンは、私も経験があります。母親とイタリアに行った時、1番有名な場所に向かっていたのですが、母親が突然『下りていく』と言い出しました。『せっかく来たのに、どうしてそんなこと言うの?』と言うと、『自分を振り向かずに1人で登るなんてひどい』と言われました。お母さんたちは更年期障害と見慣れない国と、私がここで娘がいなかったり、見失ったらどうなるか分からないという不安から、子供のようでした。それは母性愛とは別のものだと思います。ウンミも子供を守らなければならない時は超人的な力が出ますが、日常で娘と喧嘩する時は限りなく娘に頼って駄々をこねます。そういうところが私の母親に似ています。もちろん、私の母親は母性が強いことを知っているので受け止めてあげます」と説明した。

また「周りからウンミは少し変わっていると言われますが、『人々がドラマや映画で見たい母親の姿に基準があるのかな?』と思いました。その基準から少し外れていると、独特で一風変わっていて、母親らしくないと言いますが、『母親らしさって何?』という質問を投げかけました。もちろん『ラブ・パッセンジャー』自体はそんな質問をする意図はありません。それがウンミだからです。でも、人々が『なんてひどい母親なんだろう』と言う時も、『母親も人間だから、そんなこともある』と思いました。私は『うちのお母さんもあんな感じ』と言う人を見ると、『あんなお母さんもいるでしょう?』と思い、嬉しかったです。お母さんだからって、私たちがイメージする姿ではないですし、これからもっと多くの種類の母親がK-ドラマに出てきてほしいです」と語った。

そして「今後、女性が主人公の作品を作る時、『ラブ・パッセンジャー』が良い例、見本になってほしいです。それが成功すれば、作品を作る試みももっと増えてくると思います。私は家族ごとに様々な形や物語が存在すると思っています。そういうものがもっとたくさん作られてほしいです」と願いを語った。

「ラブ・パッセンジャー」を見た母親の反応も伝えた。スヨンは「私には4歳年上の姉がいます。母親にとっては、姉妹2人が大人になって独立する時期が、4年周期で来たと思います。母親は『ラブ・パッセンジャー』を通じてすごく慰めを受けたみたいです。ウンミがジニを旅行に行かせて、ジニの空き部屋を見ながら泣くシーンがありました。ヘジン先輩は『涙が出ない』と思っていましたが、ジニが使っていた部屋が空なのを見て、涙が出て、1度で撮ったみたいです。私の母親も最終話を見て『あなたを初めてデビューするために宿舎に送った後、あなたの部屋を見ながら泣いていたのを思い出してすごく泣いたのよ』と言っていました。私が『お母さんと私の話みたいだよね』と言うと、お母さんは『だから私にとって特別なドラマだった』と言ってくれました」とこみ上げる感情を語った。

このように、ユニークな母娘の物語を描いた結果、第1話で視聴率1.3%を記録した「ラブ・パッセンジャー」は、最終話で5.5%まで数字を伸ばした(ニールセン・コリア、全国有料世帯基準)。スヨンは「この作品では、初めて数字的な結果を気にしました。この2人の物語がたくさん愛されてほしいですし、この2人が語る家族の物語が、人々の心の癒しになってほしいと思いました。監督には1話だけ観せてもらいました。観ると、結果に関係なくすっきりした気分で、良い作品として仕上がったので、視聴率は気にしなくてもいいと思いました。最初の編集版を観た時『面白いと思うのは私だけ?』と心配しましたが、他の方々にも同じように感じていただけて、ありがたくて不思議な経験でした」と語った。

10年間公開熱愛中のチョン・ギョンホも、積極的に応援してくれたという。スヨンは「『ラブ・パッセンジャー』をとても好きになってくれました。一生懸命観てくれて、視聴率も私より気にかけてくれました。毎朝『今日はこれくらいの数字が出た』というメッセージが来ていました。私が苦労して悩んだことに対する結果を、私はむしろあまり気にしないのに、私より気にかけてくれる人がいるというのは、本当にありがたいことです」と感謝を伝えた。

スヨンは「ラブ・パッセンジャー」を通じて演技的に学んだことや成長した点を聞くと「本当に多いです」と答えた。彼女は「チョン・ヘジンという女優の前に立っているだけで、どこでもできない経験をしたように思います。最初の撮影後、監督が私を呼んで『君がヘジンさんをちゃんと受け止めようと考えているようだけど、そのために君をキャスティングしたわけではない。僕はジニのエネルギーも、同じほど、ある意味でウンミよりもっと強く大きいものであってほしい」と言われました。それを聞いて『バレた』と思いました。チョン・ヘジン先輩という大好きな演技派女優を前に置いて、正直最初は少しビビっていました。それが監督に見えたと言われ、その時から頭を抱えて、家で『どうしよう』と悩みました。先輩には言えなかったですが、1人で現場に行くたび、ビビらないふり、堂々としたふり、準備できているふりをしました」と打ち明けた。

また「2、3週経ち、現場に慣れてきた頃ジニが見えてきました。(チョン・ヘジンが)徹底的に母親として私の目の前に存在していたからだと思います。1人では絶対に作れなかったと思います。台本を見ながら、視聴者がジニの立場からウンミを見ているように感じました。だから、まず人々が私に感情移入する必要があると思いました。それは、実は監督がアングルや演出などでたくさん助けてくれた部分でもあります。監督に『大丈夫ですか?』と聞くたびに、監督は『この作品が終わったら、スヨンの演技が下手だったと言われることは絶対にない』と言ってくれました。その言葉を信じてそのまま演じました。編集版を見たら、私が心配していた私の演技的な部分も、監督が本当に努力してくれて、編集的にも上手に作ってくれていました。監督が私を女優としてとても愛してくれましたし、ヘジン姉さんもとても愛してくれました。私はこのタイミングで、イ・ミヌ監督に出会えたことが女優としても大きな収穫であり、幸運だと思います」と語った。

また、スヨンは今後挑戦したい演技について、「私は案外作品数が多くありません。この質問を受けるたびに『選べる時が来てほしい』と思います。『私がやったことのないものって何があるんだろう?』と、1度でも考えてみたいです。私はやったことのないものが多すぎます。作品を選ばずに、とにかく多くの作品に出演するのが今の1番の目標です」と、今後の活躍を予告した。

最後に、スヨンは「最後に『私は大丈夫だと思っていたけれど、なんとか生きていただけで、大丈夫ではなかった』というジニの言葉に共感しました。ジニがぎっくり腰になったように、魂になろうと体になろうと、1度は調子を崩す瞬間があります。いくら自分が愛する人や家族がそばにいても、その時間をじっくり1人で生き抜かないと、次に進めない瞬間があります。世の中のすべてのジニたちが、その時が来た時、怖がったり焦ったりせず、ただじっと座って、1人だけの時間を過ごしながら強くなる時間を持ってほしいです。その時間を過ごしてこそ大人になれて、愛する人々から完全な他人になれると思うからです」と、全国の“ジニ”たちにメッセージを伝えた。

記者 : キム・ナヨン