「ランサム 非公式作戦」ハ・ジョンウ、韓国の劇場産業について語る“活気を取り戻してほしい”

OSEN |

写真=WALKHOUSE COMPANY
「昨年の夏の市場を見ながら、残念な点が多かったんです。今年も単に1つの作品がヒットしたからと解決されることではないと思います。今年はチャンスすらなくなるんじゃないかという気もしますが、『密輸 1970』がきちんとスタートを切ってくれたので、本当にみんながうまくいってほしいです(笑)」

ハ・ジョンウは最近、ソウル三清洞(サムチョンドン)のカフェで行われたOSENとのインタビューで、同じ日に2本の韓国映画が同時公開されることについて、「キム・ヨンファ監督と電話で話したのですが、お互いに話題にすることもできず慎重になりました。激しい競争にさらされて慎重になりますし、ちょっときまりが悪い感じもあります」と自身の考えを率直に打ち明けた。

「ランサム 非公式作戦」(監督:キム・ソンフン)は、失踪した同僚を助けるためにレバノンに向かった外交官のミンジュン(ハ・ジョンウ)と、詐欺師のような現地のタクシー運転手パンス(チュ・ジフン)のバディーアクション映画だ。

「ランサム 非公式作戦」と同日、キム・ヨンファ監督が演出した映画「THE MOON」も劇場で公開された。ハ・ジョンウとチュ・ジフン、そしてキム・ヨンファ監督は、「神と共に」シリーズで息を合わせている。特別な関係があるが、新作で対決することになった。

このような状況に対してハ・ジョンウは、「(公開日は)僕が決めたことではないので、発言は避けて、正しく行動しなければならないと思います。こういったことを経験して慎重になりますが、だからと言って(キム・ヨンファ監督と今の公開をめぐる状況が)気まずくはありません」と率直な気持ちを打ち明けた。

ハ・ジョンウは、パンデミックにより注目されるようになったOTT(動画配信サービス)業界と、数年前とは異なり投資や制作が減って、選択してもらわなければならない、劇場公開映画に対する懸念について語った。

彼は「韓国の劇場産業が以前のように活気を取り戻してほしいと思っています。今は本当に特殊な状況だと思います。このような競争の構図が容易ではありませんが、それでも今夏ぼ韓国映画がすべて成功してほしいです」と話した。

リュ・スンワン監督の「密輸 1970」の健闘も祈った。ハ・ジョンウは「『密輸 1970』チームは、釜山(プサン)と大邱(テグ)の舞台挨拶を終えて昨日帰ってきたのですが、昨日リュ・スンワン監督に連絡しました。リュ監督は映画界の大先輩なので、先に公開されて成功することを祈ります」と明かした。

ハ・ジョンウとチュ・ジフンがアンサンブルを披露した「ランサム 非公式作戦」は、平凡な人間が突然の災害に遭って孤立し、厳しい状況を一緒に突破していく物語だ。2020年にクランクインの予定だったが、パンデミックにより2022年2月より撮影を行った。

平凡な公務員ミンジュン役を演じたハ・ジョンウは、「僕が毎回作品に取り組む過程は似ています。キム・ソンフン監督とコードがよく合うのですが、『ハ・ジョンウ取扱説明書』をよく知っていると思います。良い監督の要素の1つがディレクションであり、俳優はそれを通してキャラクターを作り上げていきます。『トンネル』の時もそうでした。撮影後に様々なシーンをくっつけるのは監督の役割です」とし、キム・ソンフン監督を称賛した。

キム・ソンフン監督は、Netflixシリーズ「キングダム」や「最後まで行く」(2014)「トンネル」(2016)などで視聴者の信頼を得た。

ハ・ジョンウは、「神と共に」シリーズの後、俳優チュ・ジフンとこの作品を通じて再び共演することになった。今年初めに公開されたバラエティ「歩いてチケッティング」でも兄弟のようなケミストリー(相手との相性)を見せた。これに対して彼は「主演俳優として再び会うのは、もしかしたら生涯の宿題のようなことかもしれません」と例えた。

そしてハ・ジョンウは「チュ・ジフンとの既視感を心配して、それを意識しながら演技することはできません。“再会”という枠に閉じ込められて、演技の妨げになってはいけません。俳優として悩みながら生涯解決していかなければならない部分だと思います。本質的な部分に集中して、役に真心と情熱を加えれば、観客にその部分を認めてもらえるのではないかと思います」と、チュ・ジフンと共演した感想を語った。

彼は自身が主演を務めた作品の累積観客数が1億人(2018年基準)を突破し、いわゆる“最年少1億俳優”になった。そんな彼も新作の成績については安心できないという。

この日彼は「毎回プレッシャーを感じます。心ではこれくらい(の累積観客数)いってほしいという気持ちはありますが、口に出すのは難しいです」とし、「『密輸 1970』『ランサム 非公式作戦』『THE MOON』『コンクリート・ユートピア』チームいずれもスコアについては僕と同じように考えていると思います」とし、韓国映画に対する関心を呼びかけた。

記者 : キム・ボラ