「身代金」チャン・リュル“点数をつけることができないくらい幸せな時間だった”

TVREPORT |

俳優のチャン・リュルが、記憶に残っている視聴者の反応を伝えた。

最近、TVINGオリジナルシリーズ「身代金」の主人公、俳優チャン・リュルのオンラインインタビューが行われた。

お互いの「身代金」をめぐって駆け引きをしていた3人が、地震で崩れた建物に閉じ込められた後、それぞれ最後の機会をつかむために危険な取引を始め、狂気じみた死闘を繰り広げるストーリーを描いた同作。劇中でチャン・リュルは、父のために身代金の駆け引きをするしかなかった男コ・グクリョルを演じた。

悪人ばかり出てくる「身代金」で、最も複合的な姿を持っているキャラクターがコ・グクリョルだ。チャン・リュルはどんな心構えでグクリョルを演じたのだろうか。彼は「元柔道選手です。運動を諦める瞬間もあっただろうし、厳しい環境で父を恨んだりもしました。病気の父を見て罪悪感を感じたと思います。それで結局腎臓を手に入れて父を救うことが、父に金メダルをかけてやることだと思ったのでしょう。メダルを獲得して見せたことはなかっただろうと想像しました」と明かした。

父のために腎臓を手に入れようとするグクリョルのしつこさはどこから出てきたのだろうか。チャン・リュルは「災難から生き残りたいという気持ちがしつこさを作り出したと思い、そのような想像をしました。グクリョルを演じながら気にした部分は、人物がそれぞれ生きなければならないという状況で本能的な瞬間が出てきますが、その際に人物が持っている目標、善良な心、父を救いたいという善良な心を保ちたいと思ったところです」と話した。

監督はチャン・リュルについて細かく、誠実でメソッド演技をすると絶賛した。チャン・リュルは「ありがとうございます」と照れながら、「僕は演技をする際に自ら質問をし続けるタイプです。そうしないと努力をしていないという感じがするんです。最後まで人物の根幹、念を深く覗き見ようとするタイプなので、しつこく自分自身に質問し、自分をいじめる時もあります」と自身の演技スタイルを伝えた。共演俳優や監督にも質問し続け、分かち合うというチャン・リュルは「監督とも話し合ったら、監督に『大釜のような感じがいいと思う』と言われました。『中に何が入っているのかは分からないけれど、熱く沸いている大釜がどんな感じなのか、もどかしいけれど中に何があるのか怖がっている、そんなイメージを想像しました」とつけ加えた。

チャン・リュルはどのようにして「身代金」に合流することになったのだろうか。彼は「後で知ったのですが、監督が『マウスピース』という公演を見たといいます。演劇で僕が演じたキャラクターとコ・グクリョルに通じるものがあると思ったようです。それで提案を受けました。演劇で演じたキャラクターは家庭内暴力にさらされている子供でした。自分が持っている感情を簡単に出せない役で、最後に自分の話を取り出す瞬間があるのですが、その際に大きなエネルギーが感じられました」と明かした。

倒れても何回も生き返ってくるコ・グクリョルに、“ゾンビ説”まで浮上した。チャン・リュルは「視聴者の反応をたくさん探して見ましたが良かったです」と明るく微笑んだ。彼は「ゾンビじゃないかという話が面白かったです。そんなことを考えて演技をしたわけではなく、極限な状況で怪我をしながら生き残るとしたらどんなに痛いだろう、どう耐えようか、それを動きでどう表現すればいいだろうかと悩んだのですが、それをゾンビみたいだと思ってくれてありがたいです」と答えた。

チン・ソンギュ、チョン・ジョンソとの最強の組み合わせもこの作品の鑑賞ポイントだ。チャン・リュルは「素敵な方々に出会って幸せな仕事をしました。点数をつけることができないくらいでした」と満足し、「息はとてもよく合いました。ワンテイクなので練習をする時間が多かったんです。尊敬し、愛している先輩なので一緒に練習することが幸せでした」と話した。チョン・ジョンソに対しては「現場で解釈しているような感じを受けました。自分の考えとは全く異なるシーンとして感じさせてくれることもありました。コ・グクリョルとして存在するように、チョン・ジョンソさんを見つめているだけでも人物に集中することができました。2人にたくさんのエネルギーをいただきました」と感謝を伝えた。

写真=TVING
ワンテイク技法は簡単ではなかったはずだ。チャン・リュルは「とても大きなチャレンジになると思いました。今後いつまたワンテイクをする機会があるだろうかと思いました。一生懸命にやりこなせばチャレンジになると思って臨みました」とし「リハーサルをたくさんやりました。様々な要素を考えながらやりました。練習過程は演劇の準備と似ているところもありましたが、撮影現場はカメラと呼吸しなければならないため、撮影や照明など全てのスタッフが一緒に共有しなければなりませんでした」と過程を伝えた。

あまりにもよく息が合って鳥肌が立った瞬間もあったという。チャン・リュルは「競売場でグクリョルが作品に入る序盤のところでした。感情的かつ切実な瞬間を表現しなければならなかったので集中力が必要でしたし、多くの俳優が息を合わせる瞬間なので『できるだろうか』と大きなプレッシャーもあったけれど、みんなが一緒に集中する際、僕にさらに大きな集中力が生じました。撮影が始まってみんな感じたと思います。集中できたら全ての俳優、スタッフ、撮影、照明の息が合い、『とてもよかった』と感じてモニターへ向かいました」と当時を回想した。なんと15分間のテイクを済ませてみんなでモニタリングをしたというチャン・リュルは「とても美しかったです」と思い出した。

さらに激しいアクションも披露しなければならなかったチャン・リュルは、チン・ソンギュと息を合わせることが多かった。彼は「高校生の時、チン・ソンギュ先輩の公演を初めて見ました。体使いがとても上手なんです。どうすればあのように体を使えるのだろうかと思いながら俳優生活をしてきましたが、体でアクションを合わせる瞬間が来て嬉しかったです。僕のせいで怪我をされたらどうしようと心配したけれど、全てリードしてくれました」とチン・ソンギュに対する感謝の気持ちを伝えた。

記者 : パク・ソリ