SF9 ジェユン、ミュージカル「西便制」で10代から60代を熱演“最後でないことを願う”

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写真=FNCエンターテインメント
SF9のジェユンが錚々たる先輩たちと共演したミュージカル「西便制」で、ミュージカル俳優としての可能性を証明した。舞台に上がり始めて、約1年で成し遂げたまぶしい成長だ。

ジェユンは今年8月から10月23日まで、約2ヶ月間上演されたミュージカル「西便制」で、ロッカーとパンソリ(韓国の民族芸能:歌い手と太鼓の伴奏者の二人だけで演じる、身振りを伴った一種の語り物)の歌い手の間で葛藤し、自分の道を探しに行くドンホ役を演じた。故イ・チョンジュン作家の作品を原作にするミュージカル「西便制」は、原作の使用著作権満了で今年、最後のシーズンを迎えた。

最近、所属事務所FNCエンターテインメント社屋でインタビューが行われ、ジェユンは最後の公演のときに感じた嬉しさ、名残惜しさ、ありがたさなど、複雑な感情を打ち明けた。彼は「キャスティングが発表されたとき、ファンの皆さんが本当に喜んでくれました。僕の初めての『西便制』が、最後のシーズンということで格別な気持ちでした。最後でないことを願う気持ちが大きかったです」とし、「初めて大劇場に立ち、学んで経験したことも多く、どのようにして2ヶ月が過ぎたのかも分かりません。良い状態で舞台に立ち続け、やりたいことを表現したかったけれど、喉の調子が良くなくて大変でした。後半、徐々に喉のコンディションが戻り、それが慰めになりました」と公演を終えた感想を伝えた。

「西便制」は、最後のシーズンらしいキャスティングで話題を集めた。初演から、最後のシーズンを守ったソンファ役のチャ・ジヨンとイ・ジャラム、1世代ミュージカル俳優のナム・ギョンジュ、パンソリの歌い手であるジュンスまで、豪華ミュージカル俳優たちが出演した。

ジェユンは、本格的な練習を始める前から震えていたとし、「初めて顔合わせのために練習室に行ったら、皆さんが座っていました。頭を深く下げて僕も座りましたが、その時から顔が赤くなり始めて、とても怖かったです。ちゃんと適応できるか、心配でした」とし、「できるだけ練習でしっかり学び、先輩の皆さんが導いてくれた通りについていきながら、自分がやるべきことを準備しようと考えました。練習するとき、すべてが僕にとっては新しい世界でした。皆さんに可愛がっていただき、とてもありがたかったです」と説明した。

劇中、ドンホはユボンとの葛藤、姉ソンファへの愛情と憐憫など、深く感情を表す演技の他にも、10代から60代まで演じなければならない難しい役柄だ。ミュージカル俳優として一歩を踏み入れたジェユンが、準備時の心境も明かした。

彼は、共演する俳優たちを通じて、自分だけのドンホの答えを探していったという。歩くことから話す速度、表情の変化でも、繊細なドンホを表現した。特にジェユンは60代という年齢にとらわれないことに集中したと明かした。

ジェユンは「ソ・ボムソク先輩や演出家の方も『60代という年齢にとらわれないように』と助言してくださいました。それでチェ・ベクホ、ソン・チャンシク先輩のような方々をモチーフにしたんです。わざわざおじいさんのように表現しなくてもいいと思いました」とし、「最初の始まりが60代の声でした。ドンホのキャラクターがそこで説明されると思い、本当にたくさん練習しました。あいにく海外でのスケジュールが多いときで、飛行機の中で『どこにいらっしゃるのか』という一言をずっとつぶやき続けました」と明かした。

さらに、ジェユンは「目が見えなくなった姉を初めて見て怒り、父親ユボンを突き放すシーンで、太鼓がステージの外に転がって落ちてしまいました。一瞬、背中に冷や汗が流れました。絶対困惑したり、笑わずにドンホの感情に集中しようとしましたが、ナム・ギョンジュ先輩の対応は本当にすごかったです。先輩が演技をしながら太鼓を拾ってくださったんです。衣装は汗で濡れて、顔と頭の中もめちゃくちゃでした。その時には戻りたくないです」と笑って伝えた。

彼は一生姉を探し歩く、どうしても想像できないドンホの孤独に憐憫を感じていたという。彼は「血肉ではないけれど子どもの頃から従い、愛している姉なのに、60代になるまで見つけることができず、ずっと探しているのでとても心が痛かったです。お金もたくさん稼ぎ、世の中で認められた人でも満たされない心で青春を全部過ごしました」とし、「間接的だが、役を演じて“もし、自分にこんなことが起きていたらどうだろうか?”と想像しました。劇では視点が早く変わっていくが、現実ならその感情の密度を想像すらできないと思います」と話した。

劇とキャラクターに心を開いて、真正性のある姿勢で近づいたジェユンの姿は、先輩たちにも良い印象を残した。これに先立って行われたチャ・ジヨンのインタビューで、彼は「ジェユンさんは、舞台の上で生きていようと努力し、嘘をつかないように努力していました。その姿に驚き、感動したんです。最初の公演が終わった後に、『学んだ、感動した』と伝えました」と絶賛した。

チャ・ジヨンの話が出ると、恥ずかしそうに笑ったジェユンは「公演が終わって挨拶しに行ったとき、先輩が『本当にお疲れ様、私が学んだことが多かった。ありがとう』と話してくださいました。本当に感謝でいっぱいでしたが、インタビューの話を聞いて『本当に僕の話?』と思いました」とし、「先輩に『生きていること』の意味を聞いたが、自分がやることを聞いて、目を合わせて、そこに合わせて出てくる演技だと話してくださいました。本当に素敵な言葉をいただき、感謝しています。光栄です」と話した。

記者 : イ・ハナ