キム・テリ、映画「宇宙+人」で再びアクションシーンに挑戦“スクールに通って訓練…見せたいものが多かった”

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写真=マネジメントmmm

数々の映画やドラマを大ヒットに導いた女優と監督が出会った。女優キム・テリがチェ・ドンフン監督の新作「宇宙+人」でカムバックを果たした。「宇宙+人」第1部は、高麗末、噂の神剣を手に入れようとする道人たちと、2022年、人間の体に収監された宇宙人の囚人を追う人々の間に、時間の扉が開くことから繰り広げられる奇想天外なストーリーを描く。

キム・テリは雷を撃つイアン役に扮した。高麗時代の服を着て片手には銃を握り、片手には時計をつけたキャラクター設定がユニークな雰囲気を醸し出す。時代とジャンルを問わず、優れた演技を見せているキム・テリが、変わった役でイメージチェンジを試みる。

――「宇宙+人」の台本を初めて読んだ時の感想を教えてください。

キム・テリ:面白かったです。私は台本を読んだ時、一番注目する部分が面白いかどうかですが、本当に面白かったです。時間がずっと変わり続けるし、人物もたくさん登場します。そのような部分をきちんと文章で表現できているところが本当によかったです。韓国版アベンジャーズという話をよく聞きました。ばらばらになっていた人物が結局全部繋がるし、ひとつの空間で集まることになります。絶対に面白くなるストーリーです。

――演出した作品がいずれも大ヒットしたチェ・ドンフン監督からオファーを受けた時、どう思いましたか?

キム・テリ:光栄でした。その方の映画で一緒にできる機会を貰えて本当に嬉しかったです。監督と一緒にできる機会がこんなに早く来るなんて嬉しかったし、幸運だと思います。

――「宇宙+人」は宇宙人、道士、ロボットの登場はもちろん、武侠、SF、アクション、ファンタジーという多彩な要素が盛り込まれている映画です。チェ・ドンフン監督ならではの独特な想像力で誕生したこの映画で最も驚いたことは何でしたか?

キム・テリ:一番驚いたのは、一つジャンルにとらわれないことです。キャラクターを最優先にして、人間に対する話をしていく方です。人間関係に関する話が非常に面白い形で繋がっています。そういうところがすごいと思いました。

――アクションシーンに力を入れたと思います。アクションシーンを撮るときに難しかったことやNGシーンなど、撮影の裏話を聞かせてください。

キム・テリ:序盤はアクションスクールに通いました。ワイヤーや新しい装備をスクールに通いながら一度ずつ経験したので、現場で大変なことはなかったです。アクションスクールで学んだ動作が、現場でたくさん省略されたので、逆に残念でした。これも見せたいし、あれも見せたいと思っていたのに、映画には私だけ登場するわけじゃないので……。NGは撮影の序盤が少し多かったです。チェ監督がいつもアクションは表情だとおっしゃってくださいました。その表情を掴むのがとても難しかったです。なので最初は少し迷いましたが、それでもすぐに慣れて楽しみながら撮りました。女優としてアクションへのプレッシャーや恐怖心は全くないと思います。

――「宇宙+人」はSF×時代劇であり、イアンは現代から高麗末に来た人物です。イアン役を演じながら話し方についてもかなり悩んだのではないでしょうか?

キム・テリ:本当に悩みました。監督は普段の話し方でいい、あえて時代劇や現代の話し方を気にせず、自然に出るままにやってとおっしゃってくださいました。なので私なりにキャラクターに面白い要素を加える方法はないだろうかと悩みました。現代でよく使えそうな単語があるじゃないですか。そういうのをちょっと加えれば面白いだろうと思いましたが、実際に使ったかどうかは覚えていません(笑)。とにかく、そんな悩みがありました。

――デビューしてから撮ったドラマや映画が全てヒットしました。“成功率100%”と言われていますが、だからこそ作品の人気へのプレッシャーもあると思います。

キム・テリ:プレッシャーはありません。でも、いつかつまづく日が来ると思います。そんな日が来た時、あまりひどくつまづかないようにメンタルケアに気を付けています。作品が成功する度に「どうしてこんなに運が良いのだろう?」「この運の終わりはいつ終わるんだろう?」と思います。本当に幸運だと思います。優れた作品であっても、人気がないかもしれないし、作品がイマイチでも成功はできます。私が出演した作品が成功したのはタイミングと運が良かったからです。タイミングと運、宇宙の気運の三拍子が揃わなければならないので、これがずれるとうまくいかないこともあると思います。なので女優としてプレッシャーはあまりないです。

――ドラマ「ミスター・サンシャイン」に続いて、今回の映画でも銃を撃つアクションシーンがありました。二つの作品で銃器のアクションシーンに違いはありますか?

キム・テリ:「ミスター・サンシャイン」では、アクションシーンがあまり多くなかったんです。乗馬と射撃を練習しただけでした。射撃は、まず銃そのものが違いました。エシン(「ミスター・サンシャイン」での役名)は長銃で、イアン(「宇宙+人」での役名)は拳銃です。銃の大きさが違っていましたが、それでも前に一度銃を握った経験があったのでかなり楽でした。正直、日常生活で誰が銃をバンバン撃つんですか? 日常で当たり前の行動ではないので、初めて演技する時、不自然で恥ずかしかったです。でも、一度やってみたら堂々と出来るようになりました。すごく楽しんで撮影しました。

――台本で見た内容が映画を通じて具現化された時、驚いたシーンはありましたか?

キム・テリ:とても多かったです。アクションシーンのほとんどがそうでした。アクションは俳優だけが上手であればよく映るわけではありません。周りでたくさんの人がサポートしてこそ、素敵なシーンが生まれます。カメラワークや照明、小道具など全てが物我一体となるシーンを見た時、感嘆しました。イアンがスライディングしながら銃を撃つシーンも、とてもよかったです。

――リュ・ジュンヨルさん、キム・ウビンさん、ソ・ジソブさん、ヨム・ジョンアさんなど、ホットな俳優たちと共演しましたが、刺激を受けた部分はありますか?

キム・テリ:本当に多かったです。それでいて幸せでした。このように、私が最年少としていられる作品は今回が最後ではないかと思います。もう私より年下の俳優さんが増えてきたので。運良く、これまで最年少として長くいられました。先輩たちのすべての演技が私の糧になりました。特にヨム・ジョンア先輩、リュ・ジュンヨルさんの演技に驚きました。ヨム・ジョンア先輩は前から大ファンでしたが、現場では本当に圧倒的でした。女優として本当に理想的な方です。ただやっているのに、それが最高なんです。監督がジョンアさんはアクションができないという話を何度かされましたが、私はその姿さえ良いと思いました。それ自体が完璧でした。ジョンアさんと一緒にできて幸せでした。ヨム・ジョンア先輩、チョ・ウジン先輩が息を合わせる姿を見ながら、本当にけらけら笑いました。面白いシーンであることは知っていたのに、それでもすごく笑いました。また、ジュンヨルさんと長く息を合わせたことは今回が初めてですが、本当に演技が上手な人なのだなと思いました。ジュンヨルさんも体が動くままに、気の向くままに演技をする方ですが、それが本当に自由でした。ジュンヨルさんと演技できて本当に良かったですし、他のジャンル、違う関係でも共演したいです。

――新鮮でチェレンジ精神のある作品なので、試写会の後、観客の評価が分かれました。これについてどう思いますか?

キム・テリ:第1、2部に分かれて、合計5時間ほどの話を収めた映画です。ストーリーが膨大なので、序盤に紹介と説明が必要でした。人物の紹介も必要で、人物の関係を表すシーンもあるべきで、高麗と現代を行き来する設定についての説明も入らなければならなかったんです。これらをできるだけ減らして賢く見せるために努力しましたが、それにもかかわらず、膨大でした。時間の消耗が必要な作品です。映画をご覧になった関係者の方々は、第2部のほうが面白いとおっしゃっていました。その理由がここにありました。第1部は紹介と説明に時間がかかりますが、第2部は説明が終わってから終盤に向かっていくので、絶対に面白いんです。それをふまえて観て頂きたいです。

――「宇宙+人」を、必ず映画館で観なければならない理由は何だと思いますか?

キム・テリ:この作品は大作映画です。大きな映画、小さな映画と言うのはおかしいかもしれませんが、この映画は映画館で観た方がいい作品だと思います。アクションシーンも多いし、サウンドが重要な役割を果たす映画です。にぎやかな雰囲気の中で笑いながら観てほしいです。静かに鑑賞するよりも、広い映画館を埋め尽くすように「ウハハ」と笑って楽しんでもらいたいです。

――「二十五、二十一」がヒットして以来、最高の人気を博しています。その後身の回りに変化はありましたか?

キム・テリ:これ(人気)は「二十五、二十一」のおかげで得たものではないと思います。私は、自分が持っている名前の重さ、地位について、いつも人が思っているより低く見る傾向がありました。チェ・ドンフン監督がこの映画への出演を提案された時も「どうして私がこの作品がのオファーを受けたのだろう?」と不思議に思いましたし、幸運だと思いました。でも、今はちょっと客観的に見ている気がします。私はこのような変化が非常に良い点だと思いますが、だからといって謙遜する必要はないと思います。これが本当なのか、偽物なのか、私自身を疑わなくてもいいんです。この数ヶ月間、私が今までよりたくさんの人に会いました。そんな過程の中で私に質問を投げて、多くのことを学びました。「私はもう自分自身を正確に見ているんだ」という瞬間を感じました。以前より150倍ぐらいは堂々としています。以前も堂々としていましたが、100%の率直さではありませんでした。堂々としたふりをしている瞬間も多かったんです。なので、今は本当に堂々として、この瞬間が本当に気分がいいです。今を一生懸命に享受して楽しみたいです。いい気持ちでこの職業に接しています。

――作品ごとに異なる顔で変化に富んだ姿を見せています。キム・テリさんの限界はどこにあるのでしょうか?

キム・テリ:限界はありません。限界を感じたらこの職業を変えなければならないと思います。きりがないという確信がなかったら、この職業が私の天職ではないと思ったでしょう。いつも挑戦できるし、山を越えてもその次に新しい山があるという信頼が、私が進み続ける原動力だと思います。これから見せるキム・テリの姿は、私も気になります。皆さんにも披露してあげたいです(笑)。

――キム・テリさんは限界のない女優ですね。これからやってみたい役やジャンルはありますか?

キム・テリ:ありません。それがないからこそ、これまでフィルモグラフィーをよく築いてきたのだと思います。良い台本、良い監督、良いキャラクターが重要ですので。ジャンルや職業などを気にしなかったので、新しい試みをたくさんすることができたと思います。でも、最近はリアルな恋愛ドラマに出演したいです。こういう演技がしたいと言ったこともありませんし、こんなことを思ったことも初めてです。初々しいものではなく、本当に濃厚なラブシーンがしたいです。

――“女優キム・テリ”だけが持つエネルギー源は何だと思いますか?

キム・テリ:人生そのものだと思います。集中力をもって生きています。時間を浪費したら、それをはっきり感じる方です。計画をしっかり立てて、その瞬間に最善を尽くして生きています。最善を尽くして生きている人生が私のエネルギーの秘訣だと思います。

――最後に、観客の皆さんに「宇宙+人」第1部をより楽しく観覧できるコツを教えてください。

キム・テリ:あまり期待しないで観に来てください。ハハハ。気楽に出かけると思ってほしいです。最近、外は暑いのに映画館は本当に涼しいです。2時間半ぐらい涼しい風を感じながら映画を観ていると「うわ~」と思いながらご覧になれるのではないかと思います(笑)。

記者 : ファン・ヨンド