「グリーン・マザーズ・クラブ」キム・ギュリ“スタイリストなしに監督と話し合って衣装を自分で準備した”

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写真=ファファエンターテインメント
キム・ギュリは、JTBC水木ドラマ「グリーン・マザーズ・クラブ」でインパクトの強いキャラクターを演じた。序盤にソ・ジンハが死亡した後、後半に彼女とそっくりなレアとして再び戻って来るまでの間は長かった。主演女優として「グリーン・マザーズ・クラブ」の全旅程を一緒にすることができなかったことに対して、彼女は全く残念ではないと話した。

「最初から監督がキャラクターと作品について説明された時、その話をされました。ある回でいなくなって、またある回から戻ることは正確には決まっていないと話してくださいました。台本ができたらその時に分かるだろうと言われました。ソ・ジンハとしての役割が終わった後、レアとして撮影を始める前までは台本ができてこないとどうなるかは分からないので、不安はありました。『私はいつまた撮影するの』という感じでした。その時、個展の準備を一生懸命にやっていた時だったんです。虎を描いていた時だったので、その不安を解消しながら絵を描いていました。いつ出ることになるのか分からないので、その間ずっとフランス語の練習をしました」

ソ・ジンハは劇中、最も華やかに見える人物でもあった。しかし実は、その中には欠乏もあり、心の中は膿んでいた。このことは多くの視聴者を悲しませた。キム・ギュリはそんなソ・ジンハの姿に台本を通じて触れ、共感する部分が多かったと打ち明けた。

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彼女は「私の人生のどこかに似ているからではなく、誰もがそのような状況であれば本当にそうなるだろうと考えました。ソ・ジンハという役があまりにも気の毒で可哀想だったのが、欠乏が家族から来る欠乏であるということでした。ソ・ジンハの全てはそこから始まっています。教育特区サンウィ洞で彼女はすべてを持っていて余裕があり、すべてのお母さんたちが親しくなりたいと思っているが、近づけないキャラクター、“女神スタイル”だとキャラクターの説明に書かれていました。表面だけ見れば全てを持っていて足りないものがなく、幸せにならなければならないのに、実は最も不幸な女性はソ・ジンハだったのではないだろうかと思います」と明かした。

そして「それでも彼女が耐えられたのは、夫ルイ(チェ・グァンロク)と芸術のためでした。芸術で不安を昇華させましたが、それでも解消できなかった一番大きな欠乏をイ・ウンピョ(イ・ヨウォン)は少し埋めることができました。イ・ウンピョが埋めてくれると思ったから、イ・ウンピョと最も親しい友達になったのです。ソ・ジンハの手をとってくれる唯一の人がイ・ウンピョでしたが、その手をつかむことができず、あのようなことになってしまったのです。私は演技する時、対外的な姿、エレガントな外見と一人でいる時に不安で神経をとがらせている姿、他人に見せない私一人でいる時に現れる本当の姿がとてもヒステリックだったので、ソ・ジンハを台本で十分に理解でき、哀れに感じたため、その演技を上手くやりたいと思いましたし、さらに準備を徹底しました」と回想した。

キム・ギュリはソ・ジンハを色で表現しようとした。キム・ギュリは「対外的な姿を撮る時はオフホワイト系の服を着て、ソ・ジンハが不安感が高まって現れる時は濃い色の服を着ました。嫉妬心が現れた時は原始的な感じが入ればいいなと思い、緑色の服を探しました。このように演技として昇華できないところを衣装でサポートできるように、私が自分のアイデアを出して服を見つけ、そのような演技をすることになったのです」と説明した。スタイリストもなしにキム・ギュリは監督と相談した上で衣装を決め、99%は自ら購入するという情熱を見せた。

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キム・ギュリは「ドレスを着ても気楽な雰囲気だったらいいですし、誰かの服を借りて着ている感じではなく、自分の服を着て出たら違うじゃないですか。全ての衣装を最善を尽くして探し、購入しようと努力しました。準備はしたのにドラマに出てこない服があまりにも多いです。それが3分の2です。ソ・ジンハとレアのスタイルは完全に違わなければならないですし、演技や行動、話し方などもすべて異なるように準備しました」とこだわりを話した。

彼女はさらに「東大門(トンデムン)にも行きましたし、デザイナーにお願いもして、韓国国内のショッピングサイトもくまなく見ました。それでもダメだったら海外サイトで注文して着た服もあります。もちろん代理店に助けてもらったところもあります。ソ・ジンハの女神のような雰囲気に合う柔らかく長めの丈のドレスを準備し、レアは肌のトーンだけ調整し、メイクはほぼしませんでした。レアの時は眉毛も整えませんでした。何もせずに爪もそのままでした。また、20、30代の時に着ていた服もすべて取り出してそのシーンに合わせて着ました。ソ・ジンハは心情的に激しい演技をこなさなければならないキャラクターなので、本当に頑張りました。レアは本当に私と似ています。普段から着ていた服も着て行動もして、爪には何も塗りませんでした。レアは自由な雰囲気のキャラクターでした。2人にすごく愛着があって、しばらくは再放送を見て振り返るのではないかと思います」と格別な愛情を示した。

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このように一人二役を演じながらディテールを見逃さなかったキム・ギュリのおかげで、ソ・ジンハとレアは共感できるキャラクターとして視聴者を納得させることができた。そのディテールのために生じた小さなエピソードもあった。レアの汚れた爪がクローズアップされ、レアと作家だったソ・ジンハが似た人物ではなく、同一人物なのではないかと視聴者たちが推測したのだ。これに対してキム・ギュリは「当時私が虎たちをたくさん描いていた時でした。粒子が爪によく入ってしまうのですがとれにくいんです。洗っても消えなくて、撮影の直前まで洗っていましたが、全部落とせずに撮影に入りました。それが本当に恥ずかしかったのですが、それを見てファンの間では意見が分かれました」と釈明した。それと共に「ドラマに愛情を見せていただきありがとうございます。思わぬことを視聴者が類推するのを見て、一人で笑いながら感謝しました」と笑顔を見せた。

何よりもソ・ジンハは芸術で不安を昇華させたが、作家として活動中のキム・ギュリもまさにその部分に共感できたと話した。

「すごく理解できました。おそらくそれで監督、制作陣がソ・ジンハをめぐって誰がやるか悩んだ時に『あの人ならうまくやれそうだ』と思ったと聞きました。それが昨年、個展をやった時で、ソ・ジンハだけがキャスティングできていなかった状況でした。誰がいいかと悩んでいた時、誰かが『キム・ギュリはどうですか?』と言ったそうです。それを聞いて皆さんがいいねと言ったそうです。監督がこのようにおっしゃいました。2008年に「美人図」を撮影しながら学んだ韓国画を今では個展まで開くほど本気じゃないか。本気で取り組んだかたここまで来られたのだから、何かを本気でできる俳優ならレアとして出演する時も、本気でフランス語を学べるのではないかと。作家としてソ・ジンハの敏感な部分、鋭さを表現するにあたって共感できるのではないかと考えられて、私に機会を与えてくれたのです」

最後にキム・ギュリは「ドラマが終了しました。余韻が長くの残っていて、撮影が終わって2週間がたってもとても恋しく、これまでの作品が終わった時とは違う感じがします。撮影が終わって2週間、元気がありません。未練があるのでしょう」と話した。また「来週からは絵をまた描きます。こういう気持ちは自分で解消しなければなりませんが、私の人生において解消できる方法は絵しかないので、絵を描くのだと思います。おそらく筆をとったらこういった気持ちも解消されて落ち着くと思います」と「グリーン・マザーズ・クラブ」終了後の計画を伝えた。

記者 : パク・アルム