「39歳」チョン・ミド、難しい役に苦戦も?作品を通じて感じた事とは“夢見ていた人生を…”

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※この記事にはドラマのストーリーに関する内容が含まれています。
写真=Bistusエンターテインメント
女優チョン・ミドが「世界史上最も楽しい余命宣告をされた患者」という目標を持つキャラクターで視聴者に穏やかな感動と余韻を残した。

韓国で3月31日に放送が終了したJTBC水木ドラマ「39歳」で、チョン・ミドは40歳前に膵臓がんステージ4の余命宣告を受けるチョン・チャニョン役を演じ、熱演した。

撮影が早期に終わった彼女は放送を見ながら当時の感情を思い出し、とても泣いたという。前作「賢い医師生活」では後輩と患者たちから尊敬される医師のチェ・ソンファ役を演じ、今回の「39歳」では正反対の役を演じた。

チョン・ミドは「ストーリーとキャラクターが気に入りこの作品を選びましたが、ちょうどキャラクターがチェ・ソンファと対照的でした。それも面白いと思いこの作品を選びました」とし「医師から余命宣告された患者役をやってみると、本当に簡単な事は一つもないんだなと思いました。これまで患者役をされた方々が短い時間の間、どれだけ大変だったんだろうとも思いました。患者は感情的に重みを持っていなければならず、それを表現するシーンも多いので、医師の役より難しかったです」と伝えた。

作品の序盤でチョン・チャニョンの死亡を明かした「39歳」は、意味のある死を準備する彼女と親友たちの姿を中心に劇を展開した。余命宣告された役として、感情を保つのが大変ではなかったかと質問されるとチョン・ミドは「治療を受けないことを選び、残った時間を意味のあることに使おうと選択したので苦しむ姿が強調されたりはしなかったのですが、相手に膵臓がんであることを明かすシーンが何回もあって、その度に大変でした」と伝えた。

写真=Bistusエンターテインメント
友人たちに淡々と打ち明けるシーンから、キム・ジンソク(イ・ムセン)に膵臓がんであることを告白して現実を実感する瞬間、悲しみに耐えながら両親に打ち明けるシーンまで、チョン・ミドは相手によって変わる繊細な感情の変化にも集中した。

役のために献立も調整していたチョン・ミドは視聴者にありきたりなサッドストーリーに見られるのではないかと、感情の調整にも悩んだという。彼女は「最後にチャ・ミジョ(ソン・イェジン)に映像を通じて『乗り越えて、幸せに生きなさい』と慰め、励ますシーンがありました。そこで私が泣き崩れると両方が泣くという、かっこ悪い演出になると思いました。放送で見るとあまりにも淡々としていたかなとも思いました。感情の調整の水準を決めるのが大変でした」と伝えた。

チョン・ミドは、ソン・イェジンとキム・ジヒョン、また「賢い医師生活」で共演した仲間にも言及した。制作発表会でソン・イェジンのファンだと明かした彼女は「さすがという感じで、本当に感嘆しながら演技を見ていました。リードしてくれて助かりましたし、キム・ジヒョンさんと(ソン・イェジンを)称賛していました。本当にプロで、私たちは“ソンプロ”と呼んだのですが、ミジョそのものだと思いました」と明かした。

ソン・イェジンの結婚式に出席したという彼女は、「ウエディングドレスを着た姿を見たら、すぐに涙が出ました。知り合ってから5~6ヶ月しかたっていないのに、高校の時に知り合った友達が結婚するような感じがしました。イェジンさんが、私が涙を流しているのを見て、『なんで泣いてるの~』と言いました」と伝えた。

キム・ジヒョンとは長年の友人だったが、「キム・ジヒョンさんが素敵な女優だということを改めて感じました。ジュヒ役がキム・ジヒョンさんで本当に良かったと思っています。おかげで楽な気持ちで演じることができました」と感謝を伝えた。

写真=Bistusエンターテインメント
「賢い医師生活」でチョ・ジョンソク、チョン・ギョンホ、ユ・ヨンソク、キム・デミョンと共に“99ズ”と呼ばれ、劇中で厚い友情を見せた彼女は、99ズの反応も伝えた。チョン・ミドは「第一話と最終回の放送の時、グループチャットで『楽しく見たよ、お疲れ様』と言ってくれました。プライベートで会った時も褒めてくれて、みんな面白かったと言っていました」と答えた。

また、ソン・イェジン、キム・ジヒョンとのケミストリー(相手との相性)に嫉妬する人はいなかったのかという質問には「男と女で違うからなのか、嫉妬は全くありませんでした。99ズもキム・ジヒョンさんのことをよく知っているので、良かったと言っていました」と話した。

劇中のチョン・チャニョンとキム・ジンソクのロマンスについては、視聴者の反応も別れた。妻がいるキム・ジンソクと彼にずっとつきまとっているチャニョンについて、一部の視聴者は不倫を美化していると批判した。

チョン・ミドも最初はこのような視聴者の反応を懸念していたという。彼女は「最初からチャニョンは『別れる』と決めていながらも最後まで手放せずにいます。議論の余地はあると思いながらも、二人の関係を不倫よりは長い時間たくさんのことを話し合って共有した先輩と後輩のような感じだと思いました」とし「劇の序盤でも、男同士のような感じでラフで親しい関係として表現したかったです」と言った。

また「私でもミジョと同じ気持ちだったと思います。悲しい事情があるけど、ジンソクは他の人と結婚したのでミジョも別れさせようとしたんです。だけど、男女関係や他人の人生についてどれだけ忠告しても、それはそう簡単には解決できないです」とし「後で二人のストーリーがもっと描かれると、視聴者の皆さんも理解できるのではないかと思いました」と付け加えた。

写真=JTBC STUDIO
チョン・チャニョンの膵臓がんを知って嗚咽するイ・ムセンの演技は名シーンとして挙げられている。それほど感情が爆発するとは思っていなかったというチョン・ミドは「涙をこらえるのが大変でした。チャニョンが一緒に泣くといけないと思ってずっと我慢しました。周りの人が泣くのはいいけど、チャニョンが泣くと作品が最後まで持っていこうとするキャラクターが変わると思いました。“楽しい余命宣告をされた患者”というところが難しかったです」と打ち明けた。

不倫を美化するという視線もあったが、チョン・チャニョンに共感し、応援する声も多かった。チョン・ミドは「ジンソクとの関係から重くて悲しいストーリーをどのように見てくださるか心配しましたが、思ったより多くの方がストーリーに共感し、現実でも似たようなことがあったと自身の悲しかった経験を打ち明けたりもしてくださいました」とし「このドラマで慰められたとか、チャニョンの状況を見て自分の人生について考えるようになったという反応があり、嬉しかったです」と満足した。

余命宣告されたチョン・チャニョンは死ぬ前にやってみたいバケットリストを作り、残った時間を後悔なく生きようと集中した。楽器を完璧にマスターすること、曲を作ること、言語の勉強、水泳、ゴルフなどの運動まで、様々なバケットリストを作ったチョン・ミドは、自身がチョン・チャニョンのように一夜で余命宣告されたら早く周りの人たちに挨拶をすると言った。

チョン・ミドは「いつ死ぬか分からないので、前もって挨拶をして夢見ていた人生を一度くらい生きてみたいです。劇中でチャニョンが『ありがたかったけど、言えなかった』と話すのですが、それに共感しました。親しい関係であるほど、何かを言うのが恥ずかしかったりします。家族や親友に表現できなかった感謝の気持ちを、残った期間中に思いつく度に表現し、申し訳ない事には謝罪すると思います」と想像した。

チョン・ミドは「39歳」という作品を通じて死と健康について改めて考えるようになったという。彼女は「作品を演じながら、『訃告リスト』を作ったら私は誰を呼べるのだろうか、両親に私の最後を伝えるとどんな話をするのだろうかと思い、実際に訃告リストも書いてみました。『この人たちとは本当に意味があって、親しく感じているんだ』と改めて実感したきっかけになりました」とし「私だけでなく、家族の健康診断にも気を遣わないとと思いました」と付け加えた。

写真=Bistusエンターテインメント

記者 : イ・ハナ