キム・ジュリョン「イカゲーム」で演じたハン・ミニョ役について語る“今でも彼女がかわいそうで涙が出ます”

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写真=JUSTエンターテインメント
Netflixシリーズ「イカゲーム」を通じて全世界のファンの心をつかんだ女優のキム・ジュリョンが、作品への愛情を込めた一問一答を公開した。

キム・ジュリョンは最近、所属事務所のJUSTエンターテインメントを通じて「イカゲーム」へのキャスティングから作品を準備する過程、公開後に世界的な大ヒットを受けて感じたことなどを伝えた。

――「イカゲーム」が全世界的な大ブームを巻き起こし、Kコンテンツの歴史を塗り替えていますが、感想を聞かせてください。

キム・ジュリョン:作品がヒットするかどうかは、台本を初めて読ませていただいた時からある程度予想はしていました。しかし、これほどまでに世界的なブームになるとは想像もしていなかったので、少し非現実的なことだと感じるくらい戸惑っている一方で、とても嬉しく、幸せです。「最も韓国的なものが最も世界的なものだ」という言葉を自ら体験しているような気がします。その中心に「イカゲーム」があり、そのような作品に女優として参加したことが非常に嬉しく、光栄に思います。これからより多様な分野でKコンテンツの地位が世界的に確立することを期待しております。

――ファン・ドンヒョク監督から直接連絡が来たそうですが、キャスティングの過程を教えてください。

キム・ジュリョン:監督とは映画「トガニ 幼き瞳の告発」でご一緒しており、2019年の映画「盗掘」の撮影現場でも久しぶりにお会いしました。「SKYキャッスル」でセリの叔母役を演じましたが、「とても面白かったよ。まだいけるじゃないか」と言われました。これまでの近況を話した後、監督から「2020年のスケジュールはどうか」と聞かれました。「準備している作品があるが、具体化すれば連絡する」と言われましたが、本当に昨年初めに助監督を通じて台本を送ってくださり、ハン・ミニョ役を提案してくれました。夢を見ているようでした。オーディションなしに私を信じて、ハン・ミニョ役を提案してくださったファン・ドンヒョク監督に本当に感謝しました。

――台本を読んで初めにどのような印象を受けましたか? ハン・ミニョに初めて出会った時の気持ちを教えてください。

キム・ジュリョン:台本をもらった翌日、朝からカフェに行って最初から最後まで一気に読み切ってしまいました。それほど没入度が最高でした。台本を読みながらすごく笑ったり泣いたり、突然口を塞いで驚いたり……多分カフェにいた人たちは「あの人どうかしたのかしら?」と思われたと思います。周りを意識しないくらい集中して読んでいましたから。私たちが幼い頃に遊んでいた思い出の遊びを、残酷なサバイバルゲームとして活用した点がとても衝撃的でありながらも新鮮でした。監督の想像力に良い意味で驚きを禁じえなかったです。その中に集まった人物たち一つひとつの叙事と細密な内面の描写が本当に胸に沁みいりました。人間性の喪失という大きな枠組みの中で、最終的には人間性を回復していくという内容を収めた、本当に素晴らしい作品だと感じました。ミニョは、最も動的な人物でした。ジェットコースターに乗っているように激しく変化する憎らしいミニョですが、その内面は誰よりも寂しくて誰よりも人に対する恐怖が強い、誰とも群れることのできない人物なので、見ていて本当に切なくジーンとしました。

――今まで出演してきた作品では、いつも強烈な魅力を持つキャラクターを演じてきたと思います。ですが、「イカゲーム」のミニョが出すエネルギーはさらに大きな感じがしたのですが、どのように役作りをしたのでしょうか。

キム・ジュリョン:先に述べたように、ミニョは強くて荒い外見とは違い、内面に恐怖心を抱えていて臆病です。また、ミニョはうるさくて口数が多いです。まるでステージの上で大声でモノドラマをするように見えますが、ミニョはこのような自分の本音を他の人に絶対に知られたくないんです。だから彼女は、もっと強いふりをして口も悪く、うるさくて口数も多いです。結局、「自分を見てほしい」と言っているような気がしました。こうした部分が生き残るための彼女ならではの熾烈なあがきとして描かれ、それで少しでも彼女を気の毒だ思い、応援してくださる方々がいればと思いました。どう演じるかは、具体的には定めませんでした。最大限にこの極限の状況で、こうした内面を持つミニョになり、生き残ろうとしました。私は今もミニョが残念で涙が出ます。彼女がかわいそうだと思います。

――視聴者として見た時、「イカゲーム」にはどのような面白さがありますか? 見どころとして挙げられる部分はどこでしょうか?

キム・ジュリョン:「イカゲーム」は結局、人間の話です。人物たちを追っていくと、本当に胸が痛くなる、ストーリーを引っ張っていく力が素晴らしい作品だと思います。そして現実とサバイバルゲーム場の、結局同じだけど全く異なる空間美術がとても幻想的で、見どころの一つだと思います。さらに、音楽まで最高です。

――Instagramのフォロワー数が日々ものすごい勢いで増えていますが、SNSを通じてファンと交流するのがとても印象的でした。

キム・ジュリョン:既存のフォロワー数は400人でした。今日確認したら168万人を突破していましたね。これがまだ実感が沸かないんです。一体何が起こっているのか……特に、海外のファンの方々が多いです。本当に各国の言語で感動的な応援のメッセージをDMで送ってくれます。一つひとつすべてにお答えしたいですが、それができない点は申し訳ないと思っています。生きているとこんなこともあるんだなと思いました。何とお礼を申し上げればよいのか……。本当に多くの方々の関心、愛をもらっているんだなという気がして、これからより行動や言葉に気を付けなければならないと思いました。

――SNSの写真を見ますと、撮影現場の雰囲気はとても和気あいあいとしていたように見えましたが、撮影現場でのエピソードを聞かせてください。

キム・ジュリョン:一緒に撮影するシーンが多くて、何より俳優の皆さんの性格がとても良かったです。皆待機する時も撮影する時もいつも笑っていました。何か一つを挙げることはできないですね。一緒に笑ったり、泣いたりしました。監督とスタッフの皆さんも気楽で愉快な雰囲気を作ってくださり、本当に一生忘れられない撮影現場です。

――もし456億ウォン(約44億円)が手に入ったらどうしますか? ハン・ミニョとキム・ジュリョンはそれぞれどのように使うと思いますか?

キム・ジュリョン:まず住宅を1軒購入し、20億ウォン(約1億9千万円)くらいは通帳に預けておきたいと思います。残りのお金は全て韓国国内外で苦労して勉強に励んでいる学生たちのため、奨学財団を作りたいです。夫がアメリカ留学をした時、一緒に暮らしながら本当に多くの方々の助けにより奇跡のような経験をしました。456億ウォンが手に入ればすぐ実行に移します。うーん、ハン・ミニョはそうですね……そんな大金があってもうまく使えないと思います。

――これまで20年間演技をしてきました。役者としてターニングポイントを迎えていると思いますが、役者としての目標はあありますか?

キム・ジュリョン:20年です。短いとは言えない役者歴ですね。「イカゲーム」は自分にとって大きな幸せとときめきを与えてくれた作品です。撮影中、現場へ向かうのが幸せで、ワクワクしました。自分のベストを尽くせたので、後悔のない作品です。結果的にも視聴者の皆さんに自分の名前を知ってもらえましたし、20年間諦めずに演じてきたことへのプレゼントなんじゃないかと思います。私はいつだって変わらずに一作一作やっていきたいと思っております。これからも女優キム・ジュリョンの歩みに期待も大きいと思うと、少しプレッシャーも感じたり、怖くなる時もありますが、もっと楽しみながら演じたいですし、責任を持って良い演技でお応えしたいです。キム・ジュリョンは役者としてただ黙々と歩んでいきます。いつものように。

――最後に一言お願いします。

キム・ジュリョン:「イカゲーム」を愛してくださり、女優キム・ジュリョンを応援してくださり感謝しています。いつも健康でいてください。私もより多くの作品でお会いできるように努力します。本当に感謝します。

記者 : パク・ユンジン