SM離れ再出発…f(x) クリスタル「初の単独コンサートをした時が一番特別な瞬間だった」

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写真=H&エンターテインメント
1994年に生まれ、韓国の年で16歳の時、f(x)のクリスタルになった少女が、もう27歳の女優チョン・スジョンになった。デビューして11年、SMエンターテインメントから新しい所属事務所H&エンターテインメントに移籍し、新たな岐路を通り過ぎたばかりのクリスタル。今年韓国で公開された映画「エビギュファン」と、ドラマ「サーチ」は、クリスタルがどんな方向へ進んでいるのかを推測することができる作品だった。

特に「エビギュファン」は、彼女が初めて韓国の長編映画で主演を務めた作品で、熱い関心を集めた。彼女は同作で22歳の大学生で、妊婦のトイルに変身した。これについてクリスタルは「スクリーンで主演デビューというのは、実感があまり沸かないです。周囲から反応が良いと聞きますが、よく分かりません。反応には鈍い方です」と明かした。

特に彼女は印象的な変身を披露したが、淡々とした態度を見せた。彼女は「トイルはスクリーンデビュー作として最高の選択だったと思います。『エビギュファン』が初の(長編)映画ではありますが、そのように大きな意味は持とうとしませんでした。妊娠中の女性という点で驚き、プレッシャーがありましたが、台本を読んでからは、一度でやりますと言いました。撮影をしながらも、一つも心配はありませんでした。楽しかったです」と演技への情熱を誇示した。

続いて彼女は「トイルと実際の私には似ている面があります。22歳の私が思い出されました。女性だけでなく、男性もトイルのような性格だったことがあると思います。トイルのように、自分が一番堂々としていて賢くて、自分が一番立派だというような考えを子供の時に一度はしたのではないでしょうか。私もそうだったと思います。それと共に、自分の間違いを認めて成長し、そのような部分が私と似ていると思いました」と述べた。

単純にキレイにだけ見えるキャラクターは、クリスタルが演技する理由ではなかった。「これまで挑戦しなかった新しいこと、挑戦してみたいキャラクターや作品に惹かれるようです。そして『こんな女優になろう』と目標を立て、計画を決めて行動するよりは、与えられた状況や今に専念する方なので、もっと多様なジャンルとキャラクターに挑戦することができたのだと思います。まだやっていないジャンルやキャラクターが多いので、これからも新しいことに挑戦し、演技したいです」

3年前に撮影したドラマ「刑務所のルールブック」は、クリスタルの演技への心を揺り動かした。ベテラン俳優たちを傍で見守ることが格別な経験で、彼らとの共演は当時デビュー9年目だったクリスタルにとって新鮮な喜びだった。おそらく当時クリスタルに会った人々が『スジョンの雰囲気がとても変わった』と口を揃えたのも同じ理由だっただろう。

「言葉で説明しにくい特別感があった現場だったので、良い影響をたくさんもらったんです。演技の面白さを感じるようになり、現場が楽しかったし、俳優、スタッフの皆さんが作り出す家族のような雰囲気からエネルギーをたくさんもらいました。出演陣のほとんどが演劇、ミュージカルの舞台で実力を築いてきたベテランの方たちでしたが、撮影現場や外で会っても、真剣でありながらも自由に演技について話し合ったので、私も演技についてより真剣に考えるようになったんです。そのような現場に私が共にできたという事実が嬉しかったし、チャンスがあったらまた共演したいです」

クリスタルが悟った演技の楽しさも「別人として生きられるということ」だった。「作品に入ると、普通5~6ヶ月間、長い間キャラクターと作品に集中するというのは簡単ではないです」とし、「何か心の中の緊張をほぐすことができないという点が大変ですが、それがまた演技の魅力です」と語った。そのためクリスタルでありチョン・スジョンが、「サーチ」のソン・イェリムであり「エビギュファン」のキム・トイルになることができた。

「作品の中で長い間、一人の人物として生きなければならないのは難しいことですが、多様な職業と性格を持つキャラクターを通じて、その人物として生きられるという点が面白く、魅力的だと思います」

ただ、クリスタルを占めている大切なアイデンティティは、今も確かで確固としている。“f(x)のメンバークリスタル”だ。「LA chA TA」をはじめ「Hot Summer」「Electric Shock」「Red Light」「4 Walls」まで、クリスタルがf(x)のメンバーたちと一緒に聴かせてくれた特別な音楽は、今もMeU(ファンの愛称)の胸の中とクリスタルの心の中にはっきりと残っている。

「今でも私にとってf(x)はf(x)で、MeU(ファンの愛称)はMeUです。最初から今まで、変わらず私の一部であり、大切で愛する存在です」

クリスタルは最近、感動した映画について聞くと、リース・ウィザースプーン主演「わたしに会うまでの1600キロ」を選んだ。

「主人公が、メキシコの国境からアメリカの西部海岸に沿ってカナダの国境まで、4000キロ以上を歩く過程で経験する出来事と過去の回想を収めています。映画を観ていると一緒に歩いているような感じもして『私もあの道を歩いてみたい』と感じたりします。そして私自身を振り返ってみるようにもなります」と語った。また、最近よく聴いている音楽にはZhaneの「This song is for you」を挙げた。

幼い年齢で芸能界デビューし、11年間活動する中、喜びの瞬間に会ったり、厳しい逆境にぶつかって泣いたりもしたクリスタルだ。

我々がその道の目撃者であるため、クリスタルでありチョン・スジョンであるこの主人公がこれから歩いていく新しい道も、我々は後ろから黙って応援するしかないだろう。彼女は「この11年間の中で、一度くらいはまた戻りたいと思う特別な瞬間はありますか?」という質問にこのように答えた。「すべての瞬間が特別な記憶として残っていますが、デビューから7年の2016年、韓国で開催したf(x)の初の単独コンサートが一番記憶に残っています。f(x)のメンバーたちもファンの皆さんも、長く待っていた時間でした。私たちが単独コンサートを望んでいたのと同じく、ファンの皆さんも私たちと同じ気持ちだったということをコンサート中に感じました。だから特別な瞬間として残っています。それをまた感じてみたいです」

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記者 : イ・スンロク