イ・テファンが語る #「暗行御史」への意気込み #息ぴったりの共演俳優 #コロナ禍の過ごし方

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2013年にウェブドラマ「放課後のくじ引き」でデビューしたイ・テファン。さまざまな作品の助演を務めて演技力を磨いてきた彼は、KBS 2TVドラマ「黄金の私の人生」のソヌ・ヒョク役を通じて甘いロマンスを披露し、理想的な彼氏のキャラクターで名を知らせ始めた。その後、tvNドラマ「キム秘書はいったい、なぜ?」で大人っぽく繊細な小説家のイ・ソンヨン役を演じた。優しく、時には心強い“ナムサチン(男友達)”役に特化された俳優のイメージがあったが、今年、JTBCドラマ「優雅な友達」に悪役のチュ・カンサン役で特別出演して、シーンスティラー(scene stealer:映画やドラマで素晴らしい演技力や独特の個性でシーンを圧倒する役者を意味する)として強烈な印象を残し、新しい可能性をアピールした。そして今回、KBS 2TVドラマ「暗行御史」で5年ぶりに時代劇に挑戦している。

――ブルームーンビールとの撮影はいかがでしたか?

イ・テファン:ビールを飲みながら自由に撮影できて、楽しくて新鮮でした。気楽に撮影できました。

――ビール派ですか? 焼酎派ですか?

イ・テファン:焼酎よりビールが好きです。焼酎の味はよく分かりませんが、ビールはさまざまな味が好きで、普段もよく飲んでいます。昔はみんなと一緒に楽しみながら飲む席が好きだったんですが、最近は一人酒の味も知りました。

――最近はどう過ごしていますか?

イ・テファン:最近Netflixにハマっていて、毎日見ています。最近はスケジュールがなければ、一週間のうちに一度も外に出ないで、家に閉じこもってドラマや映画ばかり観ています(笑)。

――ドラマ「優雅な友達」で、ミステリアスなゴルフインストラクター役で出演しましたね。登場時間は短かったですが、シーンスティラーとして強烈な印象を残しました。このような評価についてどう思いますか?

イ・テファン:好評していただいて本当に感謝しています。実は初めての悪役で、撮影前からすごく心配していました。僕の知人たちも、僕の性格を知っているから、一緒に心配してくれたんです。いざ撮影に入ったら、かえって考え事が多くなって、さらに大変でした。終盤にいくにつれて、先輩たちと息を合わせながら「このように演技しようと思います」と事前に相談もして、少し気楽に演技できるようになりました。また、共演した先輩たちが僕の意見を聞いて引っ張ってくださったので、もっと上手にやることができました。撮影の序盤には現場に行くのが怖いくらい不安だったんですが、徐々に力を抜く方法を学んだので、心の荷が少しは下りました。

――演じるにあたって参考にした役などはありますか?

イ・テファン:監督が、映画「ビースティ・ボーイズ」のユン・ゲサン先輩が務めたスンウ役を参考にするようにと勧めてくれました。同じようにはできませんでしたが、作品を観ている間ずっと、自分もあんなふうに荒々しくて暗い一面を見い出さなければならないと思っていました。モニタリングしながら習って身につけなければなりませんが、かえってユン・ゲサン先輩の演技を見ていたら、さらに大変でした。先輩は演技が本当に上手なので「自分も頑張らなければならない」と思いました(笑)。でも、先輩の演技を見ながら、自分を信じてやってみようという気持ちが大きくなりました。

――初めての悪役をモニタリングしてみて、いかがでしたか?

イ・テファン:僕は自分の演技が見られません(笑)。あるシーンは「もう少し上手にできたのに」と残念に思うし、またあるシーンは「僕にもあんな姿があったんだ」というのをモニター越しに感じました。僕は普段怒らないタイプですが、劇中では性格もすごく強調されていて、アクションをして体を使うシーンの自分を見ていたら、僕にもそのような一面があることをを知りました。また、自分もあのように変われるんだと感じながら、一方では不思議に思いました。

――ドラマ「暗行御史」で、MBC「華政(ファジョン)」以来、久々の時代劇への挑戦ですが、いかがですか?

イ・テファン:主人公のソン・イギョム(INFINITE エル)の腹違いの弟であるソン・イボム役で出演しています。両班(ヤンバン:朝鮮時代の貴族)である父親と召使いの母親の間に生まれ、逆らうことのできない身分の違いのため、兄のイギョムと対立する人物です。最初は柔らかい一面を見せますが、徐々に荒々しく強烈な魅力を見せるキャラクターに変わっていくと思います。

――今回の作品のために特別に準備しているものはありますか?

イ・テファン:様々な時代劇を見ています。特にMBC「善徳女王」のピダム役を演じたキム・ナムギル先輩の演技をもう一度見ています。自分が務めた役とは関係ありませんが、1人でひげも生やしてみたり、自分の荒っぽい外見も想像したりして、様々な試みをしてみました(笑)。

――現代劇とは異なるので、準備が難しそうですね。

イ・テファン:「華政」の後、時代劇を本当にやりたかったです。話し方や単語そのものも現代劇とは異なりますよね。ある意味でこれも自分には大きな挑戦になると思うし、色々と難しいと思います。もちろん「うまくやり遂げよう」「うまくできるはず」といつも思ってはいますが、台本をもらってセリフを読んでみると、簡単ではないと思います。セリフのトーンを始め、たくさん勉強しようと思っています。

――2013年のウェブドラマ「放課後のくじ引き」でデビューして、休まず作品に出演してきましたね。俳優としてのご自身をどう思いますか?

イ・テファン:まだ満足というよりは、相変わらず挑戦している感覚に近いですね。ただ、僕は仕事をしていないと不安になるタイプです。チャンネルAドラマ「タッチ~恋のメイクアップレッスン!~」が終了して半年ぶりに撮影に入りますが、今まで着実に演技してきて、今回は半年ほど休んでいましたが、その間がとても不安でした。最初の1~2ヶ月は「今まで走ってきたから、少しは休んでもいい」と思って、プライベートな時間を過ごしながらゆったりしていました。でも、3~4ヶ月が経ったらじっとしているのがすごく不安になってきました。

今までずっと休まず仕事をしてきたのも、ある意味で自己満足のためだったかもしれません。休まずずっと自分を刺激して、また新しいキャラクターに出会うことが、僕にとってとても重要なことでもあります。今はまず、20代のうちにさまざまな経験をして、30代にはその経験をすべてまとめてやり直したいと思っています。なので、まだ満足するよりは、自分自身に対する不安や苛立ちを感じる時もありますし、それを通じて経験を積んでいく瞬間のほうが多いと思います。

――人生の空白ができたら、誰でも不安ですよね。

イ・テファン:僕は空白が多くなったら、考え事も増えるタイプです。周りの同僚の俳優たちが作品に入ると聞いたら、面白そうだなぁと思います。なので自分も早く演技がしたくなるし、現場でスタッフの方々と会話するのが好きで、みんなで会って楽しく撮影したいとすごく思います。

――ますます難しくなる演技もあれば、ますますやりやすくなる演技もあるのでは?

イ・テファン:実を言うと、全部難しいです。相変わらず正解は分かりません。それでも楽しく感じる演技を挙げると、“ティキタカ(相性が良く、ポンポンとやり取りする様子)”のケミ(ケミストリー、相手との相性)を交わすことができるラブコメディやコミカルな演技が楽しかったです。相手と息を合わせてお互いにセリフを交わす演技が本当に楽しいです。僕はアドリブの演技が好きです。とくに恋愛ものがしてみたいです。難しかったのは、今回やった悪役の演技です。設定1つの違いで、同じ悪役も完全に変わったりして、繊細さが必要な演技だったので、また機会があったら、もっとちゃんと研究もして演じてみたいと思いました。

――息がぴったりだった共演者は誰ですか?

イ・テファン:カン・ギヨン兄さんが1番記憶に残る共演俳優さんでした(笑)。ギヨン兄さんは、本当にアドリブの神様です。兄さんと3本の作品で共演させていただきましたが、その中で2つは頻繁に会ってキャラクターも作って、たくさん会話もしました。今も覚えているのは、僕が初期に演じた、tvN「ナイショの恋していいですか!?」の中の三銃士のキャラクターですが、僕が何を言おうと、兄さんが全部切り返して状況も自然にしてくれて、本当に楽しく撮影しました。

その他にもたくさんの俳優の方たちとの共演がすべて楽しかったです。最近撮影した「タッチ」では、チュ・サンウク先輩とホン・ソクチョン先輩がすごく楽しい雰囲気にしてくれました。「タッチ」は本当にほとんどがアドリブだったように思います。共演者の方々が受け入れてくださって、信頼が生まれて、本当に楽しくて気楽に撮影することができました。特にホン・ソクチョン先輩は、リハーサルでも見せなかったアドリブを現場でリアルタイムで見せながら演技して、スタッフさんたちもとても楽しく撮影していたし、僕も驚かされることが多くて楽しかったです。もっと頑張らなければならないと思いました(笑)。

――デートコーチングをするSBSバラエティ番組「パクジャンデソ」にも出演して、“恋愛新生児”というニックネームを得て、少し自信が湧いてきましたか?

イ・テファン:確かに僕の恋愛スタイルそのものを振り返ってみる時間になりました。僕は普段はリアクションが大きいほうではありませんでした。恋愛もそうですが、人間関係においても自分が受けた感情を表してこそ、相手もそれが分かるということに気づきました。なので数日間は本当に家でそれについて考えて悩みました。

――コロナ禍で大変な時期に、イ・テファンさんだけの細やかな幸せを求めるコツはありますか?

イ・テファン:僕は普段あちこち出歩くタイプではありませんが、コロナ禍でもっと家にいるタイプになりました。以前は親しい人々と会ってコーヒーを飲んでおしゃべりしたりしていましたが、そういう日常を楽しめなくなりましたよね。そんな中で、先日知人から、空を見たのはいつかと聞かれました。その質問がすごく身に染みました。ここ数日は本当に家にばかりいて、秋が来たことにも気づきませんでした。急に寒くなって驚きました(笑)。なので最近は家で空を見上げて、たまに窓を大きく開けて太陽の光を浴びるようにしています。今日は撮影現場に来たおかげで、太陽の光に少し当たったので、植物のように生気が蘇りました(笑)。

――新しい作品ごとに俳優として成長を感じますか? 今年1年間、新しく学んだことは?

イ・テファン:「タッチ」を終えた後も、共演した俳優の方々と今でも連絡を取り合っています。知人たちや周り人々に対する大切さを思い知らされた1年だと思います。俳優の先輩・後輩の方々に頻繁に会って、演技に対する話に共感して分かち合うことが本当に良いと思いました。実は俳優という職業は、次の作品に移ったら再び集まるのは簡単ではありません。なので、共演した方々に会えて、ありがたくて幸せだとすごく感じました。

――2020年をどのように締めくくりたいですか?

イ・テファン:安全が最優先です。俳優である前に韓国の国民の一人として、みんなが安全な生活の中で、今年1年をしっかり乗り越えたいです。また、スタッフと俳優の方々とたくさん交流しながら1年を締めくくりたいです。そして自分のための時間と幸せをたくさん探したいです。何よりも今年は変化の1年になったと思います。悪役もそうだし、時代劇への挑戦もそうだし、俳優としてイ・テファンの新しいイメージを頻繁に見せることができる1年になったのではないでしょうか。

記者 : パク・スンヒョン