“TWICE&GOT7らの成功”がカギ?…JYP、過去の赤字から一転「新システム導入」で業界トップに

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写真=JYPエンターテインメント
JYPエンターテインメントのパク・ジニョン代表は2014年のインタビューで、1兆ウォン(約1000億円)超えを達成するには、音楽や歌手などコンテンツの「大量生産」のためのシステムを作り、自身が全ての決定を下す体制から脱却する必要があると述べていた。

実際にJYPエンターテインメントは、その年から組織を見直し、システムの構築に尽力した。これによって生み出されたガールズグループTWICEやボーイズグループGOT7などが国内外で成功を収め、会社の急成長をもたらした。

◆システム変化がもたらしたTWICEの大ヒット

JYPエンターテインメントは2013年までの数年間、赤字を免れなかった。2008年のリーマンショックのあおりでパク・ジニョン代表が育てた歌手たちの米国進出計画が頓挫したことが大きな打撃となった。韓国国内でも苦戦していた。

パク・ジニョン代表は2014年、JYPエンターテインメントの生産性を高めるため、米国のレコード業界や事業家から学んだ先進システムを取り入れる試みを開始。マーケティングやPR、マネジメントなど業務機能ごとに分けていた組織を4つのアーティスト中心本部体制に転換した。

JYPエンターテインメントのチョン・ウク代表取締役は、本部はアーティストを受け持つ一つのレーベル機能を果たしており、会社の成長ペースに合わせて業務コンテンツの制作ペースが上がるなど業務の効率性が高まったと説明する。

パク・ジニョン代表はあわせて、JYPエンターテインメントを自身一人を中心とする体制から脱却させるため、自らの役割も変化させた。

かつてはパク・ジニョン代表の曲が所属歌手のアルバムタイトル曲となり、パク・ジニョン代表がコンセプトや振り付けを考えていたが、作曲家などのクリエーター50人余りが所属する音楽出版社JYPパブリッシングの役割を強化し、社内に音楽選曲委員会を設置して体系的に動くようにした。JYPパブリッシングで生み出された楽曲は、委員会での採決を経てタイトル曲などに選定される。

2015年10月、新たなシステムの下でデビューさせたTWICEは韓国と日本で大ヒットし、アジアでナンバーワンのガールズグループにのし上がった。その前年にデビューしたGOT7は海外でも人気を獲得し、今年デビューのボーイズグループStray KidsはJYPエンターテインメントの未来を背負うグループと期待されている。

◆系列会社はコンテンツ制作に専念、K-POP市場の広がりも好材料

JYPエンターテインメントは外食や化粧品、ファッション、スポーツなどに事業を多角化した大手の同業他社と違い、系列会社がコンテンツ制作という本業に専念している。

金融監督院の公示システムによると、JYPエンターテインメントはJYPピクチャーズや日本、中国、香港などの海外法人を合わせ計12の系列会社を抱える。JYPピクチャーズは映画やドラマ、ミュージカルなどの制作を手掛けており、海外法人は国内エンターテインメント事業の海外拠点となっている。今の段階では他分野の事業で損失を被ることを避け、中核事業を強化しようとしているようだ。

また、他社所属のボーイズグループ防弾少年団が米ビルボードのアルバムチャートで1位を獲得するなど国内外で大きな成功を収め、K-POPの海外市場が広がっていることも、JYPエンターテインメントにとって追い風となっている。

記者 : 聯合ニュース