ユ・スンホ主演「リメンバー」放送終了…上映時間の長い映画のようだった理由とは?

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※この記事にはドラマのストーリーに関する内容が含まれています。
写真=SBS
まさに20時間の映画のようだった。

SBS水木ドラマ「リメンバー-息子の戦争」(脚本:ユン・ヒョンホ、演出:イ・チャンミン)が韓国で18日に放送された第20話を最後に終了した。

「リメンバー」は昨年12月9日に7.2%(以下、ニールセン・コリア全国基準)の視聴率でスタートし、3回の放送で10%を突破して、11.7%まで上昇した。その後、毎回自己最高視聴率を更新し、18%台を記録した。同じ時間帯に放送されたMBC「波瀾万丈嫁バトル」「もう一度ハッピーエンディング」、KBS 2TV「商売の神-客主2015」と対決しながらも視聴率1位の座をキープし、底力を見せた。

「リメンバー」が好視聴率を記録したのは、ユン・ヒョンホ脚本家の力が大きかった。映画「弁護人」を手がけたユン・ヒョンホ脚本家は「リメンバー」で初めてテレビドラマに挑んだ。映画のシナリオ作家だったユン・ヒョンホが「リメンバー」で見せた最高の長所は台詞だった。「大韓民国の主権は国民にあり、全ての権力は国民から出てくる。国家とは国民です!」という俳優ソン・ガンホの名台詞を書いたユン・ヒョンホは「リメンバー」でも心に響く名台詞を披露した。「聖書にこんなことが書かれている。あなたの罪があなたを訪れる。法律、そして判決というのは結局、事実と真実のようなものだ。真実は事実に勝てる」「自分自身を諦めてしまえば、世界も私を諦めてしまう」などの台詞は視聴者たちの心に響いた。

過剰記憶症候群を患うという設定も、現実と離れない程度に斬新さを与えた。主人公ソ・ジヌ(ユ・スンホ)の特徴でもあった過剰記憶症候群は実際に存在する。過剰記憶症候群を患うソ・ジヌは病気のせいで幸せにもなり、不幸にもなった。また、最終的にはアルツハイマー病を患い、少しずつ記憶を失っていくのだが、極端な対比を成す一人の人物の状況が、“記憶”という言葉が持つ視聴者の深い考察を導いた。

リアルな人物の描写も卓越していた。ナム・ギュマン(ナムグン・ミン)はこれまでのドラマでは見たこともない、絶対的な悪人だった。ソ・ジヌは正義に渇望していたが、その中に父を失った悲しみと恨みを持つキャラクターだった。正義の使徒だと思っていたパク・ドンホ(パク・ソンウン)は、ドラマの序盤に現実と妥協してナム・イルホ(ハン・ジニ)と手を組んだが、結局ジヌの味方になる人物として描かれた。

何より現実的なストーリー展開が印象的だった。劇中成功するばかりの悪人ナム・ギュマンと彼にやられるばかりのジヌとイ・イナ(パク・ミニョン)などが、いわばコグマ(喉に詰まるほどじれったい状況や人物を指す。既存の単語に新しい意味を加えた新造語)のような展開という評価を得た。だが、とても現実的なストーリー展開だった。実際に世の中で正義を見つけるのは難しいことを私たちはよく知っている。ユン・ヒョンホは悪ばかりの世界がいかに図々しく、処罰しにくいかをドラマを通じて見せた。

ユン・ヒョンホは自分ならではの哲学とメッセージを「リメンバー」に反映させ、完成度の高い作品を披露した。「リメンバー」を通じてドラマに初めて挑んだ彼のフィルモグラフィーは大衆にはっきりと記憶されるだろう。

記者 : チェ・ジイェ