「造られた殺人」イ・ハナ、今こそ演技の“味”を知っていく女優

OSEN |

写真=キム・ギョンジュ
すでに女優デビュー10年目を迎えた。2006年、ドラマ「恋愛時代」でデビューしてから今年で10年目。いつの間にかベテラン女優になった。10年間数え切れないほどの作品に出演し、今もテレビや映画などに顔を出している。

ところが、デビュー10年目のこのベテラン女優がようやく演技の“味”を知っていくところだという。デビューした頃から演技力が問題になったことはない。デビュー以来ずっと信頼感を与える演技を披露してくれた彼女がいまさら“演技の味”を知っていくところだと言うことには、首を傾げざるを得ない。

ドラマ「高校世渡り王」の撮影中限界を感じたと言った彼女は、映画「造られた殺人」を通じて本当の演技を学んだと言った。監督だが演技もうまいノ・ドク監督の指示を聞き、周りの人より自分のことをもっと考えてこそ女優としての責任感が持てるという事実に気付いたことも、全部「特ダネ」のおかげだったという。

また「特ダネ」を終えて出演した一幕物「ドラマスペシャル-偽ファミリー」を通じて芝居への情熱が強くなったと言いながら明るく笑ってみせた。そして真剣に自身の考えを打ち明けた。

おそらく予想外に、あまりにも簡単に女優の道に足を踏み入れたためだったのだろう。オーディションを受けてやっと入るだろうと思っていた女優の道だったが、イ・ハナは突然「恋愛時代」にキャスティングされた。その後の作品活動も同じだった。今になってこそそのときにどれほどラッキーだったかと切実に思うと語りながらもう一度女優として決意を新たにするイ・ハナだった。

以下は、イ・ハナとの一問一答である。

―「特ダネ」では小さい役だったのになぜ出演を決心したのか?

イ・ハナ:監督への信頼が強かったと思う。この監督なら喜んで“迷惑女”役もしてみたいと思ったし、その映画の一員になりたかった。もちろん台本も本当にすぐに、面白く読んだ。

―「特ダネ」を通じてたくさん学んだと言った。

イ・ハナ:私は「恋愛時代」でデビューした。当時オーディションを10回は受けてやっとキャスティングされるような状況を予想していたが、いきなり受かってしまった。今になって私がどれほど大きい幸運を掴んだか分かるような気がする。私なりにアルバムを準備しながらブランクが長かったので金銭的に余裕のない時期があったが、演技においてはそういう時間がなかった。映画を撮影しながらよいチームワークをもとに本当に演技の勉強をたくさんした。それから始まった一幕物ではまるで初めて演技する感じを受けた。

―具体的に何を学んだのか?

イ・ハナ:もともと怒る演技、泣く演技のようなものは私の頭の中で考えていたこととは違う。モニターで見ると「私はこのようにしたんだ」とメンタル崩壊した。私が考えていたことと実際の芝居のギャップがあまりにも大きくてそれが難しかった。ノ・ドク監督の芝居が上手くて役に立ったし、後からは監督の芝居を期待するようになった。

―話を聞いていると“演技の味”を知っていくようだ。

イ・ハナ:その通りだ。「高校世渡り王」のときに限界を感じたが、今回映画をしながら演技を学んだし、難しい一幕物の撮影は私にはスリリングで楽しみになる作業だった。ファンの皆さんが好いて下さったし、結構伸びたと褒めて下さった。演技への情熱も増した。

―女優としての心構えも変わったのか?

イ・ハナ:以前はスタッフに何か一言でも言おうとしたし、マナーや礼儀のようなものを考える方だった。ところがそういうことを排除する方々がおられた。そういう方々は周りに配慮するより自分のことを考えた方がよいという考えを持っていらっしゃった。そうしてこそ責任感も強くなるとおっしゃっていた。私のことをもっと考えてこそ責任感が持てると言われた。聞いてみたら私は配慮しながら適当に妥協したのかもしれない。私がこうしたんだからこれくらいでいいだろうというような妥協。私も冷たいときは冷たくしてもっとよいシーンを作り出した方が結果的にはずっといいと思った。

―空白期間が長かったが、その間何をしたのか?

イ・ハナ:良い作品を待っていたし、私がうまくできる作品を待ってきた。その間とても暇だったので音楽をやった。音楽というものがあってよかったし、音楽がなかったら人にたくさん会っていたと思う。

記者 : キム・ギョンジュ