「ミス・ワイフ」オム・ジョンファ“ソン・スンホン、ハンサムすぎてぎこちなくなった”

MYDAILY |

女優オム・ジョンファは余裕があるが、挑戦的だ。韓国の女優として、その演技力で休むことなく女優人生を歩んでいるオム・ジョンファは、今回の映画「ミス・ワイフ」でまた異なる変身を試みた。

同映画でオム・ジョンファは成功したシングル弁護士で、偶然の事故で朝覚めると夫と子供二人がいるおばさんとして一ヶ月間生きることになるドタバタなイ・ヨヌのキャラクターを務めた。これまで華やかなシングルの女性、あるいは子供を守るために孤軍奮闘する母性愛の強い母親役を演じたオム・ジョンファは、今度の作品を通じてすべてのものを手放して、観客たちに笑いと涙を提供するために努力をした。

両極端なキャラクターに対して彼女は、「今回の母親のキャラクターは、子供をこらしめる役割だったので面白かったです」と茶目っ気たっぷりな笑みを浮かべた。子役俳優チョン・ジフン、ソ・シネと家族として呼吸を合わせたオム・ジョンファは、若い俳優たちにも学ぶ点と慰め、そして愛の感情を感じたと話した。


「ソン・スンホン、初めと終わりが変わらない人」

オム・ジョンファは劇中ソン・スンホンと夫婦として出演して、愉快な呼吸を合わせた。昨年「人間中毒」で強烈な姿を見せたソン・スンホンもまた、オム・ジョンファほどにこの作品を通じて、力を抜いて現実的な父親の姿を見せしようと努力した。

「ソン・スンホンさんを初めてみた時、『あまりにもソン・スンホンだ』と思いました(笑) 遠くから作品だけで見守った時間が多いですが、この作品で出会ったじゃないですか。ソン・スンホンさんも緊張をしたと聞きましたが、お互いに慎重な部分がありました」
「ミス・ワイフ」にソン・スンホンがキャスティングされた後、カン・ヒョジン監督は「いたずらにハンサムな」というセリフを追加しなければならなかった。オム・ジョンファは、「撮影する時はかえって分からないんですが、撮影をしないで待機している場合は、ソン・スンホンさんを見る度にぎこちなくて感情移入を簡単にできませんでした」話した。

しかしセット撮影で夫婦として出会って、歯磨きをするシーンを撮影し、ふたりはお互いに実際の夫婦のような姿を見せ、作品の中でも自然な姿がそのままにじみ出た。オム・ジョンファはソン・スンホンに対して、配慮心が多くて礼儀正しい人と表現した。

「仲良くなったら言葉を気楽にすることもあるじゃないですか。ところがスンホンさんは親しくなりながらも、初めと終わりが変わらない人です。いつも思いやりもあってマナーもあって、最後まで感謝の気持ちを感じました。ところで作品が終わって、久しぶりに映画公開を控えて会いましたが、『あまりにもソン・スンホンだ』とまた思いました。本当にハンサムじゃないですか(笑)」


「撮影しながら『こういうのが幸せだんだなぁ』と感じて」

一人二役を担当したオム・ジョンファは、ヨヌの二つの人生に対するメリットよりはそれぞれの痛ましい姿を言及した。専業主婦として少しでも節約しながら暮らそうとする人生と、社会的地位が高いが、家族の愛を感じることができずに生きて行く人生に対する憐憫であり、残念さだった。

オム・ジョンファが映画で記憶に残るシーンに挙げたカットは、劇中ハル(チョン・ジフン)が更年期の薬としてビタミン剤を準備してくれる姿だった。もみじのような手で、薬局に行って小遣いを差し出して「お母さんが変なんです」と母親を心配し、健気に感じた薬剤師がビタミン剤をくれる姿は心を和ませる。

彼女は、「お母さんにビタミンを突き出しながら心配する姿や、妻だけを考えて愛してくれる夫がいる家庭を夢見たことがありませんが、撮影の合間に子供が遊ぶのを見ていると、こういうのが本当の幸せなんだなぁと思いました。ソン・スンホンさんが子供たちを馬乗りさせて遊んでいる姿をソファで見守りながら、実際の家族のような愛情を感じたりもしました」

オム・ジョンファは作品のように結婚に対する関心があるが、恐怖が先立っている。後に実際に母親になればどんな感じだろうかと質問すると、「子供を愛する自信はあるが、どうやって一人の人生をうまく導くことができるだろうか、という考え方が大きく位置しており、心配がはるかに先走っています。姪っ子のジオンを見る時とは全く違う思いです」と伝えた。


「成長の時間、訳もなく流れたのではないようだ」

オム・ジョンファは自分のフィルモグラフィーをきちんと積み上げながら、女優としても、自らも成長している。「作品をしながらそのキャラクターとして生きて終わるのではなく、その感情が層になって積もりに積もっているようです」と、これまでの様々なキャラクターたちが集まって今の自分になったと明らかにした。

「時間がいたずらに流れたようではありません。ある時は痛ましい記憶として残ったり、思い出として残されたりもします。重々しく残っているものもあります。はっきりと思うのは、作品をしながら時間を送って、短いかも知れませんが、様々なものが残ると思います」

最近、韓国映画界がブロックバスターを掲げて成長しているが、女優の居場所は依然として狭い。オム・ジョンファは女優たちの立地問題について、これまで多くの質問を受けてきた。

「単に韓国だけの問題ではないと思います。市場が小さくて大変なこともあり、女優たちのすべき話がだんだんなくなっているのもあると思いますが、韓国だけの問題ではないと思います。人々の視線が変わることを望んで、文化的にも女性たちができる話がたくさんあったら嬉しいです。共存して一緒にできる作品が多くなってほしいです」

彼女にアクションジャンルを望む周辺の視線に対しては、「無条件ですぐにすることができる」と明快な答えを返した。休むことなく運動を続けているオム・ジョンファは、自分のために、また女優として新しい作品を待つ心と体をつくっている。

「素敵な役どころは本当に多いです。ある役者はある映画全体での比重がそれほど大きくありませんが、響きが大きい演技を見せます。そのような響きや共感をよく表現して、上手にできる女優になりたいです。全体的によく流れるシナリオを読む時、本当に興奮して早く撮影したくなります。私の体を躍らせた作品にまた会いたいですね。私を応援して待っている方たちがいるので、緊張を和らげることのできない理由です。それがどれほど大事でしょうか。最近情熱と大事さがより大きくなりました」

記者 : シン・ソウォン、写真 : キム・ソンジン