「心臓が跳ねる」の切ない最後…打ち切りが答えですか?

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写真=SBS「心臓が跳ねる」スクリーンショット
視聴率は低かったかも知れないが、その感動は決して小さくなかった。そのためか「心臓が跳ねる」の最後はさらに切なかった。

韓国で1日に放送されたSBS「心臓が跳ねる」の最終回では、消防隊員たちの最後の姿が描かれた。チョ・ドンヒョク、チョン・ヘビン、チェ・ウシク、チャン・ドンヒョクはこの日の放送を通じて突然打ち切りの話を聞き、残念な最後を迎えなければならなかった。これに先立ち入隊したパク・ギウン、そしてイ・ウォンジョンらとは全く違う雰囲気の最後には、名残惜しさが大きかった。

299日、10ヶ月という期間を消防隊員として生きてきたメンバーたちは、突然の打ち切りに困惑しながらも悲しい気持ちを隠せなかった。昨年パイロット番組(レギュラー編成に先立ち、1~2回テストとして放送した後、編成を決定する番組)として始まった「心臓が跳ねる」は、“モーゼの奇跡(緊急車両に道を譲ること)”プロジェクトと共に、多数の救急・救助現場に投入され、たくさんの人の命を救ったり、市民意識を変えたりした。

「心臓が跳ねる」は最初から俳優チョ・ドンヒョク、パク・ギウン、チェ・ウシク、チョン・ヘビン、チャン・ドンヒョクらが119消防隊員に変身し、命の本当の価値を考えてみる公益プロジェクトだった。単なるバラエティではなく、公益性が加えられた「心臓が跳ねる」は大きな笑いを誘ったりはしないが、視聴者に温かい教訓を与えると共に警戒心を抱かせ、好評を受けてきた。しかし、視聴率の低迷は「心臓が跳ねる」にとって大きな壁だった。

何度もやめようと思っていた「心臓が跳ねる」だったが、隊員たちは「自分がどれだけ素晴らしいことをしているのかが分かった」という言葉と共に、何十回も心を持ち直してきたという。自殺に孤独死、下肢切断まで、想像以上に衝撃的な事件を見守らなければならなかったメンバーたちは、義務感と使命感一つで今まで耐えてきたのだ。

「心臓が跳ねる」メンバーたちの最後の姿は、むしろ淡々としていて悲しかった。299日にわたって絶え間なく成長を続けたメンバーたちの姿は、その日々が決して無駄ではなかったことを証明した。自殺しようとしていた女性の手をぎゅっと握ってあげたチョン・ヘビンから、下肢切断の患者の元を再び訪れ、心に触れたパク・ギウン。そして患者の緊張をほぐそうと救急車の中をバラエティ番組のようにするチャン・ドンヒョクと“成長のアイコン”チェ・ウシク、いつの間にか優しくなったチョ・ドンヒョクの姿は感動と共に共感を届けた。

「心臓が跳ねる」メンバーは10ヶ月かけて「心臓が跳ねる」が変えた世の中に対して誇りを持ち、最後の挨拶を伝えた。本当にたくさんの苦労を重ねたが、その真価を分かってくれていた視聴者に感謝しているという。視聴率こそ高くなかったが、それに比べられない大きな感動を与えた「心臓が跳ねる」は“モーゼの奇跡”プロジェクトを国会に持っていき、存在感を見せたりもした。災害や危機、危険が続く世の中で「心臓が跳ねる」ほど必要な番組はあるだろうか。

最後まで続いた感動はメンバーたちの涙交じりの感想でさらに大きくなった。メンバーたちは涙ながらに語った最後の挨拶を通じて視聴者と同じ気持ちで「心臓が跳ねる」の最後を惜しんだ。きっと現場を駆けまわった彼らの最後の方がさらに切なかったはずだ。

低視聴率で打ち切りになった「心臓が跳ねる」の後番組としては「マジックアイ」が放送される見込みだ。韓国で身辺雑記のトークショーがあふれる今、「心臓が跳ねる」を打ち切りにしてまでレギュラー放送される「マジックアイ」は、あまり歓迎されていない雰囲気だ。特に「マジックアイ」は世の中の1mmを見つけ出すという意図とは異なり、イ・ヒョリ、ムン・ソリ、ホン・ジンギョン、イム・ギョンソンなどの多少刺激的な話で無理やりな笑いを誘い、残念なものになる可能性もある。「心臓が跳ねる」の後番組である「マジックアイ」はその空席を埋めることができるだろうか。

記者 : ムン・ジヨン