SUPER JUNIOR キュヒョン、15トンの雨に打たれながらダンス…「雨に唄えば」はもはや“水中ミュージカル”

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カーテンコールでも水を浴びて楽しくダンス

写真=SM C&C
最近放送終了したドラマ「愛は歌に乗って」のタイトルは、1952年に制作されたミュージカル映画のタイトル「愛は雨に乗って」を借用している。今回紹介する「雨に唄えば」(原題:Singin' in the Rain)は、「愛は雨に乗って」をミュージカルにしたムービカルだ。

「雨に唄えば」で最も重要なのは、映画ジャンルのパラダイムがサイレント映画からトーキー映画に急変する時期、生き残るために奮闘した男性主人公ドン・ロックウッドの生存ストーリーである。ドン・ロックウッドはサイレント映画のアイコンと称されるほど当時トップスターだった。しかし、永遠と思われたサイレント映画の全盛期は、ライバル映画会社のワーナー・ブラザースがトーキー映画「ジャズ・シンガー」をヒットさせたことにより急激に衰退する。

ミュージカル「ジャズ・シンガー」の大成功は、観客にとって初めてのトーキー映画がミュージカルに登場する「ジャズ・シンガー」ということを喚起させることで、ミュージカルを通じて映画の歴史を観客に教えてくれる。もしドン・ロックウッドがサイレント映画のパラダイムに閉じこもり、トーキー映画に馴染めなかったら、恐らく彼は映画「アーティスト」のジョージ・ヴァレンティンのように、トップスターから一瞬にしてドン底に落ちていただろう。ドン・ロックウッドがサイレント映画に続きトーキー映画でも生き残れたのは、彼がジョージのように急速に変化するパラダイムに遅れを取らず、素早く馴染むことができたからである。

ドン・ロックウッドが急変する映画のパラダイムに見事に適応したムービースターだとすれば、天上智喜The GraceのSundayが演じるリナ・ラモントは、ドン・ロックウッドとは反対の運命を辿る悲運のキャラクターだ。ミュージカルで大きな笑いを提供する人物はリナである。猫の鳴き声と赤ちゃんの声を混ぜたようなリナの声は、リナが登場する度に観客を爆笑させると同時に、リナがサイレント映画では外見でアピールすることができても、彼女の酷い声のせいでトーキー映画では淘汰される運命であることをドン・ロックウッドとは対照的に見せている。

ドン・ロックウッドがトーキー映画でも生き残れた理由は、ドン・ロックウッドの親友であるコズモ・ブラウンの手柄もあるが、何よりもチェ・スジンが演じるキャシー・セルダンの貢献が大きい。ミュージカルの中の映画「決闘の騎士」が本来の企画意図とは違う方向で制作され、大ヒットを成し遂げるにおいて最も貢献した人物がドン・ロックウッドではなくキャシーだと言われる所以は、「雨に唄えば」の叙事がドン・ロックウッドと恋に落ちるキャシーのシンデレラストーリーのように見えるが、実は“ピョンガン姫”(バカと言われた夫オンダルを将軍にしたピョンガン姫の物語)の物語と合致していることを観客に見せてくれるからだ。

ドン・ロックウッドがキャシーを有名にしたのではなく、逆にキャシーがドン・ロックウッドの名声をトーキー映画時代でも淘汰されないようにすることによって、オンダルを将軍にしたピョンガン姫のように、キャシーは愛する男性を勝者にするにおいて大きな役割を果たす。

「雨に唄えば」は他のミュージカルとは違い、「ガイズ&ドールズ」のようにセリフの量が多くないミュージカルだ。「ブロードウェイ42番街」のようにショーイングも多く、無名時代のドン・ロックウッドがどれだけタレント性の高い俳優だったのかをアピールするために、ドン・ロックウッドを演じるSUPER JUNIOR キュヒョンはコズモと共に派手なタップダンスを披露する。SUPER JUNIORのファンであってもキュヒョンがタップダンスを踊るシーンは見れなったはずであるため、キュヒョンを見るために来た金髪の白人や日本人観光客も多々見ることができた。

映画のサウンドトラックに詳しい観客ならば、このミュージカルに登場する複数の音楽が「愛は雨に乗って」のサウンドトラックと同じであることに気付くだろう。「雨に唄えば」の第1幕は映画「愛は雨に乗って」を大きく借用している。しかし、第2幕はミュージカル「バンジージャンプをする」が映画とは一部違うクリエイティブな再解釈を加えたように、「雨に唄えば」も控え室でのリナの独白のように映画とは若干違った再解釈を加えている。

「雨に唄えば」が「愛は雨に乗って」をミュージカルにしたムービカルであるため、映画を覚えている観客が共通して挙げる名場面は、ドン・ロックウッドが雨に打たれながら歌って踊るシーンのはずだ。キュヒョンはこのシーンを演じるために第1幕の最後の部分で15トンの水が降り注ぐ舞台の上で踊り、歌を歌う。

キュヒョンが舞台で雨に打たれるシーンはこれだけではない。公演が終わりカーテンコールをする時、アンサンブルと共に舞台の上から降り注ぐ大量の水を浴びながら再度愉快なダンスを披露するため、それこそ体を張ってミュージカルの観客たちにファンサービスをすることになる。最初のトーキー映画がどのような映画だったのかを学ぶことができる上、キュヒョンのタップダンスと華やかなウォーターショーを鑑賞できる一石三鳥のミュージカルだ。EXOのファンなら当然、ベクヒョンが出演する7月の公演を逃さず観覧すべきであるが、あいにくチケットは販売開始からわずか3分で売り切れてしまった。チケットを購入できた観客は運が良い観客というわけだ。

記者 : パク・ジョンファン