VIXX「奇跡」音楽番組のカメラワークを徹底比較分析
10asia |
コンセプチュアルアイドルVIXXが「奇跡(Eternity)」で帰ってきた。ヴァンパイアをはじめ、ジキル&ハイド、呪いの人形までアルバムごとに確実なコンセプトを披露してきたVIXXが今回のミニアルバム「奇跡」で見せたコンセプトは、“時間のファンタジー”だ。VIXXは「奇跡」で単純なファンタジーキャラクターを表現しただけではなく、VIXXだけの幻想的な世界観で領域を拡張しようとするコンセプチュアルアイドルの姿を見せた。夢幻的なコンセプトではあるが、パフォーマンスではVIXX特有のコンセプトを生かしたドラマチックな要素がところどころに盛り込まれている。“時間のファンタジー”のコンセプトを生かしたリバースダンスと突然スローモーションで踊る動作、そして時計の秒針振付けが際立つ。インパクトのある高難度のパフォーマンスも盛り込まれている。エンが歌い始める時、うつ伏せになった状態で持ち上げられ、その後ケンも横になっている状態でメンバーたちに持ち上げられる。ホンビンとヒョギがジグザグでモデルのようにランウェイをする姿と、セクシーな横姿でウェーブを披露するなど、VIXXメンバーたちの強烈な登場を存分に盛り込んだ。VIXXのカムバックステージをそれぞれの音楽番組がどう効果的に捉えたのか見てみよう。
Mnet「M COUNTDOWN」:顔か、パフォーマンスか、それが問題だ。カメラワーク:★★★
コンセプト理解度:★★★
エンへのオタク指数:★★★★
「M COUNTDOWN」は、“時間のファンタジー”というコンセプトに合わせて時計を連想させる歯車をステージセットにし、VIXX特有の夢幻的な雰囲気をスモッグ効果で生かした。VIXXは2節のヒョギが始める部分からエン&ヒョギ&レオ、ラビ&ヒョギ&ホンビンとコンビを組み、振付けを披露するシーンが多く、カル群舞(体を曲げる角度から指先まで完璧な刃物のように合わせるダンス)より、6人で一つの絵を描くようなドラマチックな振付けが多かった。そのため、正面フルショットで捉えてこそ、構図とポイント振付けを効果的に捉えることができる。そのような点で「M COUNTDOWN」は頻繁に正面フルショットで捉えたため、VIXXのコンセプトをしっかり把握した番組だった。但し、VIXXは常にサビを歌う時に歌う人が真ん中に立たずに隠れていたが、「M COUNTDOWN」ではサビでレオとケンの代わりに真ん中に立っているエンのパフォーマンスを主に捉えた。上手くフルショットを捉えることができたが、アップの位置がどこか物足りなさを残した。また「奇跡」のコンセプトを象徴的に現した導入部のリバースダンスをカメラに捉えることができなかった。
MBC「ショー 音楽中心」:青いスーツが似合うVIXX
カメラワーク:★★★☆
隠れたボーカル探し:★★☆
ローアングルの活用指数:★★★(お尻加算点+☆)
「ショー 音楽中心」でVIXXは青いスーツを着てステージに上がった。青いスーツを見事に着こなしたVIXXの姿を見ることができるステージだった。カメラワークもいくつかのポイントを上手く捉えた。その中でもホンビンとヒョギのパートのジグザグ振付けをフルショットで捉えたままロングテイクで撮影したため、ホンビンとヒョギの動線に合わせて踊り始めるメンバーたちの動きをすべて上手く盛り込んだ。「ショー 音楽中心」でも「奇跡」を始めるリバースダンスを正確に把握していなかった。VIXXの特徴である隠れてサビを歌うボーカルも物足りなさを残した。1節のレオのパートでケンを映した。その代わりに2節のレオのパートでレオが真ん中に来る隊列振付けが一部修正され、ある程度解決された。最も残念なことは、ローアングルを活用したことだ。ラビのパートではラビの指揮に合わせてメンバーたちが動き、ラビの秒針振付けの後ろでメンバーたちが表現する振付けを見ることができる。だが、「ショー 音楽中心」はラビだけをアップとローアングルで映したため、メンバーたちのパフォーマンスをカメラに捉えることができなかった。1節の「僕のこと好きだよね」でローアングルが捉えたお尻だけは気に入った。
SBS「人気歌謡」:VIXXのビジュアルに惚れましたか?
カメラワーク:★★★
スタッフの愛着:★★★☆
目をキョロキョロさせる速度:★★★★★
「人気歌謡」はリバースダンスが始まる時、足をアップで映しリバースダンスのポイントを表現した。ヒョギとホンビンがジグザグで登場し、先に足を映しながらステップの重要性を示した。2節が終わり、エンの「突然遠ざかる君」のパートでも、先に足をカメラに捉えた。ペアを組む振付けと二人が先に登場する振付けでは、上手くフルショットで映しポイントを生かした。隠れたボーカルを探す課題では、2節のケンのサビでケンを正確に捉えた。だが、じっとしていられなかったカメラのアングルがVIXXの全体的なパフォーマンスを盛り込むことはできなかった。端的な例として、ケンの「これからは君のすべてを受け止めたい」の独り舞台で3局の音楽番組の中で唯一語句ごとに画面を転換し、ラビの秒針ダンスの時もラビだけを映したまま、華麗な画面転換を誇った。ウェーブの振付けでも唯一全身ショットを映せなかった音楽番組でもある。まるでVIXXの隅々までカメラに捉えたくて、目をキョロキョロさせる姿を連想させる音楽番組だった。
記者 : パク・スジョンの開く、写真 : ペンヒョンジュン、Mnet・MBC・SBSキャプチャー