神話 M(ミヌ)「アイドルに対する先入観を持たれていると意識しながら活動してはいけない」

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アイドルグループ神話(SHINHWA)のミヌが、ソロ歌手ミヌ(M)として単独ソロコンサートを開催する。ミヌは5月24日と25日、ソウルオリンピック公園のオリンピックホールでソロ単独コンサート「M STEP」を開催する。今年でデビュー10周年を迎えたスペシャルアルバムをリリースし、SBS「ジャングルの法則 in ブラジル」、Mnet「ダンシング9」シーズン2に出演、精力的な個人活動を繰り広げているミヌは、アジアツアーを兼ねた単独コンサートでソロ歌手としての自分の技量を思う存分発揮する予定だ。

ミヌはソロ歌手として11周年を迎えており、神話のミヌではなくソロ歌手ミヌとしても着実に曲を出し続けてきた。それだけではなく、ミヌは2006年からソロ単独コンサートを継続的に開催し、2012年と2013年にはクリスマスコンサートも開くなど、パフォーマーとしての姿も誇っている。そのようなミヌが2月、久しぶりにリリースしたソロアルバムをひっさげて開催する単独コンサートは、これまで以上に多彩な見どころを提供すると期待されている。

ミヌはステージの上でも輝きを放つ歌手の一人だ。よく知られているダンスの実力と共に観客の歓声を呼び起こすステージが視線を引きつける。神話のステージを直接見た人は誰もが、ステージで満ち溢れるミヌの情熱に感嘆を隠せない。リーダーであるエリックでさえもミヌに「ステージの上ではお前がリーダーだ」と言うほどだ。その秘訣はどこにあるのだろうか。ミヌは生まれ持った才能もあるが、ステージを準備するために毎日のように汗を流しながら一生懸命練習に励んでいる。ソロ単独コンサートを準備しているミヌの練習室に訪れ、コンサートを間近に控えたミヌの話を聞いてみた。

―練習室に入った時、EXOの「Growl」が聞こえた。ひょっとして今回のコンサートでミヌさんの「Growl」を見ることができるのか?

ミヌ:そうだ。後輩グループの歌をよく編曲している。以前「アンプラグド」公演でもWonder Girlsと2NE1の曲を編曲して、自分のスタイルで歌ったことがある。その時「アンプラグド」という公演タイトルに合わせてサウンドや歌い方を加えたが、今回のステージは大きいため、それに合わせて編曲した。Girl's Dayの「Something」からはじまり、EXOの「Growl」に自然に繋げて、ダンスにも少し手を加えて、ソウルフルでセクシーな姿を披露する予定だ。

―今回のコンサートはソロ歌手ミヌとして「M+TEN」のスペシャルアルバムをリリースしてから初めてのコンサートだ。昨年と一昨年のコンサートは、クリスマスの雰囲気が加えられていたが、今回は本当に純粋なソロ歌手ミヌならではのコンサートだ。

ミヌ:「M STEP」というコンサートタイトルは、もう一度最初から始めるという心構えで、もう一歩前進するという意味が込められている。ソウルを皮切りにアジア4ヶ国をまわる予定だ。上手くいったら、ソウルでアンコール公演がしてみたい。それだけではなく、今回のコンサートでは「M+TEN」の収録曲すべてを披露する予定だ。

―アジアツアーを行う予定だが、韓国のファンのためにソウル公演で差別化を図るパフォーマンスはないのか?

ミヌ:ソウル公演は最新の舞台技術や装置、照明、サウンドなど舞台環境に恵まれている。また、場所によって少しずつ音楽を変える予定だ。アレンジが異なるため、公演会場所に合わせて脚色する。「The M Style」だけでも4種類のバージョンの編曲がある。「Bump!!!」も複数のバージョンがある。今回は「Don't Trust Men」も完全に新しく編曲した。僕は場所や舞台のサイズに合わせて曲を選ぶタイプだ。だから今回のソウル公演は以前とまったく違って新しい。

―2月に行われたインタビューで歌を聞きながらステージを描くと話していた。コンサートのために曲をアレンジしなければならないが、どんな絵を描いているのか?

ミヌ:編曲作業は原始的にしている(笑) ハミングでグルーヴを感じながら、自宅でパソコンにリズムを記録したり、バンドと呼吸を合わせながら即興で作ることもある。以前、Mnet「ユン・ドヒョンのMUST」で「Perfect Man」をアレンジして披露したことがあるが、そのように編曲するのが好きだ。僕は曲を書く人間なので、自然に編曲への意欲もある。また、バンド演奏で聞かせた時、気に入る曲もあれば気に入らない曲もあるけれど、その時は大胆に変える。即興的なことがとても好きなので、その時その雰囲気で行けばいいと思うと意見を出している。また、今一緒に練習しているバンドは2006年から共にしている仲間なので、息がぴったり合っている。

―EXOの「Growl」とGirl's Dayの「Something」以外にも、新しく披露するカバー曲はないのか?

ミヌ:神話のカバー曲もある。俺はポップが好きだが、今回アメリカに3週間ほど滞在しながらファレル・ウィリアムスの「HAPPY」という曲を繰り返して聞いていた。今回の公演では僕の曲だけではなく、脚色された曲を通じてMという歌手が自分の曲ではない他人の曲を歌った時にどのような雰囲気を出すのかを皆様にお見せしたい。

―編曲作業を本当に楽しんでいるようだ。

ミヌ:音楽をカバーし、アレンジすることは、また別の作曲だ。そのために公演ができるのだと思う。MBC「僕らの日曜の夜-私は歌手だ」、KBS 2TV「不朽の名曲-伝説を歌う」が放送される前から自由に編曲をして色んなジャンルの曲を披露できる番組があったらいいなと考えていた。だから、そんな番組が作られて本当に嬉しかった。できるなら作曲家としても精力的に活動してみたいけれど、神話が先だ! ハハハ。

―サプライズゲストに対する期待も高い。昨年はチョンジンが登場したが。

ミヌ:エリックが登場する。エリックは「M+TEN」のタイトル曲「TAXI」でラップのフィーチャリングをしてくれたけど、活動の時に一緒にステージに立てなかったことに申し訳ないと思っていたので(笑) ジャングルに行く時もナイフのようなものをプレゼントしてくれた。今回のコンサートでは「TAXI」の本物のオリジナルラップを聞くことができるだろう。

―今回のコンサートでアルバム収録曲である「Kiss it Away」の振付けを公開することで期待されている。

ミヌ:実は今も悩んでいる。公演ではいつもパフォーマンスの比重が大きい。だけど「Kiss it Away」は豊かな感受性を持つ曲なので、ダンスに集中すると歌が持っている特有の感動がうまく伝わらないかもしれない。ダンスと歌、どこに焦点を合わせるかを悩んでいる。

―神話のコンサートやミヌのコンサートを見ていると、特にミヌのエネルギーとステージが引き立っていた。その秘訣は?

ミヌ:リーダーのエリックが僕に「ステージの上では君がリーダーだ」と言ったことがある。以前、一度不満を打ち明けたことがあった。僕が司会者でもないのにメンバーたちの顔色を伺いながらコメントをしたり、観客から歓呼を引き出そうとした時もメンバー全員が一つにならなければならないのに消極的だったり…… 今はメンバーみんな積極的にしているけど、昔は一人でやっている気がして不満だった。不満を言ったら、「お前を信じてついていくだけだった」と話していた。今はそれぞれパートを分けてやっているので自然だ。僕がオープニングのコメントをすると、ヘソンが2番目のコメントをする。このような流れでコンサートを進行している。今、僕はコンサートをまとめるだけで、流れを切らないようにしている。ハハハ。

―コンサートの一番いいところは、タイトル曲以外の隠れた宝物のような収録曲が聞けることだ。ソロ歌手としての11年間、人々に知られてない良い曲があるとすれば?

ミヌ:「PUNCH」だ。「PUNCH」は猛暑の中で作った曲だ。2003年の時に住んでいた家が屋根部屋がある4階のマンションだった。作業室をリビングに作れないので、屋根部屋に作業室を作ったけど、その部屋にはエアコンがなくて本当に暑かった。その時に作った曲で愛着がある。また、当時エリックがMegapass(韓国のブロードバンド)のCMでこの曲をイントロで使った。今「PUNCH」のオリジナル曲を聞くと、少し恥ずかしいかったりするけど…… 愛着がある曲はたくさんあるけれど、「PUNCH」という曲は一発で飛ばす曲のようだ。

―2枚目のソロアルバムのタイトル曲「Bump!!!」は10分で作曲したことで有名だ。その時の作業はどうだったのか?

ミヌ:「Bump!!!」は2004年、神話の「Winter Story」を作業していた時に作った曲だ。当時MBCのシットコム(シチュエーションコメディ:一話完結で連続放映されるコメディドラマ)「ノンストップ5」を撮影していた時に突然インスピレーションを受けて、家に帰ってすぐに徹夜でビートを作り、メロディは10分で完成した。「Bump!!!」の楽器はとても簡単で、テーマだけを決めて作った曲がタイトル曲になり、1位も獲得して、受賞式で賞も頂いた。その時に感じたことが「努力すれば、必ず成功するんだな。ファンのおかげで賞も頂けた」だった。「ノンストップ5」の撮影をしながら準備したアルバムだったので、大変なこともあったけれど、その疲れがすべて洗い流された。

―もしかして今、演奏できる楽器はあるのか。今まで作詞作曲をたくさん手がけてきたが、いつから作曲において自分だけの方式を作るようになったのか?

ミヌ:神話の練習生の時から作曲家のユ・ヨンジン兄さんに「作曲はどんな方法ですれはいいですか」と聞いていた。その時ユ・ヨンジン兄さんが「君はダンスが得意でリズム感があるから、簡単にリズムを作れるだろう」と言ってくれた。楽器やコードがまったく分からないのにどう作曲すればいいのかと聞いたら、兄さんも習わずに練習して作曲したと言っていたので、勇気を持つことができた。その時から音楽を本当にたくさん聞いた。音楽をたくさん聞くと、音が聞こえる。そしてコードが聞こえ、ベースの音を探し、どのような形で音楽が流れているのか聞こえるようになった。そうやって自然に作曲の練習をしているうちに、自分なりのパターンを作って作曲していた。

―ソロ歌手ミヌとして11年目になる。神話のミヌとソロ歌手のミヌの違いは?

ミヌ:神話のカラーと自分のカラーが何なのか分からなかった時期があった。今は分かる。神話は上品で、貴族のような雰囲気だ。男らしくて余裕がある、乱れることない姿だ。神話を思い浮かべると、スーツを着た堅固でしっかりした男性が思い浮かぶ。ソロ歌手ミヌの音楽は自由奔放だ。心温まるところや、可愛く、セクシーなところもある。僕の思い通りにする自由奔放な色だ。それから僕はブラックミュージックが好きなのでそこから影響されたこともあり、最近は昔のアコースティックサウンドに傾倒していて、バンドとたくさん話し合っている。

―よくスターの性格とファンの性格は似ているという。神話のコンサートをする時とソロコンサートをする時に違いを感じるのか?

ミヌ:ミヌのファンはより積極的にコンサートに参加している。神話創造(神話のファンクラブ)はメンバー一人だけを愛するのではなく、神話だけを愛してくれる共同体でもあるけれど、それぞれの性格についていく感じがする。僕は活発で愉快で即興的なことが好きだからか、ファンたちが友達のように思える。息がぴったり合う友達のようだ。オープニングが始まると積極的に遊ぶことができて、甘いバラード曲が流れると僕とデートするようにコンサートの雰囲気を楽しんでいる。集中的に僕に夢中になる豊かな感受性も持っている。だから、アンコール曲を歌う時にファンの顔を見ていると、今この瞬間が一番大切であることを感じているようだ。それが見える。

―コンサートに来るファンに楽しむコツを教えるとすれば?

ミヌ:一緒に楽しめるように楽な服装で来てほしい。もしくは、Tシャツをもう一枚準備して来てもいいだろう。汗で濡れるかもしれないので。ハハ。今回のコンサート会場であるオリンピックホールの座席が赤で良かった。Mnet「ダンシング9」でもレッドチームのマスターだから。僕は色にこだわるマスターだ。まだオリンピックホールのステージは見ていないけれど、スタンディング席で立っている観客たちにも身長に差があるので、いつも悩む。スニーカーを履いてくるようにと言いたいけど、背が低くてハイヒールを履いてくる人も時々いる。次のコンサートには企画商品として、個人用の台を作ってみようかな。

―コンサート終えて聞いた言葉の中で一番やりがいを感じる言葉は?(笑)

ミヌ:ファンの反応をチェックしていると、良かったという書き込みが残されている。その中でも「次のコンサートが期待される」というコメントが一番嬉しい。一番プレッシャーになる書き込みは「ミヌの編曲が楽しみだ」という言葉(笑) 期待してくれるファンを失望させたくない。「The M Style」とジャスティン・ティンバーレイクの原曲「SEXY BACK」を行き来する姿も見ることができるだろう。

―自分が一番カッコいいと思う瞬間はあるか?「ステージの上で踊る時」のような当たり障りない答えはなしで。

ミヌ:古い友達に「どうして僕のことが好きなのか?」と聞いたことがある。その友達が「何よりも反則をしないからだ」と答えてくれた。僕は世話好きで、励ます方だ。自分の周りに敵を作らないようにしている。他人に見せるためではないけれど、時々温かい面を見せる時がある。例えば、スタッフが苦労している時は励ましたり、悩みを聞いた時は一緒に話をしたり、そんな姿に自ら「僕って結構いい奴なんだな」「反則しない奴だ」と自分にこんな素晴らしい面があったんだなと考える。

―Mnet「ダンシング9」シーズン2で、マスターとして活動している。今後の行方は?

ミヌ:まず2勝することだ。ハハ。シーズン1の時とは違う絵を見せるためにメンバーたちを選抜している。5月中旬からサイパンで海外研修をするミッションがある。その中で1人が脱落して、9人が決まる。ヒントを与えるとすれば、今回の切り札を女性側に合わせようと考えている。ダンスおいては常に男たちが強くて、その役割も無視できないが、今回は女性のパワーや上品な面を引き出そうと思っている。楽しみだ。ブルーアイチームも手ごわい。激しい競争になるだろう。

―3月に行われた神話のコンサート直前にジャングルを行って来たが、今回のミヌのソロコンサートの直前にはサイパンに行く。2014年は本当に忙しい日々を過ごしているようだ。

ミヌ:だから、疲れた自分を癒やすためにアメリカに3週間滞在した。ハハ。ところが、アメリカで風邪を引いて体調を崩してしまい、3日も横になっていた。辛くて母の名を呼ぶほどだった。ハハ。今年の忙しいスケジュールが2014年のエネルギーになればと願っている。もっと頑張ろうという意味もある。もちろん神話が一番大切だ。事件や事故とは関係なく、今年はメンバー全員が個人的な影響力がさらに広がる1年になってほしい。僕は今走っている真っ最中だが、今後、他のメンバーたちの活躍を期待してもいいだろう。

―今回の「M+TEN」のアルバム活動で残念だったことは?

ミヌ:まだまだ未熟な部分があると思った。自分の惜しいと思うところは、“大きく変わった”という考えだ。変わったから慣れないのではなく、“インスタント音楽市場”が残念で、自分にも失望した。一曲を作るために苦労している人がたくさんいるのに、パソコンをクリックするだけで聞けるようになった現状が少し残念だ。物足りなさを埋める新たなものを作り上げるのが僕の課題のようだ。

―最近godが再結成した。嬉しかったのでは?

ミヌ:嬉しかった。その前にgodのキム・テウから電話があって、いろいろ聞いてきた。神話は今までグループを維持してきたからアドバイスした。最も重要なことは、メンバー全員の意志が合った時にカムバックすることだろう。その中で誰か意志が弱いメンバーがいたら、うまくいかない。全員の意志が強いそのタイミングがちょうど良かった。また、「みにくいアヒルの子」の曲を聞いたら、胸がいっぱいになった。昔のことも思い出し、楽屋での思い出も浮かんできた。キム・テウが僕のことを見て、身長が低いとからかっていた。ハハハハ。godは神話と同じ時期に活動した別のクラスの学生のようで、本当に友達みたいな感覚だ。

―最後の質問だ。もう一度銀髪に挑戦するつもりはないのか?

ミヌ:ハハ。僕が神話の中で一番髪の色を変えた人だ。いろんな色に染めてみたけど…… まだピンク色に染めたことはないかな?(笑) 60~70代になれば自然に銀髪になるだろう。歳を取っても健在だというところを見せたい。歳を重ねるにつれ、思うようになったことは、人々がアイドルに対して先入観を持っていると意識しながら活動してはいけないということだ。その枠を壊すことができるように先輩としてのいい姿を後輩たちに見せたい。今度機会があれば、僕たち神話が体を鍛えて、顔につけるパックではなく、シックスパック(6つに割れた腹筋)で攻略してみたい。ハハハ。

記者 : パク・スジョン、写真 : ペン・ヒョンジュン