Vol.1 ― 「スリーデイズ」チェ・ウォニョン“ソン・ヒョンジュら先輩たちの演技に震えた”

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「大人になるのはとても難しい課題だ」

俳優チェ・ウォニョンは、5月1日に韓国で放送が終了したSBSの水木ドラマ「スリーデイズ~愛と正義~」(脚本:キム・ウニ、演出シン・ギョンス)で絶対的な悪であるキム・ドジン役を演じ、背筋をぞっとさせる演技を披露した。金と権力だけを追い求める彼は、妨害する人物がいれば直ちに処理するなど様々な悪事を働いた。狂気じみた悪行を働きながらも淡々として余裕のある姿は、視聴者の身の毛をよだたせた。

チェ・ウォニョンは最近、マイデイリーとのインタビューで「名残惜しい気持ちが大きい。物足りなくて残念なのではなく、とてもいいことが多かったために終わったということ自体が残念だ。非常に素晴らしい俳優やスタッフたちとの撮影だったので、4ヶ月がすぐに過ぎた。終わってからそのようなものをもっと味わいたい、一緒にいたいという感じがする」と口を開いた。

「スリーデイズ~愛と正義~」のチームワークの良さが作り上げた作品の完成度に、チェ・ウォニョン自身も感心した。視聴率1位でもあった作品そのものをよく分かってくれた視聴者たちの気持ちと同じだったのだ。彼は「台詞の一言を修正するにしても、悩んで相談した。緊迫した状況でも、明け方まで話しながら意見を交わした。このことは苦しくて大変だというより、本当に何かに取り組んでいるような印象を与える」と明らかにした。

「簡単ではない台本だった。気楽に簡単に読んでいくことができなかった。初めに何回も読んだ。演技する立場でもそうだから、視聴者たちの方がもっと大変に感じるかもしれないと思った。しかしその一方で、とても興味深かった。新しくて面白い作品ができるという気がした。何か壮大な感じがした。ささやかだが、その中に力があった。壮大な空間でなくても、少ししか話を交わさなくても興味深かった」

毎回様々な人物たちが登場することも、視聴者はもちろんチェ・ウォニョンに興味を持たせた。演劇が好きなシン・ギョンス監督は、「スリーデイズ~愛と正義~」に舞台で活躍する俳優たちを大勢登場させた。小さな役でも重厚な演技が目立ったのもこのためだ。

チェ・ウォニョンは、「ソン・ヒョンジュ先輩、ユン・ジェムン先輩、イ・ジェヨン先輩などの先輩方の演技は、どの瞬間もとても面白かった。わくわくして緊張して、震えた。ベテランであることには理由がある。先輩たちならではのオーラがあって、興味深かった。またドラマの現場で会う機会がなかった先輩たち、同僚たちに会うことができて嬉しかった。本当にこのドラマのように、真珠のような方々がたくさん出演した作品は珍しいだろう」と述べ、「監督がしっかり把握してキャスティングしたようだ。そんなふうに一緒にできるということだけでも意味があり、人生に刻まれるべき作品だ。割合と力量はさておき、心の中に大切にしまうことができる力を持つ、意義深い作品だ」と述べた。

チェ・ウォニョンは、「スリーデイズ~愛と正義~」をすべてが行われた“黄金の畑”と表現した。自分は“黄金の畑”に行ってしばらく座っていて帰ってきただけで、黄金を着ることになった恩恵を受けた者だという。俳優が自ら準備できる環境で、その中できちんと相談することができ、キム・ドジン役がより密に描かれることができた。ゆえに、チェ・ウォニョンのキム・ドジンは格調高い悪役という評価を得て、「スリーデイズ~愛と正義~」で輝かしいキャラクターになった。好評が後を絶たなかったのは当然である。

しかしチェ・ウォニョンは、「一喜一憂しないことを学んだ」と、謙虚な姿を見せた。若い時はそのようなことに対する欲求があったが、今は一人でうまくやればいいということではないということに気づいたためだ。彼は、「『本当にうまい。演技が最高だ』と感じて気持ちが高ぶった瞬間、その人は永遠にもとに戻ってしまうことになる」と告白した。

「そのまま無感覚に考えればいい。ぱっと使い果たし、また何もない状態で初演の力で取り組んで埋めなければならない。そうすると一生懸命にし続けることになるが、その時明らかに本人の力量が出ることになる。上手や下手の問題はないようだ。空にしてまた初演の力で取り組むのは大変だ。そんなことを考えてみると、観客との意思疎通においてよい演技を見せる義務を果たさなければという責任感で、さらに努力するしかない」

「スリーデイズ~愛と正義~」でチェ・ウォニョンは、絶対的な悪人でもあったが、ドラマ自体が伝えるメッセージとは考えが同じだった。少数が尊重されて正義がある世の中に対して深く考えてみると、確かに特別な意味を見つけることができるものだと確信した。その方向性をよく取り込んで、視聴者も共感してくれたためにさらに胸が一杯になった。

彼は正義について、「大人になるというのは実はとても難しい課題だが、僕でさえも一度じっくり考えて振り返って再び考えてみる。誰もが一度は考えることだ。最近のような時代では、より身近に考えることだろう」と切り出した。

さらに、「年ばかりとって、実は心と感情がそのままである可能性もある。僕も同じだ。一度そんなことを考えてみたとき、僕とは関係がなくても、個人的な既得権、利得権には関係なく範囲を広げて関心を持って、誰も気にしなくても守りながら生活できる心構えがあった時、大人の出発ではないかという気がした。それでこそ少数のメンバーたちが集まって、集まって、集まって、少し温かく少し余裕ができて、美しいことができる環境と生活の場になるのではないだろうか」と説明した。

「急変する時代に厳しく締め付けられながら生きると、個人のエゴに合った物質主義がはびこる。そうでないような人も多い。たまに旅行に行くと感じたりもする。幸せというのが、どこにどのように存在するのか感じることができないだけで、少しだけ諦めて心を空にしてみると、生きることはそんなに苦しいことではない。そのようなことが大人の出発であり、そんな時に楽しさを取り戻すことになる。自分でそのように考えることが重要だ。『スリーデイズ~愛と正義~』も実は、脚本家のそのような意中や決心が集まって作られた作品だ。長い時間かけて準備され勇気を出してできた作品であり、また力になってくれる、意気投合した人々と一緒に手を握って作り上げられた作品である。『スリーデイズ~愛と正義~』は本当に大きな世界。韓国での小さな一つの動きだったようだ」

記者 : ホ・ソルヒ、写真 : キム・ソンジン