リュ・スンリョン主演「ポイントブランク」低迷している韓国映画界の救世主となるのか?

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写真=映画「ポイントブランク~標的にされた男~」ポスター、スチール

映画「ポイントブランク~標的にされた男~」低迷している映画界を救えるだろうか?

4月は代表的な映画界のオフシーズンと呼ばれる。メインターゲットの学生観客のテスト期間がある上に、春のおでかけが多い時期であるため、映画館を訪れる観客が減るしかない。特に今年は、旅客船セウォル号の沈没事故により映画界はもちろん、韓国全体に哀悼の雰囲気が形成されている中、映画関係者の間ではオフシーズンどころか“休業状態”という言葉まで出ている状況だ。

実際、セウォル号の沈没事故以来、初めての週末である今月18日から20日まで3日間の週末観客数は102万3978人であり、今年に入って最低値を記録した。一週間前の週末である11日から13日の観客数である143万8611人より30%、約41万人近く減った。映画界の休業状態という言葉が仮病ではないのだ。

そんな中、30日の公開を控えている「ポイントブランク~標的にされた男~」(監督:チャン、制作:Barunson)が低迷している映画界に活力を吹き込むことができるかに関心が高まっている。

「ポイントブランク~標的にされた男~」は謎の殺人事件に巻き込まれた男ヨフン(リュ・スンリョン)と妻を救うために彼と危険な同行をすることになった医師のテジュン(イ・ジヌク)、そして彼らを追う二人の刑事が繰り広げる36時間の息の詰まる追撃を描いた作品だ。「ブラッディ・ミッション」を演出したチャン監督がメガホンを取り、リュ・スンリョン、イ・ジヌク、キム・ソンリョン、チョ・ヨジョン、チョ・ウンジ、チング、ユ・ジュンサンが出演した。また、第67回カンヌ映画祭のミッドナイトスクリーニング部門に招待された。

当初、「ポイントブランク~標的にされた男~」は関係者の間であまり期待の高い作品ではなかった。公開3週間前からチケット予約をスタートさせ、その予約率は20%まで上がった「王の涙-イ・サンの決断-」より事前認知度はあまり高くなかった。様々な面により、「ポイントブランク~標的にされた男~」よりは同日に公開したヒョンビンの「王の涙-イ・サンの決断-」(監督:イ・ジェギュ、制作:チョイスピクチャーズ)にスポットライトが集中していたのは事実だ。

しかし、「ポイントブランク~標的にされた男~」のマスコミ試写会以来、雰囲気が反転する様子だ。98分間、スピーディーに展開される演出と、1000万人の観客動員数を記録した映画「7番房の奇跡」以来、復帰したリュ・スンリョンへの好評が相次いでいる。ここまで来ると200億ウォン(約20億円)の大作「王の涙-イ・サンの決断-」との対決でも十分に勝てるのではないかという意見も出ている。

謎の殺人事件で皆の標的になった男ヨフンを演じたリュ・スンリョンは、凄然とした眼差しでカメラを見抜き、中年アクションの真価を見せてくれる。妻を救うためにヨフンと同行する医師テジュンを演じたイ・ジヌクは、切羽詰まった状態に置かれた人物の感情を切実に演じ、従来のロマンチックなイメージを脱ぎ捨て、演技のスペクトルを広げることに成功した。

それだけでなく、クァンス隊の警監ソン班長役のユ・ジュンサンはこれまで見せたことのないダークな魅力をスクリーンに散りばめ、映画全体を貫く力を与える。また、ジェスチャー一つにもエッジの利いた女性刑事ヨンジュ役のキム・ソンリョンと、チック障害を持つ謎の男を演じたチング、ボーイッシュな魅力のチョ・ウンジなど、誰一人自分の役割を果たしていない人はいない。マルチキャスティングの良い例だといえる。

特に無駄のない98分という短い上映時間は、「ポイントブランク~標的にされた男~」がポップコーン・ムービー(ポップコーンを食べながら見て楽しめるような軽いテイストの娯楽映画)として持つ美徳の一つだ。リュ・スンリョンのワンシーン、ワンテイクアクションシーンから、カメラ12台が動員されたクァンス隊の突撃シーンなど、アクションシーンの演出も注目すべきだ。ミュージック監督としても有名なチャン監督の繊細なタッチが、至るところで光を放った。

このように多彩な魅力を持つ「ポイントブランク~標的にされた男~」がオフシーズンの映画界、反転のヒットを引き出し息を吹き込むことができるのかに関心が集まる。

記者 : キム・スジョン