チ・ジニ「『温かい一言』は100点満点…視聴率では表現しきれない作品」

OSEN |

“マクチャン”(日常では起こらないような出来事や事件が次々と起きる韓国特有のドラマ)が巻き起こったテレビドラマ界で密かな存在感を示した作品がある。

韓国で24日放送終了したSBS月火ドラマ「温かい一言」は、不倫の末に見つけた真の愛への考察で視聴者から支えられた。見る人は全部見たというヒット公式に従うように、「温かい一言」は2014ソチオリンピックにもかかわらず10%台の視聴率を守りぬくのに成功した。

チ・ジニはこの作品で、完璧な夫かつ父で息子だったが、不倫により揺れる家長のユ・ジェハク役を熱演した。劇の序盤でのジェハクは、一言で憎たらしいキャラクターだった。自身の不倫を堂々と話し、恥ずかしがらなかった。ましてや、妻のソン・ミギョン(キム・ジス)を刺激し、自身の感情を正当化した。序盤の不愉快だったジェハクの態度は、ミギョンと葛藤しながら少しずつ変わった。これは、20年を一緒に暮らしたが相手の本音が分からなかった夫婦が、本当の人間としてお互いについて分かる絶好の機会となった。

「本当に憎たらしいですよね(笑) そのようなユ・ジェハクを憎たらしく見せないのが最初の僕の目標でした。誰かに憎たらしく見られたい人はいないですからね。ジェハクは子供の頃から悪い、間違っていると話してくれる人がいなかったんです。同時に、理性がとても強かった。それで、自分が犯した間違い(不倫)がどれほど大きなものか、認識できなかった可能性もあると思いました。同時に、最悪の選択はしないだろうということも分かりました」

チ・ジニは、ジェハクという人物を完成させることができたことについて、パートナーのキム・ジスに花を持たせた。献身的な妻から、夫を憎悪し始め、後には離婚を求めるなど極端な感情の幅を演じなければならなかったキム・ジスのおかげで、ジェハクというキャラクターが生命力を持ったと思っている。

「パートナーの運がよかったと思います。ジスが本当にうまくやってくれました。とてもプロらしい姿を見せてくれたんです。彼女だけ見ていても感情が伝わって来て、緊張することができました。ジスと一緒のシーンでは、1回もNGを出していません。それほど、僕が緊張していたということでしょう。撮影でない時は、ジスが感情的に大変な状況なので、笑わせてやろうとしました」

チ・ジニはキム・ジスを褒めたのに続き、チェ・ヨンフン監督、ハ・ミョンヒ脚本家はもちろんスタッフまで言及しながら「温かい一言」を自慢した。100点満点に躊躇わず100点を付けた。「温かい一言」についての話になったら、必ずスタッフたちの貢献に触れた。

「ドラマが終わって、今回のように爽快ですっきりしたのは初めてです。100の案件があるなら、2~3件は問題があったり、噛み合わなかったりするのですが、今回はその100件が全部満足できたとでもいいましょうか。監督には、起伏なく現場をスムーズにリードするところで感動しました。ハ・ミョンヒ脚本家には、最初台本の心配はしなくてもいいと言われましたが、本当に台本が遅れたことが一度もなかった気がします。おかげで準備できる時間が、相対的に多かったです」

「温かい一言」は、MBC月火ドラマ「奇皇后」に押され同時間帯2位で劇を締めくくった。手堅いストーリー展開と俳優たちの好演のおかげで“ウェルメイド不倫劇”と好評を博したことを踏まえれば、惜しい成績表である。そのため、放送界ではくじ運が悪かったという声も出てきた。

「僕は、視聴率がすべてとは思いません。『温かい一言』は、視聴率では表現しきれない作品です。多くの方から共感され、見られましたから。最初ドラマ出演を決めた時から、視聴率において大ヒットするとは思いませんでした。ただ、視聴者がドラマを通じて真なるものを得ることができればと思いました。オリンピックもあって放送できなかった週もあったんですが、視聴率は変わりませんでした。それで、『見る人は見ているんだな』と思いました。僕はこの作品が、軽く(チャンネルを)回せるドラマでなかったことが嬉しかったです」

「温かい一言」で爽快に2014年を開いたチ・ジニは、今年1年ぎっしり詰まったスケジュールが待っている。韓国を超え、中国と香港で続けて出演作が公開される。今年の年末には、スクリーンでファンたちに会う計画も立てている。

「今年は、休む暇がなさそうです。2年前に中国で撮った映画『道の上で』が今年公開するんです。それで、明後日は中国に行きます。また、『温かい一言』の撮影に入る前に、シウォン(SUPER JUNIOR シウォン)と香港映画『赤道』も撮影しました。今年の冬を目処に、今後半作業をしていると聞きました。そして最後に、前向きに映画の打ち合わせを行っています。たくさん期待してください(笑)」

記者 : イム・ヨンジン、写真 : ミン・ギョンフン