「ミス・コリア」コ・ソンヒ、彼女の両面性に確信が生じる

10asia |

コ・ソンヒという女優の意外な面を確認しただろうか?

数時間に過ぎない出会いだけで、他人がどんな人なのかを判断するのは大きな誤解を招くかもしれない。しかし「コ・ソンヒという女優は両面の顔を持っていた」という言葉には、妙に確信が生じる。

インタビューの間ずっと、彼女の表情はしっかりしていた。何を考えているのか分からない顔の中に、自分だけのはっきりとした基準と自信を隠しておいたようなその表情は、MBCドラマ「ミス・コリア」のキム・ジェヒと似ていた。そして、その顔は彼女を初めて目にした映画「ローラーコースター」の日本人CA南戸とは180度違う姿だった。その大きなのギャップにより、彼女からヤヌスを発見したと自信を持って言うことができた。

―「ミス・コリア」はクォン・ソクチャン監督の次回作として大きな注目を集めた作品だ。監督は撮影現場でどんな風にディレクションをくれているのか?また、今回が初めてのドラマの撮影現場だが、それをどのように消化しているのかも気になる。

コ・ソンヒ:あ、本当に言葉に表現するのが難しい。でも、先輩たちも常に「監督は天才だ」と話している。実際に私が観察した監督も天才に近い人だ。モニターをされる途中、インスピレーションを受けて「こうしてほしい」と話してくれる。

―でも、その表現が曖昧で、撮影現場ではクォン・ソクチャン監督に慣れている俳優イ・ソンギュンが通訳をしてくれると聞いた。

コ・ソンヒ:そうだ。ソンギュン兄さんがいる時は確かに理解するのがより簡単になる。でも、いない時は難しい(笑) それに、私は初めてのドラマなのでとても緊張していたし、最初はかなり迷ったのも事実だ。

―どんな部分を迷ったのか?

コ・ソンヒ:ジェヒの役作りにおいて監督と私の方向が違った。私はジェヒを今よりもっと明るい雰囲気を持つキャラクターだと考えたが、監督はより暗い雰囲気に演じることを望んだ。

―どうしてジェヒは明るいキャラクターだと思ったのか?

コ・ソンヒ:ジェヒから実際の私と同じような姿を探す過程でそう思うようになった。ジェヒはとても寂しくてかわいそうな人だ。私も兄弟と歳がかなり離れている末っ子で、一人で留学した経験もあり、少し寂しくて独立的に暮らさなければならなかった。そうやって、私自身と似ている部分をジェヒから探しているうち、明るくて元気なキャラクターに演じようと思うようになった。

―それは、孤独な時にも明るくなろうと努力する性格という意味なのか?

コ・ソンヒ:そうだ。一人で乗り越えて、一人で選択しなければならない人生を生きてきたが、その中で他の人により明るくて元気な姿を見せようとした。

―「ミス・コリア」は初めてのドラマだ。ポータルサイトにリアルタイムで反応が来ることも初めてだと思うが、自分の名前を検索したことがあるのか?

コ・ソンヒ:データ通信料金がたくさん出るんじゃないかなと心配するほど、たくさん検索している(笑)

―最近、インターネット記事の場合、ドラマのキャラクターの名前ではなく、役者の名前でヘッドラインが書かれる。例えば、「『ミス・コリア』コ・ソンヒ、ソウル1位確定」のように、まるでキム・ジェヒという劇中の人物がコ・ソンヒでもあるように書かれる。それを見たら妙な気分がすると思うが。

コ・ソンヒ:何より私の名前を知ってくれるということに感謝している。不思議だ。面白いし。私の姿がどんな風に映されているのか確認できるのもいい。映画の場合、撮影から1年後に公開されたりするが、それとまったく違う感じがする。ただ、私が本当にミスコリアだと誤解されたらどうしようという心配はある(笑)

―ドラマでミスコリアを演じるので、実際にミスコリアの条件に合致する女優を探したと聞いた。

コ・ソンヒ:私の場合は2回のオーディションを受けた。ちょうど「ローラーコースター」が公開された時期だった。初めて出会った監督は優しかったが、2回目の時はとても鋭い目で私を見ていた。重要な選択を控えていたからだと思う。私の行動や習慣など細かい部分まで注意深く見ていた。実はこれまではオーディションの時、身長(彼女は170cmだ)が大きな障害物となった。私はまだ若いし、幼く見える容貌なのに身長だけ高くてアンバランスだと感じる人が多いようだ。でも、今回は大きな身長がかなり役立った。

―ミスコリアを演じるということは女優としてかなり興味深い作業だと思う。

コ・ソンヒ:女性のロマンという認識があるから。それに、ジェヒの真っ直ぐな性格とお洒落な点がより魅力的に感じる。

―そういえば、前作「ローラーコースター」の南戸は「ミス・コリア」のキム・ジェヒと全く違う人物なのに、キャラクターがこう繋がったのは珍しいことだ。

コ・ソンヒ:監督は映画をまだ見ていないらしい。助監督たちは私がオーディションを行う過程で見たようだ。映画を見た方が私をお勧めしたと聞いている。

―南戸は本当に魅力的なキャラクターだから、お勧めするのが当たり前だ。特に男性観客が大好きだったキャラクターだ。助演出が全員男性だったみたい。

コ・ソンヒ:全員男性だ(笑) それで「ローラーコースター」には本当に感謝している。私がジェヒに出会うきっかけとなった作品だ。南戸を演じる前は、日本人役なので心配になったのも事実だ。それでも、愛されるキャラクターになったらいいなと思ったが、本当にそうなって今も嬉しい。

―「ローラーコースター」の出演陣はまるで部活をしている学生たちを見ているような感じがしたが、「ミス・コリア」は全く違う雰囲気であるだろう。何よりイ・ミスク、イ・ソンギュン、イ・ソンミン、ソン・ソンミなど先輩たちに囲まれているから。

コ・ソンヒ:制作発表会の時も話したが、ワクワクして感謝する一方、少し怖くて心が重かった。今まで出演した作品の中で先輩が一番多いからだ。それで、気後れした。映画の時は撮影に入る前から頻繁に会って親しくなった状態で撮影に入ったが、ドラマは一人で準備し、撮影現場でリハーサルを行って撮影に入るという流れだった。また、皆ご飯を1人で食べるということになかなか慣れなかった。お互いに撮影時間がそれぞれ違うから、空いた時間に自分でパプチャ(ご飯車)に行って食べなければならなかった。それで、最初はどう仲良くなればいいのかと悩んだが、時間が経つにつれ、先輩たちの存在に感謝するようになった。先輩たちがたくさん面倒を見てくれようとする。

―その中でも共演するシーンが一番多い先輩がイ・ミスクだ。怖くなかったのか?

コ・ソンヒ:女優にとって尊敬の対象となる方じゃないか。最初はもちろん怖かった。カリスマ性溢れる方だから会う前から心配だった。でも、今の私はまさに“イ・ミスク先輩アリ”(恋の病で寝込むような)をしている。先輩が私に言ってくれるアドバイスは常にその時に必要なものばかりだ。いつも私に「より堂々と演じて」とか、「視線や行動の一つ一つを崩さないようにしなさい」という話をたくさんしてくれる。ジェヒというキャラクターを作っていくことにおいて、先輩がたくさん助けてくれた。そばで見守る先輩の姿はとてもかっこいいし、本当にプロの姿を見ている気分だ。

―ドラマでミスコリアのトレーニングのシーンが印象に残っている。実際、その時代のミスコリアはあのようなトレーニングを受けたのか?

コ・ソンヒ:脚本家が実際の事例を研究したと聞いた。たぶん、ほとんどが実際にしたトレーニングだと思う。そして、私も学生時代にモデルのトレーニングを受けた時、壁に立っている訓練を受けたことがある。

―劇中でオ・ジヨン役のイ・ヨニとライバルだが、実際のミスコリアにより近いのはどっちだと思うのか?意地悪な質問ですまない(笑)

コ・ソンヒ:私とヨニ姉さんは雰囲気が全く違う。ヨニ姉さんはとてもきれいな女優で、顔も小さいしまるで人形のようだ。一方、私は少し独特な顔だと思う。きれいなのか不細工なのかよく分からない顔だ(笑)

―ミスコリアを演じているから撮影中にも体形管理に気を緩められないと思う。

コ・ソンヒ:私は食欲が強い方だ。食べたり飲むことが好きだが、最近は我慢しようと努力している。特に、最近水着姿のシーンを撮影した時はご飯を半分だけ食べていた。でも、運動が好きで筋肉量が少しある方なので、人が1ヶ月間必要な運動なら、私は一週間だけで十分だ。普段、歩くのが好きなのが役立っているみたい。

―競争作品(SBS「星から来たあなた」)の視聴率がとても高い。忙しい中でも残念な気持ちになる時があると思うが。

コ・ソンヒ:でも、プライドを持つようになるドラマだ。見ている方がみんな認めてくれている。そして、私にとっては初めてのドラマなので、周りの反応がとても嬉しい。映画の時とはまったく違う体感温度だ。両親が何より嬉しがっている(笑)

―ドラマの成否とは別に、コ・ソンヒという女優はかなり成功的なドラマデビューを果たしたと思う。比較的早いうちに女優として位置づけられた感じがして、10asiaで2014年のルーキーに選んだ(笑)

コ・ソンヒ:あ、本当に感謝している。ルーキー登録証を見たが、実際のカードに作りたいと思ったぐらい嬉しかった。そして、この次のステップが重要だと認識している。焦らず慎重に一歩一歩踏み出したい。

記者 : ペ・ソニョン、写真 : ク・ヘジョン、翻訳 : ナ・ウンジョン