「私たち結婚しました」のプロデューサーは“女性版チョン・ジュニョン?”…夫シン・ドンヨプからもアドバイスをもらった

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人に対する関心が、良いプロデューサーの条件

人は、自分が持っていないものに憧れる習性があります。就職難の若者たちは立派な仕事に憧れ、末端の会社員は大手企業の会長になることを漠然と想像し、大きな店の社長は安定した仕事を羨ましく思ったりします。私も仕事が面白くないとき、プロデューサーという職業に憧れました。同じマスコミと言っても、何だか面白くて明るい印象があるんです。幸せの青い鳥は結局すぐ近くにいると言われますが、この企画は「他の分野に何かないかな?」という気持ちから始まりました。/編集者

自身の結婚生活が番組に大いに役立ったのだろう。9月からMBC「私たち結婚しました」の演出を担当しているソン・ヘユンプロデューサーは現在、ご存知の通りお笑い芸人シン・ドンヨプと結婚7年目のオシドリ夫婦として暮らしている。

これまでソン・ヘユンプロデューサーは制作発表会以外の場所でプライベートな話をしたことがなかった。ここで「私たち結婚しました」が良い口実になったことを告白する。ソンプロデューサーはシーズン4の半ばから番組を担当し“チョン・チョンカップル”(チョン・ユミ&チョン・ジュニョン)を作り出し、ユンハンとイ・ソヨンというかわいい組み合わせを発見した。これまでSHINeeテミン&Apinkソン・ナウンが10代と20代の初々しい感性を伝えていたが、ソン・ヘユンプロデューサーはさらに30代以上からも共感を得るための措置を取った。

家では寡黙なシン・ドンヨプ…“役に立つこともなくはない”

「(シン・ドンヨプさんとの結婚生活が)役に立つ部分があります。あるカップルを見ると、結婚前の切ない感情が見えるときもあるし、長い間ごたごたして退屈そうに見えるときもあります。そんな姿を見る度に『うちの夫婦はどんなときが良かったのか』を考えながら反映しようとします」

ソン・ヘユンプロデューサーは、夫は家では寡黙な方だと言う。意外だった。番組ではさりげなく下ネタを言い“セックスアドリブの達人”“19禁ギャグの達人”と呼ばれている彼だ。2001年、MBCに入社したソン・ヘユンプロデューサーは、放送局の先輩と周囲の友達の計略(?)でシン・ドンヨプと2005年に結婚式を挙げた。交際期間は1年6ヶ月ほどだった。

「前から知っていましたが、たぶんお互いに縁があったと思ったのでしょう。それはともかく、結婚してからは私が主にアイデアを与える方だと思います。もらうことはありません。番組のチェックもあまりしてくれませんし。だから私も夫の番組はそんなに見ません。たまに私が言ったことを覚えていて、後から番組で自身の考えのように話しています。それを見て『アドバイスした見返りを出せ』と言いました。夫は主に番組について沢山聞こうとしているようです」

残念そうに言ったが、ソン・ヘユンプロデューサーは「いざ夫が私の番組をチェックしたら恥ずかしくなると思う」と打ち明けた。妻が「私たち結婚しました」を担当することを聞き、数人の芸能人を推薦してくれた。現在「私たち結婚しました」に3組のカップルが出演しているだけに、いつでも新しい夫婦を投入する余地はある。

「色々な人を推薦されましたが、一組公開すると、元H.O.T.のムン・ヒジュンさんとホン・ジニョンさんを夫婦にしてみなさいと言われました。本当に面白そうだと思いました。ホン・ジニョンさんは今『私たち結婚しました』のパネルをしているじゃないですか。ジニョンさんは十分魅力もあって可能性はあります。ムン・ヒジュンさんとホン・ジニョンさんが共演した番組も結構ありました」

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今はバラエティのプロデューサー、今後は…“バンド音楽を扱いたい”

あらゆるところからユーモアを探し出すバラエティ番組のプロデューサーではあるが、実はソンプロデューサーは最初からプロデューサーを夢見ていたわけではなかった。専攻も独語独文学で放送とはかけ離れている。そのため、他のプロデューサーが有名になり、インタビューを受けていても、ソンプロデューサーは自身が誰かの手本になることはないと思い、断ることが多かった。

「実は父が以前TBC時代にプロデューサー試験を受けて落ちたそうです。大学の勉強を終えてすぐ就職する気はなかったし、ドイツに留学する準備をしながら色々と考えていました。その中で父からドイツ留学の目的を聞かれましたが、結局は就職でした。プロデューサーという職業があるから考えてみなさいと言われました。

私も大学時代、ある番組に間接的に参加したことがあります。そのときの記憶はそんなに悪くありませんでした。結局公開採用の試験を受けました。落ちると思っていましたが、合格しました。そのときが23歳。本当に早いですよね? 準備ができてない状態で入り、色々と試行錯誤を経験しました。だから今も私は正解になれないと(後輩に)話したりします」

そんなふうに13年が経ち、ソン・ヘユンプロデューサーはシットコム(シチュエーションコメディ:一話完結で連続放映されるコメディドラマ)、音楽番組、バラエティなどで経験を積んできた。そのうち負けず嫌いになり、挑戦意識も高くなった。これまで手がけてきた番組のうち、ソン・ヘユンプロデューサーをときめかせた番組は何だろうか。

「これまで手がけてきた番組はそれぞれ魅力があって一つに絞り込むことは難しいです。ただ、残念だった番組を言わせてもらうなら『お兄ちゃんバンド』です。そして『パパ、どこ行くの?』の直前にパイロット番組として企画した『親親』も残念です。それなりに頑張りましたが、レギュラー番組にはしてもらえませんでした

『お兄ちゃんバンド』は企画自体は良かったのですが、関係している人が多くて方向がずれてしまいました。そのときに出演していたユ・ヨンソク作曲家が、番組が終わって『まるでバンドが解散した感じだ』とおっしゃっていましたが、その気持ちが分かるような気がしました。本当に我が子のような感じでした。その番組を終えて1年6ヶ月ほどスランプが訪れてきました。愛情を注いだのにうまくいかなかったので、体も心も疲れたのでしょう」

ソンプロデューサーは「もっと年を取る前に子供と一緒にする番組、そしてバンドを扱う番組がやりたい」と話した。彼女は2012年、MBC「芸能大賞」の演出を担当したとき、インディーズミュージシャンとロックミュージシャンをステージに立たせた。

良いプロデューサーの条件は…“人への関心と普遍的な常識があること”

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ソン・ヘユンプロデューサーは、演出者の資質について話すことにはかなり慎重だった。それぞれノウハウも、価値観も異なるからだ。ソンプロデューサーは自らも普段家で何も言わずに日本やアメリカのドラマを一晩中見るのが楽しみだそうだ。ひたすら人との出会いを好むことがプロデューサーの基本的な資質ではないかと尋ねると、「人それぞれ異なると思う。分類するなら、私は“女性版チョン・ジュニョン”のような性格(チョン・ジュニョンは、暗い部屋でゲームを楽しむマニアだと知られている)」と付け加えた。

それでも彼女は、プロデューサーの資質を二つだけ挙げた。他人への関心と普遍的な常識だった。人間を対象にするだけに、常識的で道徳的な人が、良いプロデューサーになれると信じていた。

「あえてプロデューサーはこうなるべきだとは言えませんが、結局不特定多数を相手にするので、そのような価値を追求しなければならないと思います。番組が大ヒットしてもモラルに問題があれば、一部の方には大きな被害も与えかねません。常識とモラルがあればそれが防げます。誰もが気持ちよく見られるそれなりの基準を持っているプロデューサーが多くなればと思います。それから、プロデューサーが時々テロップも扱うので、正しい表記と語法は基本になるでしょう(笑)」

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記者 : イ・ソンピル