悪役専門俳優を少女時代ファンにした映画「愛のバトン」…寄付で作られ、収益を寄付する作品

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寄付で作られ、収益を寄付する作品…沢山の人々の力を集めた

一般的な制作システムと異なる方法で制作された映画「愛のバトン」がベールを脱いだ。12日、CGV往十里(ワンシムニ)店で開かれたマスコミ向け試写会で監督と俳優たちは映画への感想と意味を伝えた。

「愛のバトン」は、収益のほとんどを寄付する映画だ。ポータルサイトDaumが制作費を寄付し、収益の40%は小児癌財団に、30%は社団法人文化芸術社会貢献ネットワークに寄付される。

映画が小児癌患者のために制作されただけに、教訓的な内容になりかねないという懸念もあった。キム・ジンミン監督は「どうしてもそういった性質があるので難しい作業だったが、偽りがあってはいけない。本当の感情が伝わらなければならないと思った。映画の完成度が低下する可能性もあるが、真心が伝わればそれで成功だと思う」と話した。

劇中で元ガールズグループメンバーのイェナ役を演じたシム・イヨンは、「誰もが恋をするときとしないときの姿は違うじゃないか」と言いながら「特定のイメージに気をつけて(偽りの)感情を伝えることがないように努めた」と感想を明かした。実際にアイドルグループとして活動したこともあるシム・イヨンは「アイドルというタイトルには未だに慣れていない。ダンスと歌に慣れてない方だ。映画で“現役”ガールズグループを演じなくてよかったと思う」と本音を打ち明けた。


音楽で才能寄付

映画には小児癌を患いながらも完治した人たちで構成されたバンドが登場する。実際のモデルに基づいて映画のエピソードを構成し、予め膨大な資料も収集した。キム・ジンミン監督は「その方々に邪魔になるのではないかと心配してシナリオを先に書き、後から会った。その方々の話を聞いて映画がその方々の夢に向けた情熱をよく表現することができたと思った」と明かした。

「愛のバトン」は制作費だけでなく、様々なところから後援を得た。インディーズバンドMintgreenのボーカルであり映画に出演した女優ユ・イェイルが映画OST(劇中歌)の一部を担当した。ユ・イェイルは「(Mintgreenは)すでに三枚目のアルバムをリリースしたそれなりに長くやっているバンド」とし「演技と共にOSTにも参加できて意味深かった」と伝えた。映画のMVには歌手キム・ヒョンチョルとシンガーソングライターのシム・ヒョンボが才能寄付(自分の持つ才能を活かしてボランティア活動を行うこと)の形で参加した。

これまで悪役専門俳優として活動してきたユン・ボンギルは、劇中でガールズグループ少女時代にハマった花屋の社長を演じる。ユン・ボンギルは「ガールズグループにそれほど興味はなかったが、今回の映画で少女時代メンバーの名前を覚えるようになった。映画のために自腹を切って少女時代のダンスも学んだ。今回の映画を通じて少女時代のファンになった」と話した。続けてユン・ボンギルは少女時代に「機会があれば見てほしい」と付け加えた。

「愛のバトン」は、歌手の夢を諦めたイェナ(シム・イヨン)と小児癌を克服し、新しい人生を生きるようになったオンユ(イム・ジギュ)が出会ってから繰り広げられる話を描いた映画で、韓国で21日に公開される。

記者 : イ・ジョンミン、イ・ソンピル、写真 : イ・ジョンミン