ジャズ、スカ、レゲエ、ムード歌謡…全ての音楽ファンを魅了する韓国最強バンド「MOOD SALON」参加型エンタメ・ライブで話題沸騰中

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アーティストがフロアに降り、観客とワルツを踊る? しかも、見知らぬ者同士のカップルも生まれ、会場中にワルツの輪が花開く?……そんな未だ体験したことのない、参加型パフォーマンスから「韓国最強エンターテインメント・バンド」との呼び声高いMOOD SALONが初のジャパンツアーを敢行。7月31日から8月11日にかけ、全9会場で公演を行った。

MOOD SALONはCarol(Gtr)、Jack Scut(Key)、Amy(Vo)、World-D(Drm)、Miho(Bass)、Datura(トランペット)、Glory(サックス)、Eolla(トロンボーン)、Samba Jang(ユーフォニウム)からなる9人編成のバンド。リーダーのCarolは「祖父母の持っていた歌謡曲やジャズのLPコレクションがアイデアの源泉となり、20歳の時に今のようなバンドをやろうと思ったんだ」と明かし、構想8年を経て、2011年にMOOD SALONを結成。その間、パンソリ歌手との共同作業やスカ・バンドへの参加などで幅広い音楽性を養い、今の基礎を培った。

「60年代までの歌謡曲にあった浪漫を現代に蘇生させること」がテーマの彼らは今回のツアーでも韓国(リー・シスターズ、パティ・キム)やフランス(マージョリー・ノエル)の60年代のヒット曲をカバー。加えて、バルカン音楽とタンゴのフュージョンに韓国的情緒をまぶした「マグノリア」やサンセットの浜辺が似合うレゲエ・チューン「飛びそう」なども披露した。
ジャズ~スカの上に構築された、懐かしい香りを放つミクスチャー・サウンドは魅惑的で、メンバーのほとんどがジャズやクラシックの素養を持つため、土台に揺らぎはない。ゴッタ煮感も皆無で、間口の広さから老若男女が隔たりなく楽しめた。

音楽性だけでなく、その見せ方も◎。コリアン・ミクスチャー歌謡の決定版とも呼ぶべき「哀苦之情」では冒頭に述べたようにメンバーがフロアに降りて、オーディエンスと手をとって踊るのだが、「このタイミングでワルツ?」と驚く場面でやるものだから、会場は思わず笑顔でいっぱいとなり、もちろん、社交ダンス的堅苦しさはない。そして代表曲のひとつ「ソウルのお嬢さん」ではブラス隊がダンスレッスンを施し、その後、彼らがフロアに下りて会場が一つになってスカ・ダンスで大騒ぎ! さらにスカ・パーティーではアッパーなパーティ・セットで攻め、ムード歌謡な会場ではアコースティック・タッチなサウンドを背景にAmyが哀愁の歌声でオーディエンスを包み込む。確かな音楽性をエンターテインメント仕立てで表現し、会場の雰囲気にあわせて幾つもの表情を見せたことで、彼らは懐の深さを大きく浮かび上がらせたのだった。

MOOD SALONのステージを見れば、誰もが踊り、笑い、ハッピーになれること請け合い。「こんなバンド、見たことない!」という驚きが自然と「もう一度、また、見たい!」という思いに変わり、二度三度ライブに訪れるリピーターも珍しくなかった。その数の多さにはメンバー自身も驚いたほどで、中には参戦数5回といったファンの姿も。
年内には再来日を予定しているとのことなので、惜しくも参加できなかった方は次回をお見逃しなく!

記者 : Kstyle編集部