【コラム】BIGBANGのV.Iに言わなきゃいけないことがある ― チャン・ウチョル

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お久しぶりです。どうしたかと言いますと“BIGBANGのV.Iカムバック”との言葉ににっこり笑ってしまいました。V.Iはそういう名前だと思います。思い出すとなぜか気持ちが軽くなる。実はそれこそがエンターテインメントの基本であり、すべてだと言えるでしょう。心血注いだ最高のものを見せるが、必ずしも力を入れて深刻に表現しない、余裕といえば余裕で、お洒落といえばお洒落で、いい加減とも言える魅力まで。新曲「言わなきゃいけないことがある(GOTTA TALK TO U)」のMVとステージを、終始笑う気持ちで見ています。

「言わなきゃいけないことがある」は自ら歌詞を書いたそうですね。最も興味深かったのは「僕、今言わなきゃいけないことがある」を繰り返すものの、肝心なそれが何かは言わないことです。“V.Iらしい”と思いました。もしかすると、それを言う本人も「言わなきゃいけないこと」が何かを知らないのではないだろうか。「言わなきゃいけないこと」を本当に準備したのだろうか。欲しいのは「二人だけの時間」であるだけで、言わなきゃいけないことなど、その時になってから、その場で正直に話せばいいだろうと思っているようです。「僕、今言わなきゃいけないことがある」は「こんな僕に言いたいことはないの?」と同じ意味なのではないかとも思います。

こんなことを言っていいのか分かりませんが、V.Iは可愛いですよね。V.Iに対して常に貼られているレッテルの中に“末っ子”があるから尚更そうなんだと思います。兄さんたちに囲まれていますが、それも普通の兄さんたちではありません。あまりにもイケてる兄さんたちに囲まれ、いつも笑顔を見せているV.Iは、可愛いという言葉が自ずと出てしまいます。しかし、少し違うように見えるときもあります。妙な哀れみと言うべきでしょうか。実際V.Iをとりわけ大事に思うファンを見ると「いつも笑う末っ子」への哀れみのようなものもありました。そうであるほど、V.Iはステージ上でさらに肩に力を入れ、逞しいポーズを取っていました。

「STRONG BABY」の時も「どうしろと」の時もそうでした。V.Iはいつも率直に見えましたが、それは余裕のある男というより、余裕のあるふりをする誇張する男から感じられる魅力でした。兄さんたちがストリートとランウェイを縦横無尽に行き来する当代のスタイルのアイコンとして呼ばれる間、末っ子のV.Iは、きちんとしたスーツを着て、ピカピカに磨いたスペクテイターシューズを履き、品のあるネクタイもしていました。必要であれば花も一輪手に持っていました。そのような相反するイメージの衝突こそがV.Iならではの魅力になりました。

どうでしょう。BIGBANGは現在、韓国で“アイドル”と呼ばれるチームの中で“アイドル”という枠から最も柔軟になれるチームだと思います。そのため「アイドルの成長」という観点から見るときも、最も多様な観点が生じます。さらに、昨年「BIGBANG ALIVE GALAXY TOUR」を通じてその名前はもはや新たな軌道に乗ったと言っても過言ではありません。ソロ活動の概念も、既存の観点とは違う形で新しく見る必要があるのではないでしょうか。新しさ!最前線に立っている者として背負わなければならない負担であり、名誉です。そのような面でV.Iの「言わなきゃいけないことがある」は今、意味を持っているでしょうか。

カムバックを控え、今回の曲についてこのように言いました。「8年間歌手生活をしながら見て、学んだことを盛り込んだ曲ですが」その言葉を聞いて2つのことを思いました。BIGBANGは8年目なのか、そしてV.Iには未だに野望があるということでした。さて、今“末っ子”という言葉はステージ上のV.Iにとってどういう存在でしょうか。乗り越えなければならないこと?それともエンターテインメントの持ち味を知っている輝かしい印でしょうか。まずは、笑って楽しめるので嬉しいです。あ、作詞と作曲まで務めた「GG BE」の曲も一緒に披露していますね?まるでミュージカルのワンシーンように企画したステージが印象的でした。さぁ、それではステージで会いましょう。遊び場であり戦場というあそこで、とことんぶつかってみましょう。

文:コラムニスト チャン・ウチョル

「NAVERコラム - チャン・ウチョル編 -」では、今話題の人物にクローズアップし、コラムニストのチャン・ウチョル氏が執筆。韓国で注目が集まっている人物や出来事についてお届けします。

記者 : チャン・ウチョル