「ハイスクール・ミュージカル」から「ゴースト」まで…2013下半期ミュージカルラインアップ“勝者は誰?”

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写真=CJ E&M
2013下半期の韓国ミュージカル市場は昨年に続き「前弱後強」と言える。これは今年上半期に披露した「あの日々」「レベッカ」「ジーザス・クライスト=スーパースター」「ネクスト・トゥ・ノーマル」「こっそりいらして」「ジキル&ハイド」「モンティ・パイソンのスパマロット」「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」などの作品のクオリティが低いという意味ではなく、上半期のラインアップ以上に下半期において莫大な数のミュージカルが上演されるという意味だ。

このような流れはすでに昨年から続いている。昨年夏にオリジナルキャスティングで行われた「ウィキッド」を筆頭として、公演市場が熱く盛り上がったように、今年もまた夏を境目に初演作または、ライセンスミュージカルが人気を集めると見込まれるためだ。

「ブロードウェイ42番街」「モンティ・パイソンのスパマロット」「太陽を抱く月」「Jack the Ripper」「二都物語」「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」が6月に続き7月も上演される予定であり、「スカーレット・ピンパーネル」と「ハイスクール・ミュージカル」「シカゴ」と「エリザベート」が7月から新しく上演される。2013年下半期のミュージカルラインアップの中で「マンマミーア」及び「アベニューQ」は訪韓公演予定作だ。

7月最初に上演される作品は2日に公開される「ハイスクール・ミュージカル」である。スタービークルミュージカル(Star Vehicle、ミュージカルの種類の一つで、主に主演の役者がミュージカルをリードする)で、ミュージカル俳優カン・ドンホ、オ・ソヨンの他にも、SUPER JUNIORのリョウクとf(x)のルナ、FTISLANDのイ・ジェジンとAOAのチョアが舞台に上がる。バスケ部のリーダー出身の男子主人公トロイと、優等生の女子主人公ガブリエラの友情と愛を描いたテレビ映画をミュージカルにした“ムービカル”で、7月2日から9月1日までブルースクエア・サムスンカードホールで上演される。

6日から上演される作品には「スカーレット・ピンパーネル」がある。ミュージカルの主人公であるスカーレット・ピンパーネルは、映画のスーパーヒーローの祖先に当たるキャラクターだ。バットマンとアイアンマン、スーパーマンのようなスーパーヒーローたちが、自身の正体を隠し活躍するという設定は、スカーレット・ピンパーネルから始まったといっても過言ではない。

バロネス・オルツィの筆先から誕生したスカーレット・ピンパーネルは、日中食べては遊ぶ遊び人のように見えるが、夜はフランスの恐怖政治により命を脅かされている人々を救う、昼と夜の姿が異なる英雄の姿を見せる。パク・コニョンとハン・ジサン、パク・クァンヒョンとキム・ソニョン、Badaが出演する「スカーレット・ピンパーネル」は、プレビュー期間を除いた7月6日から9月8日まで、LGアートセンターで観客を迎える。

「スカーレット・ピンパーネル」と同じく、6日に開幕するミュージカルがある。夫を殺害したヴェルマとロキシーという2人の女性が弁護士ビリーのイエロー・ジャーナリズム(「事実報道」よりも「扇情的である事」を売り物とする形態のジャーナリズム)によりスターになる過程を、メビウスの輪のように循環した関係として描く「シカゴ」は、昨年キャスティングされたインスニとチェ・ジョンウォンに続き、今年はイ・ハニが新しいロキシーを演じる。7月6日から8月31日まで、国立劇場へオルム劇場にて観客を迎える。

写真=OD MUSICAL COMPANY
“チケットパワー”においてチョ・スンウと互角のJYJ ジュンスが出演し話題を集めているミュージカル、昨年韓国で初演した「エリザベート」である。韓国ミュージカルに皇室ブームを巻き起こした「エリザベート」は、死が擬人化され「トート」という形で登場する独特な形式のミュージカルで、女性主人公のエリザベートが子どもの頃に木から落ちた後からずっと、死に誘惑される内容を描いている。自由への渇望と死への誘惑に悩まされる女性主人公の波乱万丈な一代記を描く「エリザベート」は、ジュンスの他にもオク・ジュヒョンとパク・ヒョシン、イ・ジフンが出演する予定だ。7月26日から9月7日まで、芸術の殿堂オペラ劇場で観客を迎える。

8月には昨年韓国最大の話題作だった「ウィキッド」を勝ち抜き、トニー賞最高作品賞と脚本賞、音楽賞を手にした「アベニューQ」が訪韓公演を行う。ミュージカルが未成年観覧不可になると“チケットパワー”が減少する可能性が高い。それにも関わらずSEOL&COMPANYが未成年観覧不可として広報することには理由がある。未成年が観覧するには大胆な設定と台詞のためだ。アンドルー・ロイド・ウェバーに次ぎ、ミュージカル業界に大きな影響を及ぼした作品として評価される「アベニューQ」は、8月23日から10月6日まで、シャルロッテシアターで観客を迎える。

9月にはロックミュージカル「アメリカン・イディオット」のオリジナル訪韓公演が上演される。ロックバンドグリーン・デイ(GREEN DAY)の音楽4曲を説いていくが、ジュークボックス形式ではなく、アルバムのストーリー構図を土台にミュージカルの叙事詩を作った。ブッシュ政権への直接的な批判と痛烈な抵抗、イラク戦争への反戦のメッセージを盛り込んでいる作品だ。「アメリカン・イディオット」の反骨精神は、アルバムジャケットからはっきりと表れているのかもしれない。血まみれの手榴弾が描かれたアルバムジャケットは、ブッシュ前大統領への抵抗を絵で表現したものであるためだ。9月5日から22日までブルースクエア・サムスンカードホールで観客を迎える。

11月には“ムービカル”「ゴースト」が韓国に上陸するための準備が整えられる。故人となったパトリック・スウェイジとデミ・ムーアが主演を務めた同名の映画「ゴースト」をミュージカルにした作品だ。LED映像を積極的に活用することにより、舞台活用の視覚的効果を最大化したとの評価を受けている作品でもある。チュウォンとIVY(アイビー)、キム・ジュンヒョンとキム・ウヒョン、チェ・ジョンウォンとチョン・ヨンジュ、パク・ジヨンが出演する「ゴースト」は11月24日からD-CUBE ARTS Centerで観客を迎える。

日付が確定していない2013年下半期のミュージカルラインアップには「マンマ・ミーア!」が訪韓公演を行う予定であり、「ボニー&クライド」「グリース」「クレオパトラ」「カルメン」「ノートルダム・ド・パリ」及び「私のこの目で」などがある。「ボニー&クライド」は実在した人物のボニーとクライドの犯罪の物語を描いた作品だ。「ノートルダム・ド・パリ」はフランスで国民的ミュージカルと呼ばれるほど好評な作品で、エスメラルダヘのカジモドのナンバーが印象的なミュージカルだ。

チェコから来たミュージカル「カルメン」はオペラ愛好家には馴染み深い叙事だが、背景を現代的に脚色した作品で、アクロバティックなサーカスを見どころとしてアピールすると思われる。「私のこの目で」は作家芥川龍之介の短編小説をミュージカルにした作品で、一つの事件を巡る、異なる真実が盛り込まれた作品だ。

ライセンス作品が大挙上演されることに比べ、創作ミュージカルの下半期のラインアップは7月ソウルで上演する「太陽を抱く月」と秋に観客を迎える「バンジージャンプする」以外には見当たらないということが残念だ。今年の下半期もやはり、ライセンスミュージカルが続々と上演される一方、創作ミュージカルは検証されたミュージカルを中心に観客を迎える準備をしている傾向にある。

記者 : パク・ジョンファン