“楽童ミュージシャンスタイル”という重荷、この兄妹が心配だ

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写真=SBS

「K-POPスター2」出身楽童ミュージシャンの音楽的変質への懸念…心配なのはその懸念

正直言って、よくわからない。人々の言葉通り、楽童ミュージシャン(イ・チャンヒョク、イ・スヒョン)が天才かどうかは。確かなのは、彼らは自分の年齢に合った感性を実に絶妙に生かすことができるということだ。大人の作品を真似せず、自分の歳、自分のレベル、自分の情緒に合わせてものを書く子が、作文コンテストに必ず一人は出てくるではないか。

大人の真似をしないその堂々とした姿が、大衆には新鮮に写った。オーディション番組が求める新人の姿がすでに決め付けられていることを考えれば、まったく予想もできなかった宝物だった。みんな同じように見えるR&B唱法にこだわり、歌唱力の向上について悩むことに、この兄妹は大きな意味を感じない。誰かを真似る必要を感じないので、表現の制限などあるはずもない。制限がないのでアイデアは溢れ、音楽をする毎瞬間が楽しくなるしかないのだ。

楽童ミュージシャンはこのように、自由奔放に自分たちの考えと物語を歌に盛り込んだ。カメラの前で、様々な形で音楽を使って遊んだ。反応は爆発的だった。最終的に彼らはSBS「K-POPスター2」で優勝したが、大衆たちにとってオーディションの順位はすでに考慮の対象ではなかった。メガヒット新人が誕生したのだ。


楽しい“遊び”が“職業”になった、兄妹の音楽

家で音楽を使って遊んでいた兄妹は、このように思いがけず大衆たちの全面的な支持を追い風に、プロのミュージシャンになった。韓国でもっとも影響力のある芸能事務所YGエンターテインメントと契約を結び、CMにも出演し、有名製パン会社のプロモーション音楽「豆餅カキ氷ソング」もリリースした。音楽配信の成績も良い方だ。先日は、ドラマの挿入曲に合わせてミュージックビデオも撮った。一言で言って、成功しているのだ。

水をさしたくはないが、ちょうど株価を引き上げているこの時点で、そろそろ心配になってくる。どれほど楽しいことでも、それが仕事になれば疲れるはず。どの職業でも、お金がかかったプロの人生は、いつも辛い。ミュージシャンも同じだ。自分の感情と関係なく、ビジネスでお金を稼ぐために曲を書かなければならないこともあるし、どんなに辛いことがあっても笑顔で人々の前に立たなければならない瞬間も訪れるのだ。

非常識的な攻撃も辞さないネットユーザーたちのコメント一つ一つに意気消沈することも、意図しない言い間違いで謝罪せざるを得ないこともあるかもしれない。自分の意志とは関係なく、刺激的な記事を書き続ける芸能メディアの標的になるかもしれない。それぐらいになると、街中で自分に気づく人たちの視線が少しずつ負担になってくるだろう。このようなことは起こらないほうがいいが、それは容易いことではない。試練は、いつも自分の意志とは関係なくやってくるのだ。

有名になれば、敵はそれだけ増える。敵は自分になることも、ネットユーザーになることも、本当に身近な人になることもある。当然、様々なストレスにも毅然として対応できる高度な精神力が求められるしかない。芸能界は、それだけ荒々しい分野なのだ。すべての社会生活の真の姿でもある。30代の大人になっても耐えられないというのが世の中だ。ましてや、中高生の彼ら兄妹が今しがた始めた社会生活などどれほどのものだろうか。

スタイルの固守ではなく、音楽的な資産を蓄積すべき時期

何より心配なのは、この兄妹の音楽だ。芸能事務所に入れば彼らの音楽的なスタイルが変質するのではないかと心配していることを言っているのではない。実はむしろ、その憂慮の方が心配なのだ。人々はまだ幼い彼らに、“楽童ミュージシャンスタイル”という重い枠をはめた。様々な音楽を聞いて、あれこれ試行錯誤しながら多様な音楽的資産を蓄積すべき年齢であるのに、早くから自分たちのスタイルを固守しなければならないという重たい使命が与えられたのだ。

このように創作の幅が制限されるほど、以降作られる音楽は生産でなく消耗になる。心的なプレッシャーは膨らみ、それだけインパクトは弱くなるはずだ。そのような大衆の要求により固守した現在の音楽スタイルが、5年、10年経っても愛されるという保証もない。以前のスタイルをそのまま披露し続ければ飽きると言われるだろうし、新しい試みをすれば以前の音楽の方がよかったのにと言うのが大衆の趣向だ。そのジレンマのなかで喘いだ挙句没落したプロのミュージシャンは、数えきれないほど多い。

これまで長々と書いたが、結局心配は一つだ。兄妹が楽しんでいた遊びが、今や職業になり今後の日常は社会生活となる、決定的なのはこのすべてをあまりにも若い年齢で始めることになったことだ。今後はバスキング(路上公演)活動をしていたこれまでとはレベルとは違う悩みを抱えなければならない。モンゴルで純粋に育ったこの兄妹、果たしてうまくやっていけるだろうか。

選択には対価がつきものだという冷酷な現実をこの兄妹が理解しているのか、していないのか分からないが、どちらにせよ賽は投げられた。これからは、前進あるのみだ。仕事で力不足だと感じる時、世の中が思うように応えてくれなくても、今の選択が兄妹、ひいては家族全員の決定であることは忘れないでほしい。今後の音楽生活、何事もなく順調に進むことを、心から祈ってみる。

加えて、事務所やファンを含むすべての人々には楽童ミュージシャンを大事にしていただきたい。明らかに、それほどの価値を持つ新芽なのだ。確実に。

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記者 : パク・ジョンウォン