「私の夫と結婚して」チェ・ギュリ“ヒヨンを演じるため普段の自分の姿をたくさん観察した”

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写真=HOOKエンターテインメント
女優のチェ・ギュリが、ドラマ「私の夫と結婚して」に出演した感想を語った。

チェ・ギュリは最近、ソウル江南(カンナム)区にあるHOOKエンターテインメントの社屋でマイデイリーと会い、tvN月火ドラマ「私の夫と結婚して」(脚本:シン・ユダム、演出:パク・ウォングク、ハン・ジンソン)に関するインタビューを行った。

同作は、親友と夫の不倫を目撃した後、彼らによって殺された女性が、10年前に回帰して人生2回目を経験しながら、どん底のような運命を彼らに返す本格的な“運命開拓ドラマ”だ。ドラマ「朝鮮精神科医ユ・セプン」シリーズを演出したパク・ウォンギュク監督と、「昼と夜」で没入感のあるストーリーを披露した脚本家のシン・ユダムがタッグを組んだ作品で、女優パク・ミニョンの約1年ぶりの復帰作でもある。

チェ・ギュリは劇中、カン・ジウォン(パク・ミニョン)が所属しているU&Kのマーケティング1チームの社員ユ・ヒヨン役を演じた。ユ・ヒヨンはよく笑い、誰に対しても愛想よく振る舞うが、嫌なものは嫌とはっきりと言う性格で、カン・ジウォンの味方になる人物だ。

写真=tvN
この日、チェ・ギュリは「16部作の放送が終わりましたが、長い間私に対して思いもよらなかった関心を持ってくださいました。1月は慣れるための時間を過ごし、2月は感謝と期待が混じった時間を過ごしていました。(インタビューを受けた)今日が最終話の放送日なので、少し残念な気持ちもありますが、それでもこれまで関心を持ってくださった視聴者の皆さんに感謝する気持ちが一番大きいです」と放送終了の感想を明かした。

視聴率調査会社ニールセン・コリアによると、2月20日に韓国で放送された最終話の視聴率は12.0%で、自己最高記録を更新した。また、tvNのターゲットである男女(20歳から49歳まで)の視聴率も全国平均5.6%、最高6.3%を記録し、ケーブル及び総合編成チャンネルで同時間帯1位を獲得した。平日に放送されるドラマのターゲット視聴率が最高6%台を記録したのは異例のことである。このような人気をうけ、同作はtvNでは2019年9月の「ホテルデルーナ」以来、5年ぶりとなる褒賞休暇が与えられた。

チェ・ギュリは「視聴率が良いだろうと期待はしていましたが、褒賞休暇は想像したこともない単語でした。褒賞休暇に行くと聞いて、本当に今作が多くの方々から注目されているんだと感じました。褒賞休暇は、夢見ていたことでした」と、わくわくする気持ちを表した。

また「先輩たちと話をしましたが、本を持参して行って、ミニョン姉さんと本を読んだり、おしゃべりもたくさんして、ゆっくり休んでくることにしました。フィルムカメラで写真を撮るのが好きなので、今回はフィルムを一箱持って行って、先輩たちの写真も撮って、できるだけたくさん記憶するため、景色もたくさん撮ってこようと思っています。どのような本を読むかは、まだ決めていません。その時の気持ちによって、読みたい本を持っていこうと思います」と話した。

写真=HOOKエンターテインメント
多くの人々から愛された作品であるだけに、彼女も毎日幸せな日々を送っている。放送終了を控えていた旧正月の連休に、飛行機に乗って実家の釜山(プサン)へ帰ったところ、父親は家族が集まるとテレビをつけて「私の夫と結婚して」を流したという。みんなで集まって食事をしながらドラマを見て、様々な話を交わした。「マネージャーをさせてほしい」という叔父に、「所属事務所があって、マネージャーもいるのでだめだ」と笑って答えたという裏話も。

チェ・ギュリは「ドラマでは決まった衣装を着て、髪もセッティングをして出ているため、普段からヒヨンのような姿や表情をしているわけではありません。服も自分のものを着ますし、劇中とは異なる姿で外に出るので、気付かれないだろうと思っていたんです」とし「家族と外食した時、若い夫婦が来て『写真を撮ってほしい』と言われたことがありました。今回、友人と一緒にセブ島に旅行に行った時も、多くの方々が気付いてくださって、初めてサインもしましたし、一緒に写真もたくさん撮りました」と語った。

続けて「気付いてくださる方々がいらっしゃって、正直に言ってすごく驚きました。このように気付かれるのは、ほぼ初めての経験でした」とし「幼い頃から通っていた歯科や行きつけの焼肉屋さんの社長さんから『ギュリの第1号のサインをもらいたい』と言われ、所属事務所に入って初めて落書きのようなサインをしたことはありました。ですが、作品を見て私に気づいた方たちからサインをお願いされたのは初めてだったので、感慨深かったです。震えながらサインをしました」と回想した。

ユ・ヒヨンは漫画のキャラクターのような雰囲気を漂わせる。目を丸くして子犬のような魅力をアピールするMZ世代(ミレニアム世代+Z世代)の女性だ。セリフはもちろん、行動までハツラツとしている。カン・ジウォンを“恩人様”と呼んだり、美味しい物を食べると、速射砲のように次々と“味のレビュー”を始める。同名のウェブ漫画を原作にした作品であるだけに、ユ・ヒヨンに対するチェ・ギュリだけの解釈が必要だった。

これに対して彼女は「最初はちょっと悩みました。原作のウェブ漫画を読んで、ドラマに期待する方々は多いだろうと思いました。(ウェブ漫画が)連載されていた時に全て読んでいたのですが、今作を準備しながら、繰り返し何度も読みました」とし「ヒヨンの漫画的な表現を生かした方が良いと思ったのですが、人が演じるわけなので、異質に感じないよう、自然に演じようと努力しました」と説明した。

続けて「もともと私はテンションが高くて口数も多いので、私が一番気楽で楽しい時の姿を自らたくさん観察しました。友達と気楽に過ごしている時に出てくる表情とジェスチャー、そしてニュアンスを全てつかんでヒヨンとして演じたところ、自然な演技として見てくださいました」とし「ヒヨンと私は、似ている部分はすごく似ていますが、他の部分は結構違います」と述べた。

また「ヒヨンは基本的に人が大好きで、テンションがとても高いです。それはいつもの私のテンションではなく、本当に楽しい時です。それを表出した時の姿がヒヨンのデフォルトです。私はヒヨンより落ち着いた性格ですね」とし「ヒヨンは言うべきことをきちんと言いますが、私はあえて言わずに進む方です。でもヒヨンを演じながら、私も少し影響を受けて変わりました」とつけ加えた。

このようにユ・ヒヨンというキャラクターを演じるため、様々な準備をしたチェ・ギュリは、今作で多くの先輩たちと共演した。ユ・ヒヨンのおかげで、同じ事務所所属のパク・ミニョンはもちろん、ナ・イヌ、イ・イギョン、チョン・スミン、コン・ミンジョン、ハ・ドグォンまで、多くの先輩たちと会うことができた。2000年生まれで、2021年に韓国で放送された総合編成チャンネルTV朝鮮ドラマ「アンクル」でデビューした彼女は、「常に楽しかったですし、学ぶことがありました」と振り返った。

彼女は「先輩たちの演技のスタイルも全て見ることができて、アドリブを交わすところを見守ることができる立場でいられて、楽しかったです」とし「現場で見た時、『このように演じるんだな』と考えましたが、それを放送で見たら、目の震えやそっと顔をそむけて息をするところに演技力の高さを感じました。『これを全て計算して、テイクごとに演じているんだな』と思いましたし、細かい部分を放送でまた学ぶことができました」と話した。

自分の演技については「流れ自体が少し残念でした。このように長く演じたのは初めてだったんです。どうすれば表情が上手く収められるのか、こういった感覚も足りなくて、撮影が進むにつれて少しずつ成長していきました」とし「この時点で編集されたものを見ると、もう一度やれば上手く演じられるポイントがあるのではないかと思います。セリフがなくても、リアクションをもう少し上手くやればよかったという気もしました」と残念な部分も打ち明けた。

また「最初の撮影の時に戻ることができたら、今このように考えていることを念頭に置いて演じてみたいです。私はトム・ヒドルストンが大好なのですが、学校の先生がイギリスの王立学校に一緒に通っていたそうなんです。舞台に上がるまで、狂った人のようにキャラクターを研究して、舞台に上がると頭の中にあるものを基盤に、すべてを忘れて、ただその人として走り回り、生きているキャラクターになって演じるのが本当に印象深かったと聞いたんです。私も戻ることができたら、頭の中に全部入力して、カメラが回っている時は全てを投げて、演じたいように自由に色々と試してみたいです」と話した。

チェ・ギュリは釜山(プサン)国際中学校を卒業後、釜山国際外国語高校に進学したが、中退して韓国芸術総合学校に入学した。国連事務総長を目指していた彼女は、全く異なる女優という道に進むことになった。彼女は10年前に戻っても、同じ選択をするだろうか。10年前なら彼女は中学生で、進路に悩んでいた時だ。

彼女は「外国語を勉強する高校に進学せず、芸術高校の準備をしていたらどうだっただろうかと考えます。その時は勉強が自分の道ではないことを知りながらも、入試の勉強をして進学しました。ですがこのように芸術を目指すことになるのであれば、幼い頃から芸術の方に関心を持って、入試の準備をして、芸術高校に入って演劇をしたり、映画も撮りながら経験を積んだら、今とは異なる姿になっていただろうかと気になります。おそらく外国語を勉強する高校には進学しなかったと思います」と答えた。

さらにチェ・ギュリは、自分の夢が国連事務総長から女優に変わったのではないと明かした。彼女の夢は昔から今まで現在進行形だ。世の中に良い影響力を与え、貢献することがチェ・ギュリの夢だ。そのため、学生時代に立てた目標が実質的な権利と影響力を行使できる国連事務総長だったのだ。彼女は夢と目標を明確に区分した。

これについてチェ・ギュリは「一生懸命に勉強して入学しました。でも、ものすごく頭の良い友達が多かったので、燃え尽き症候群になりました。それなりに最善を尽くしたので、未練はないと思い、学校生活よりクラブ活動に専念しました」とし「そうするうちに創作演劇部で初めて舞台に立ちました。同じ時期に『恋のスケッチ~応答せよ1988~』というドラマを見たのですが、すごく面白かったんです。メイキングフィルムを見ながら、俳優たちがいる現場に私も交わりたいと思いました」と打ち明けた。

続けて「勉強が自分の道ではないということに気づいてから、一日も早く辞めて、本当にやりたいことを探したいと思いました。両親を説得して自主退学し、その時からやりたかったことを全部やりました。旅行に行ったり、何もせずに家にこもって映画やドラマを見たり、一人で画材を買って絵も描きました」とし「やってみたかった演技をきちんと学びたいと思って塾に登録したのですが、ちょうど高校3年生になる時期だったので、大学入試の準備を一緒に始めました」と話した。

彼女は「やりたいことがあれば、狂った人のようにやらなければならなかったですし、狂った人のようにやっていたら、ありがたいことに韓国芸術総合学校に合格できました。その後、運がよく、このように女優になったのです。女優へと夢が変わったわけではありません。私の夢は依然として良い影響力を行使できる人になることです。女優としての目標は、今年のスタートをとても幸せな形で切ったので、さらに大きな目標を夢見るのは恥ずかしいですが、ヒヨンを演じて私に気づいてくださった方々に、今年が終わる前に別の作品を通じて、異なる姿で、女優チェ・ギュリが別のカラーを持っているということをお見せすることです」と語った。

記者 : カン・ダユン