「ゆれながら咲く花」イ・ジョンソク“これだけ役柄にハマったのは初めて”

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コ・ナムスンが痛いとイ・ジョンソクも痛かった

新学期になるとナムスンも高校3年生になる。3月まで3日控えた2月26日に会ったコ・ナムスンは依然として勉強には興味が無さそうに見えたが、そのだるさが憎く感じられなかった。

KBS 2TVドラマ「ゆれながら咲く花」でコ・ナムスン役を演じた俳優イ・ジョンソクと2月26日午後1時、ソウル永登浦(ヨンドゥンポ)TIMES SQUAREのカフェで会った。ドラマが終了して1ヶ月余りが過ぎたが、彼からはまだスンリ高校のアウトサイダーコ・ナムスンの姿がにじみ出ていた。

ナムスンがどのように過ごしていると思うかという質問に彼は「高校3年生になって学校は通っていると思う。卒業後は町外れで八百屋をしているか、依然として職場で寝ているんじゃないだろうか」と想像した。イ・ジョンソクにとってコ・ナムスンは「だるく無気力ながらも切ない子」だ。

恋愛より切ない友情「フンスの顔を見ただけでも涙」

コ・ナムスンのストーリーの8割は世界で唯一頼れる存在だったパク・フンス(キム・ウビン)が占めた。中学の時、暴力サークルから脱退するというフンスの足を踏み、サッカー選手としての夢を挫いたナムスンはドラマが終わるまで、友人の許しを熱望しなければならなかった。二人が切実な涙を、それも何回も流すシーンは“友情”を越え“愛”のように見えるほどだった。

皮肉にもイ・ジョンソクの恋愛ドラマの俳優としての可能性をキム・ウビンとの共演で発見したといっても過言ではない。イ・ジョンソクも「男性と恋愛ドラマを撮った感じだ。後半ではフンスの顔を見ただけでも涙が出た」と振り返った。彼の表現を借りると、キム・ウビンは“性格が悪そうな顔をして感性が豊かな”俳優だという。

「第12~13話を見ると、ナムスンがものすごく空回りしています。また、監督が猛烈編集したものです。僕は第10話の時仲直りをして、すでにすべての感情を吐き出して全部演じたと思っていました。後でまたフンスとの仲直りシーンがあるとは思いませんでした

男同士で余りにもたくさん泣いて最後には淡々と演じようとしましたが、撮影が始まるとウビンが泣くんですよ。内容上ナムスンがもっと泣かなければならない立場だったのでまた泣きました(笑) 実は台本には“泣く”というト書きがあまりありません。やっているうちに自然と涙が出ました」

いざ恋愛の雰囲気を出そうとしたソン・ハギョン(パク・ソヨン)との愛は始まりもせずに終わってしまった。イ・ジョンソクは「半ば頃までハギョンとの恋愛ストーリーが登場する気配がなくて、最初から恋愛の感情が分からない“バカ”に方向を決めた。ただ空気のように暮らすナムスンにとって、勉強もできて綺麗なハギョンは“登れない木”のようなものだろうと思った」と述べた。そのためナムスンはハギョンの前にたつと頭を掻いた。

「モデル時代からのかわいいイメージに妥協中」

「これだけ役柄にハマって演技したのは初めてです。コ・ナムスンでいる時だけは演技を上手くやりたいし、演技が楽しいと思いました。第7話で自退書を出したナムスンがフンスに『僕が捨てたのは学校ではなく君だよ、バカ』と話すシーンがありますが、ト書きに『ナムスン痛い』と書いてありました。でも本当に痛かったです。台詞が言えないほど込み上がってくる感情がありました」

他の職業から俳優になった人がよくそうであるように、モデルからデビューしたイ・ジョンソクも“本当”の俳優として認められたい願望が強い。「フルハウス」のRAIN(ピ)や「オオカミの誘惑」のカン・ドンウォンのような俳優になりたかったが、モデルエージェンシーに所属し先にランウェイに立つようになった彼は、16歳の幼い年齢で最年少モデルとして入門した。当時は珍しかった美少年のイメージのため、彼は何人かのデザイナーたちのミューズと呼ばれた。

「モデルも流行があります。最近は痩せて身長の高い“ディオールフィット”が多いけど、僕が活動していた時はモリモリの筋肉質のドルチェ&ガッバーナスタイルが流行していました。僕と同じ年頃の中で美少年のイメージはあまりいなかったんです。今も僕はその可愛らしいイメージと折り合いをつけています。俳優として望んでいる方向は線が太く重い感じですが、ご覧のとおりまだまだ“アイドルタイプ”で美少年の役がよく似合うことは似合います。今回のドラマでは人々に僕が演技をする人というのをお見せしたくて歯を食いしばって演技しました」

人々は「25歳でドラマの主人公もしたし早く成功したじゃないか」と言うが、8~9年ぶりに回りに回ってやっと演技に足を踏み入れたイ・ジョンソクにとっては、もうだいぶ時間が経ったように感じられる。

「今の事務所に入ってからも2~3年は大変でした。仕事がないから会社から関心の対象でもありませんでした。ネットカフェに行って朝までいたり、朝目覚めて何をしようかと悩んでもう一度寝れば朝が来て。何度も辞めようと思いました。その時は死ぬほど大変でしたが、なぜ準備もせずに願うばかりで過ごしたのか少し後悔しています。いざデビューをしたら元手がなくなりました。

早くデビューしてバイトをしたことがありませんが、「シークレット・ガーデン」(2010)を撮った後、バーでしばらく仕事をしました。すぐに演技がしたいけど次の作品はなくて、ぼうっとしているのが辛かったです。それでも「シークレット・ガーデン」のおかげで「ハイキック3~短足の逆襲」(2011)に出会えたし、芸能人ではなく俳優にならなければと思った時「ゆれながら咲く花」に出会えました。次はイ・ジョンソクにこんな雰囲気もあったんだと思われるほど相反する役柄を演じてみたいです」

記者 : イ・ジョンミン、イ・ヒョンジン