「いとしのソヨン」くもの巣のような展開で、良い成功例となった

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写真=KBS 2TV「いとしのソヨン」スクリーンショット
ホームドラマの前によく付く“マクチャン” (※日常では起こらないような出来事や事件が次々と起きる韓国特有のドラマ)という肩書きを外すときが来た。ソヨンがやり遂げたのだ。

3日、国民ドラマ「いとしのソヨン」が第50話で幕を下ろした。理解と許しというありきたりなキーワードも「華麗なる遺産」のソ・ヒョンギョン脚本家の手にかかれば、変化した。演技力に定評のあるチョン・ホジン、キム・ヘオクなどの中堅俳優とイ・ボヨン、イ・サンユン、パク・ヘジンの主演たちの連携まで加わり、説得力のある感動的なホームドラマを完成させた。

33%の平均視聴率は大衆の愛と関心を証明する指標だ。しかし、「いとしのソヨン」の航海は、ただ順調だったわけではない。放送後に手に入れた成功は、底力と細やかさが生み出した結果だった。

放送開始第8話で、魔の壁30%を越えた「いとしのソヨン」の成功は、前作「棚ぼたのあなた」の七光りとKBS週末ドラマという信頼から来たものだという評価が支配的だった。さらに、家庭事情を理由に学年1位にもかかわらず高校を中退した主人公が雑草のように立ち上がり、家族の存在を隠し、玉の輿に乗るという極端な設定は、クリーンなドラマだった前作と比較され、マクチャン議論まで生んだ。

しかし、極端な設定は物語を作るためのひとつの装置であるだけで、悪用されなかった。招待客のアルバイトを通して娘ソヨン(イ・ボヨン)の結婚を祝い、娘の夫であるウジェ(イ・サンユン)を助けようと体を張っただけでなく、ソヨンのことを心配し、治療も受けずに病院から去っていったサムジェ(チョン・ホジン)の行動は、放送当時、視聴者を切なくしただけでなく、伏線としてもう一度活用された。

理解と許しをキーワードにした「いとしのソヨン」がサムジェの闘病を通して、お互いを知り、和解するという簡単な道を選んでも非難されなかったのはこのためだ。長い呼吸の利点を十分生かし、きっかけと結果を明確に描いたことが有効だった。

サムジェの腸損傷は、ウジェを助けたときに負った傷だった。サムジェの結婚式参加はサンウ(パク・ヘジン)とソヨンにとってサムジェについてもう一度考えさせ、理解させるようにした。50話という長い航海にも偶然はなかった。「いとしのソヨン」の中のすべての出会いは、必然からなるものだった。無駄なエピソードもなく、細かいくもの巣のような展開が国民ドラマを誕生させたのだ。

「いとしのソヨン」の成功は良い先例となった。蓋然性の不足を指摘されるドラマが相次ぐ今のお茶の間に、くもの巣展開ブームが起きることを期待してみる。

記者 : イ・ヘミ