ハ・ジョンウ「アクションが上手いという言葉は、本当に気持ちいい」

OSEN |

すでに数え切れないほど耳にした称賛に慣れているかと思ったが、俳優ハ・ジョンウは「アクションが上手だったという褒め言葉を聞くと、本当に気持ちいい」と笑って見せた。彼が映画「ベルリンファイル」(監督:リュ・スンワン)を通じて、一番聞きたかった言葉でもあった。

「ベルリンファイル」で、ハリウッドの「ボーン・アイデンティティ」シリーズに匹敵し、韓国アクション界のライジングスターになったハ・ジョンウ。演技しながらどんな部分に一番気を遣ったのかと尋ねると、彼は「秘密要員という設定だったので、何があっても上手くやらなければならない、それらしく見せなければならないと思った。一つ一つの動きをそのような(専門的な)人らしく表現しなければならないと思い、準備をたくさんした」と語った。

実際に、彼が演じた“ゴースト”と呼ばれる北朝鮮の秘密要員であるピョ・ジョンソンは、世界最高の実力を持っていると言っても過言ではないプロフェッショナルな殺人兵器だ。ハ・ジョンウは、アクションスクールの人々と同じように動くため最大限の努力を行い、チョン・ドゥホン武術監督から体の使い方、武術だけでなく細かい動き一つ一つを教えてもらうなど、アクションに最も力を入れたと話した。チョン・ドゥホン武術監督が、なぜこの分野で類い稀な存在なのかも知ることになったという。彼はチョン・ドゥホン監督に対し「アクションの組み合わせと編集を作り出すアイディアに本当に驚いた」と感心してやまなかった。

映画で拳銃を撃ち、激しいアクションやワイヤーアクションを披露するハ・ジョンウだが、チョン・ドゥホン監督は彼が意外と怖がりだと言った。これに対しハ・ジョンウは「いいえ、疑り深い性格なだけだ」と答え、笑いを誘った。

ハ・ジョンウは、「僕はもともとジェットコースターに乗ることも嫌いだ。疑り深くてワイヤーをダブルチェックしただけだ。ハハ。チョン・ドゥホン監督には、毎日それでからかわれる」と言いながら笑った。

このような疑い(?)を克服したアクションは実を結んだ。ハ・ジョンウは、新しく得た“アクション俳優”というタイトルがとても嬉しいと話した。彼は、「アクション俳優というタイトルは本当に嬉しい。このようなアクションシーンをこなし、また、上手くやったと言われるときが一番気持ちいい。実は、一番聞きたかった言葉だった。40人のアクションチームが投入され、本当にすごく準備した。このチームがこのまま映画「群盗」(次回作)も練習している。本当にこの映画の隠れた一番の功労者は、アクションスクールの皆さんだ。難度の高いアクションも信頼して任せられる方々だ」とアクションスクールチームに功績を回した。

アクション以外にも話題になったのは、すでにハ・ジョンウを語る時には欠かすことのできない“食べるシーン”だ。観客300万人突破記念として、カットされていた彼の食べている映像が公開されるほどだった。

これに対しハ・ジョンウは、「一度も食べるシーンを意識したり、おいしそうに食べなければならないと思ったことはなく、それが話題になるとは想像もできなかった。しかし、観客の方々が面白いと言ってくれたので『ベルリンファイル』の時は少し意識した」として、「ベルリンファイル」撮影当時、このような“食べるシーン”で経験したジレンマを聞かせてくれた。

「シナリオの設定では、ただバゲットを食べるとなっていたが、食べるシーンを意識してバゲットだけ食べれば、作為的に見えると思い、『実際には、ジャムを塗るほうが正しい』と思った。食べる演技も、リアルな感じを与えなければならない。実は、食べる演技も全て状況の流れがある。映画『黄海』の時は、海苔を食べるシーンが相手の話を切るもので、『悪いやつら』の時は、『座ってもいいのか』というチェ・ミンシク先輩の言葉への拒否の意味で焼酎でうがいをしたわけだし。食べることもコミュニケーションの一つのポイントになると思う」

口を大きく開けるので、よりおいしく見えるのではないかという反応には、「チェ・ファジョン姉さんからは『あなたは顔が大きいことに感謝しなきゃ。顔が大きいことで表情演技がさらに目立つし、上手くやっているように見える。あなたはそれを長所だと思わなければならない』と言われたことがある」と語った。続いて「実は、僕が一般的なサイズで他の俳優が小さすぎるのではないか。男の顔ならこれくらいのサイズはないと。ハハ。」と付け加えた。

次回作である時代劇映画「群盗」では、クッパを一度食べて欲しいというファンからの希望があることを伝えると「クッパでなくとも食べるシーンがあると聞いた。僕も気になる」と答えた。

現在撮影している映画「テロ,ライブ」では、“口アクション”を見せると言った。「世の中に簡単なことはない。キャスター役だが、1ページから94ページまで全部言葉のアクション、すなわち口のアクションだ」と話し「ベルリンファイル」とは全く違う演技の雰囲気を匂わせた。

ハ・ジョンウは、2005年ドラマ「プラハの恋人」から「ベルリンファイル」まで、この7年間ほとんど休まず演技を行ってきた。演技が遊びで、演技が休息で、映画の撮影現場そのものが好きだという彼には、このような多忙さが当たり前だという。さらにより一層充実させるために、初めて長編映画の演出にまで挑戦した。俳優リュ・スンボムが体験した話を原案にして作った映画「ローラーコースター」がその作品だ。一言でいうと、情熱の象徴である。

「『ベルリンファイル』を終えて休暇のような数ヶ月の休みをもらった。旅行に行くか、短期の語学研修に行くか、絵を描くかなど、色々なことを考えながら計画を立てた。北京、パリ、ニューヨーク、サムイ島など、行きたい国を具体的に考えたり、いろいろな国に寄って帰ってくるコースにしようかとも悩んだりした。そうでなければ、非公式の韓国一周をしようかとも思った。でも、あまり惹かれるものはなかった。何をしようかと悩んでいた僕は、『7年間走ってきたのに、また新しく走り出すためのエネルギーはどこから出るのだろうか?俳優として一番大変な部分とは何か?』と思った。最も重要なのは監督とのコミュニケーションだった。自ら頑張るためには『自分で一度映画を撮ってみよう』という気になった。もちろん、本当に簡単なことではなかった。投資会社からは全部断られ、周りから中傷されたり駄目だと言われたりしたが、ある日散歩に行った時、『世の中に不可能はなく、それを可能にするのは挑戦する人』というメッセージが書いてある看板を見て決心した。演出作業を通じて俳優として持っていた未成熟な虚栄心を完全に捨てることができた。新人の時、オーディションを受ける時の気持ちに戻ったような気がする」

ハ・ジョンウ、これから私たちにどれだけ多くのものを見せてくれるのだろうか?

記者 : チェ・ナヨン