【バラエティレビュー】「Moonlightプリンス」3回目にして本格的な軌道に乗るのか

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ゲストと司会がハーモニーをなした「Moonlightプリンス」の今後を夢見よう

写真=KBS
番組の成功のための、最も簡単で正しい道は何だろうか。それは、できるだけ無駄を省き、本来の趣旨を上手く活かして行くことではないだろうか。「ホドン&チャンミンのMoonlightプリンス」(以下「Moonlightプリンス」)が3回目でその道に少しずつ近づいている。

原則を守ること、簡単ながらも難しい課題に一歩近づく

司会者が多い番組では、それぞれのキャラクターが自然に溶け込むことが何よりも重要だ。しかし前回までメインMCのカン・ホドンは、終始オーバーアクション状態で、タク・ジェフンのトークは居場所を見つけられずにいた。残りの3人の司会もまた、大げさなリアクションをしただけで、視聴者との共感には失敗したという評価を受けざるを得なかった。

「Moonlightプリンス」は「本」をテーマにしているが、今までその本質を見つけられずさ迷う様子だった。司会者とゲストのトークは、雑談レベルに過ぎず、テロップもまた雰囲気を落ち着かせるよりは、煩雑にするだけだった。番組の趣旨が活かされず、視聴者の批判が相次いだ。その中で「本」はただの番組の裾野を広げるための道具に過ぎなかった。

5日の第3話の放送では、ついに「本」が主な内容となり、「トーク」がそれを支える状況が作られた。本の内容から出題した問題を当てる過程で、司会者とゲストが経験談を交わしたが、それもまたテーマから大きく離れず、無理なく行われた。最大の満足を導いたわけではないが、軟着陸への一歩を踏み出したこと。

このようになったことには、ゲストのイ・ボヨンの力が大きかった。彼女はフランソワ・ルロールの「幸福はどこにある‐精神科医ヘクトールの旅」という本を視聴者に紹介した。今まで台本よりも本をたくさん読んだとした彼女は、それを証明するかのように4問を全て当てる実力を見せた。番組の密度を高めることに貢献したのは、彼女の真面目さだったのである。原則を守ることより良い成功の秘訣はない。


トークの質の向上とレベルの問題、どう調節していくのかがカギ

成功の条件は一つずつ揃えているものの、トーク内容の質の向上とトークのレベルに関する問題はこれから解決しなければならない。前者は第3話を見本にして、選定された本に徹底して重きを置き、そこにそれぞれの哲学を盛り込めば問題ないだろう。しかし、問題は後者の場合だ。

「Moonlightプリンス」では毎週一定レベル以上の下ネタがたびたび出てくる。15歳以上視聴可能の番組だが、一部では番組の視聴制限レベルを19にすべきだと提起されている。行き過ぎの下ネタではなくても、たびたび眉間に皺を寄せたくなるという意見もある。「本」がテーマなので、公益的な部分に配慮すべきではないかという指摘も多い。

タブーのあるバラエティほどつまらないことはないだろう。笑いの素材に制限が出来ることは、お勧めしたくはない。しかし、常にそうであるように、コミュニケーションのない一方的な進行は無理をもたらす。番組の発展のためには少数の意見であっても参考の対象にする、開かれた態度が必要だ。

バラエティが単純に笑って騒ぐことから、一定の形とテーマを取り揃えたのは最近出来た傾向だ。それはもはや司会とゲスト個人の力量に頼ることが、限界に達したこととも解釈できる。最近始まった「Moonlightプリンス」と「リアル体験プロジェクト-人間の条件」などがその良い例だと言えよう。

これからは充実したコンテンツを作った方が、数多くある番組の間で更に輝けるのではないだろうか。視聴者の楽しいチャンネル選択のために、制作スタッフの努力が求められる時点だ。

記者 : ハン・ギョンヒ