イ・シヨン「ランニングマン」で見せた女優の“バラエティ取扱説明書”

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写真=SBS

壊れてさらにきれいになった女優

リングに上がれば大胆なファイター。しかし、リングの外では抜け目だらけ。韓国で2月3日に放送されたSBS「ニュー!日曜日は楽しい-ランニングマン」は、このような共通点を持っている秋山成勲(韓国名:チュ・ソンフン)とイ・シヨンがゲストとして招待された。総合格闘技界でヤチュ(前世でヤスール火山に住んでいて、ヤスール火山とよく似合っているという意味)というニックネームを持っている秋山成勲は言うまでもなく、最近ボクシング選手として仁川(インチョン)市庁ボクシングチームに入団したイ・シヨンまで、歴代最強のゲストと言えるものだった。

二人のゲストの身を辞さないレースのおかげで、この日の「ランニングマン」は終始迫力が溢れた。特に、イ・シヨンが見せた活躍は、バラエティに出演した女優の在り方を見せる定石のようなものだった。彼女が見せた女優の“バラエティ取扱説明書”を見ていきたい。

“カッ”とならない…最善を尽くしてこそ輝ける

「ランニングマン」だけではなく、最近のリアルバラエティなど、バラエティ番組に出演する女優には1つの共通点がある。身近で素朴な姿を見せるために“カッ”と怒ったり、これまでの女優として持っていたイメージと相反する姿を見せて人々の好感を持たせようとする点だ。これこそが女優がバラエティ番組に出演する最も大きな理由の1つだ。

イ・シヨンの出演もこれと無関係ではないと思った。近いうちに彼女が出演した映画「男子取扱説明書」が公開され、また最近アマチュアボクサーとして仁川市庁に入団しただけに、プロモーションと話題性を念頭においたゲストだと感じられた。彼女のカッとなる姿を見るのは時間の問題だと思った。

しかし、カッとなる姿はなかった。ユ・ジェソクとチ・ソクジンなど「ランニングマン」のメンバーが下手なボクシングポーズで笑いを誘いイ・シヨンをからかった時、彼女はかえってはにかんだ。普通なら怒ったり、声を上げそうなシーンで彼女は「止めてください~」とはにかむように言っているだけだった。

その代わり、彼女はウォーミングアップレースと座布団クイズミッションで誰よりも強い勝負欲をアピールした。男性たちとの激しい揉み合いも辞さず、反則を堂々と主張する図々しさも見せた。相手が先に正解を言うと、綴りを当てるように意地を張る姿は、“挑戦のアイコン”イ・シヨンではなく、一人の芸能人がいるだけだった。

吹くと砂のように飛んでいきそうな“黄砂知識”による屈辱もあったが、彼女は勝負を競うゲームでは何より最善を尽くすことこそが自身を輝かせる最高の方法であることを身を持って証明した。


壊れることを恐れない本当の女優

「ランニングマン」は番組の特性上、体をたくさん使わなければならない。走るのは基本で、互いに絡んで揉み合っていると、意図しない姿を捉えられる場合が多い。屈辱的な姿はもちろん、イ・グァンスの専売特許と言える“下着露出”も頻繁に起きる。そのため「ランニングマン」は女優にとっては大変な番組だと言わざるを得ない。女優の基本とも言える可愛いふりもできない上に、イメージ管理も容易でないためだ。結局、何もかもを諦め、番組に身を任せるのが一番だ。

「ランニングマン」のエースソン・ジヒョが視聴者から大きな支持を受けるのも彼女が女優であることを諦めてまで番組に溶け込んだためだ。壊れることを恐れない姿勢、この日干潟相撲で見せたイ・シヨンの驚くべき活躍がそうだった。顔全体が泥だらけになり、誰なのか見分けもつかない状況で、彼女は転んだり干潟に足が沈んでしまうことよりも勝負そのものに集中した。

テレビに顔がどう映るかよりも、その瞬間チームのために自分にできるすべてを見せたのだ。正面対決を通じてハハとユ・ジェソクを押しのけたことや、意図せずイ・グァンスの急所を打ったのは、彼女の壊れることを辞さない姿勢が生んだこの日の最高の活躍だった。

寒い中、干潟で行われた突拍子もない相撲試合。大変な状況であるにもかかわらず、イ・シヨンの目は終始輝いており、顔についた泥も笑顔を隠すことはできなかった。この日、イ・シヨンは誰よりきれいだった。女優であることを諦めてこそ、よりきれいで壊れる時にさらに輝くことをイ・シヨンはすでに知っていた。そう言えば、イ・シヨンは唇が腫れて目にあざができていても誇らしくボクシンググローブを上げていた、堂々としたボクサーだった。


本当のリアクションで愉快さを増す

この日、イ・シヨンが見せた“バラエティ取扱い説明書”の最後の部分はリアクションだった。自身を目立たせるために勝負にこだわったり、バラエティの楽しさのために自身の台詞に欲を出すとおろそかになりがちだが、番組の成功のためにリアクションは欠かせない重要な要素だ。

完璧に番組にハマり込んだイ・シヨンは、リアクションも素晴らしかった。チ・ソクジンの自作曲に合わせてサビを一緒に歌ったり、メンバーたちの幼稚なボクシングコメディに合わせて1回ずつ腕をぐんと伸ばして嘆声を誘った。自身のボクシングの実力について威張ることなく、必要な時に1回ずつ披露して雰囲気を盛り上げたのだ。また、最後の名札を奪い合うミッションで同じチームのメンバーであったキム・ジョングクのために最後まで声を上げて「ファイト」と唱えるなど、この日番組を通してメリハリをつけた。結局、最終的にイ・シヨンチームが優勝を果たしたのは、決して偶然の結果ではなかった。

また、イ・シヨンは「ランニングマン」撮影当時、足にヒビが入る怪我をした中でも痛み止めの注射を打ち、番組の収録に参加したという。一見過度なスケジュールだと考えられる部分だが、それにもかかわらず彼女は闘魂をアピールしたのだ。

この日彼女が見せた“バラエティ取扱い説明書”を一言で表現するとしたら、“真心”ではないだろうか。今後もボクサーと女優として素晴らしい挑戦を続けていく彼女の眩しい活躍を心から期待したい。

記者 : パク・チャンウ