韓国芸能界、今は役者と歌手の時代

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2012年の芸能大賞から見たバラエティ界…お笑い芸人より役者や歌手が目立つ?

12月22日に行われた「2012 KBS芸能大賞」をいくつかのキーワードで表現すると、「ギャグコンサート」や「国民トークショー アンニョンハセヨ」の人気、役者たちの大活躍などを挙げることができる。ショー・娯楽部門女性最優秀賞のイ・ヨンジャ、男性優秀賞のCulTwoを除けば、役者や歌手たちが多くの賞を受賞した。

「2012 KBS芸能大賞」の他にも、これから開催される「2012 MBC放送芸能大賞」や「2012 SBS芸能大賞」も役者や歌手たちの躍進が続くと見られる。今年の半分以上、公共放送死守を掲げたストライキが続いたため、長年マニアに愛され続けてきた「無限に挑戦」や「黄金漁場-ラジオスター」以外には特に目立つ番組のないMBCの場合、アイドルのMBLAQ イ・ジュンやZE:A グァンヒ、そしてDefconn(デフコン)などの活躍が目立った。

一方で「ニュー!日曜日は楽しい」のコーナー「ランニングマン」「キム・ビョンマンのジャングルの法則」「K-POPスター」で日曜日の夜の視聴率の王者になったSBSバラエティ番組のブームの中心には、有名歌手や役者がいた。シン・ドンヨプとともに「強心臓(カンシムジャン)」のMCを務めるイ・ドンウク、「ヒーリングキャンプ~楽しいじゃないか~」のハン・へジンも、今年の「2012 SBS芸能大賞」」で注目すべきタレントである。

写真=KBS

彼らはなぜバラエティ番組にチャレンジするのか

過去にはお笑い芸人だけの領域と思われていたバラエティ番組に役者や歌手が登場し始めたのは、リアルバラエティが脚光を浴びた2000年代後半からである。その前もMBC「カン・ホドンのベストカップル」や「同居同楽」、SBS「日曜日は楽しい-Xマン」などのバラエティ番組に役者や歌手が時々出演していたが、彼らがMCを務めて番組を進行することは珍しいことだった。

しかしMBC「無限に挑戦」、KBS「ハッピーサンデー」のコーナー「1泊2日」「男子の資格」、SBS「ニュー!日曜日は楽しい」のコーナー「ファミリーがやってきた」「ランニングマン」など、リアルバラエティが人気を集めてから、お笑い芸人だけではなく従来はバラエティ番組と縁遠く見えた役者や歌手が相次いでレギュラー出演するようになった。さらにバラエティ番組のトレンドがリアルバラエティから、Mnet「SUPER STAR K」シリーズ、MBC「日曜の夜-私は歌手だ」「偉大な誕生」、KBS「不朽の名曲-伝説を歌う」、SBS「K-POPスター」など、音楽オーディション番組に変わり、歌手たちがお笑い芸人の代わりにバラエティ番組の中心になる時代が訪れた。

歌手や役者のバラエティ出演が相次いでいる理由として、過去に比べ芸能界におけるバラエティ番組の高まった存在感を挙げることができる。また人気バラエティ番組に出演して目立つと、視聴者から注目され人気も上がるということが、彼らがバラエティ番組に出演する大きな理由であると思われる。

さらにトーク番組にゲストとして出演し、爆笑トークを披露することにとどまらず、様々なバラエティ番組にレギュラー出演することを希望する役者も少なくない。「1泊2日」に出演し、好青年のイメージで大きな人気を博しているイ・スンギや、「ランニングマン」で親しみやすいキャラクターで愛されているソン・ジヒョはそのいい例であるだろう。

イ・スンギやソン・ジヒョの他にも、「1泊2日」のキム・スンウ、チャ・テヒョン、オム・テウン、キム・ジョンミン、ソン・シギョン、チュウォン、「男子の資格」のチュ・サンウク、「ランニングマン」のイ・グァンス、キム・ジョングクなどは、過密なスケジュールの中でも積極的にバラエティ番組に出演する役者や歌手である。そして「2012 KBS芸能大賞」は「1泊2日」や「キム・スンウの乗勝長駆(スンスンチャング)」に地道に出演してきたキム・スンウにショー・娯楽部門の男性最優秀賞を、チュ・サンウクとチュウォンには同部門の新人賞(男性)を授賞した。また現在KBSシットコム「ファミリー」に出演しているファン・シネには同部門の女性優秀賞を授賞した。

「2012 KBS芸能大賞」のコメディ部門以外で多くの賞を受賞した彼らの躍進は著しい。レギュラー陣がお笑い芸人だけ出演しているバラエティ番組(正統派コメディ番組を除く)は、KBS「ハッピートゥゲザー3」と「アンニョンハセヨ」しかないことを考えると、役者や歌手がお笑い芸人をおさえ芸能大賞の主役になるのは、驚くべきことではない。

ジャンルの壁を越えて、脱ジャンルを目指すポストモダニズムの時代において、お笑い芸人、歌手、役者などを区分するのも容易ではなくなった。お笑い芸人としてテレビ局に採用されて芸能界にデビューした人であっても、過去にカリスマ性溢れた役者であっても、今やバラエティ番組に出演して視聴者を笑わせれば、それでいいのが最近の芸能界である。

“ケガス”(お笑い+歌手、歌手活動を並行するお笑い芸人)が登場し、芸能界の全分野で活躍するエンターテイナーが脚光を浴びる時代。数日後に行われる2社の芸能大賞でも役者や歌手の躍進は続くだろう。

その中でKBSは「ギャグコンサート」の人気のお陰で、お笑い芸人たちが芸能大賞で華麗なスポットライトを浴びたが、話題に上がるようなコメディ番組のなかったMBCとSBSでは、役者や歌手がより芸能大賞で中心になると見られる。

お笑い芸人の祭りであるはずな芸能大賞で、各テレビ局の採用試験をパスしたお笑い芸人が後回しにされているのである。2013年からは役者や歌手だけではなく、様々な分野で目覚しい活躍を見せるお笑い芸人が増え、KBSのように芸能大賞の主役になることを願う。

記者 : クォン・ジンギョン