キム・アジュン「女優と日常生活の両方を充実したい」

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ギリシャ文字の1番目と2番目の文字であるアルファとベータを合わせて、アルファベットという言葉ができたという説を思い浮かべてみる。またアルファは「始まり」を、オメガは「終わり」を象徴する言葉でもある。それではベータは? よく分からない。とにかくインタビューを通じて、スターの始まりと終わりを全て知り尽くすことはできない。実際、映画の話だけでもギリギリな時間だが、新しいことが無いのも事実だ。そこでスターの周辺の話をしてみたいと思った。誤解はしないように。排他的(韓国語でベータと発音が同じ)ではなく、ベータ的だ。スターに対する格別な愛情を盛り込んだという意味でもある。もちろん、映画の話も登場する。/編集者注

写真=マイPSパートナー文化産業専門会社

キム・アジュンの映画復帰作「マイPSパートナー」とにかく嬉しい

「『マイPSパートナー』正直いやらしくありませんか?」映画の話の途中、キム・アジュンは突然このように尋ねた。正直に答えると、いやらしいのは事実だ。ビョン・ソンヒョン監督の好みである前に、男性のファンタジーを描いたようなこの映画、飲み会で酒の肴に登場しそうな“テレフォンセックス”がテーマだ。ここに巻き込まれた男と女にもまた、お互いに「こうだったら良いのに」との考えが反映された。ありきたりのように見えてもそうではない。有り触れたラブコメの公式から逃れようとした監督の努力が目立つ作品だ。

ドラマ「サイン」で闇のオーラを放っていたキム・アジュンは、平凡で明るいキャラクターを求めていた。韓国映画にも3年ほど出演していない時だった。そこで選択したのがこの映画だ。露出または題材に対する負担がありそうな気がした。「作品を選択するときは、面白いかどうかだけで判断します。私のイメージや他の部分はあまり考慮しません!」キム・アジュンのスッキリとした答えだった。


知りたかった……キム・アジュンの恋愛スタイルは?

清純でか弱いタイプまではないが、この女、かなりいらいらする。彼氏に対する不満も、あえて表現せず、心の中に貯めておく。男が自身から離れるのではないかと焦る。服のセンスも良いし、性格も良いのに、どうして! これもまた、監督中心のファンタジーなのではないかという質問に、キム・アジュンは同意した。

「監督が持っている理想のタイプを、私に強要したようですが(笑) ニットも短いものばかりだったし、性格的な面でも私が演じたユンジョンという役は、どこか優しく、受け入れてくれるキャラクターじゃないですか。

でも、映画のような恋はしたくありません。楽な感じの、私だけを見てくれる方がいいです。ユーモアですか? 面白い方であればありがたいです(笑) 実際の恋愛では、私のほうが焦るタイプです。最初は相手が私のことを好きになってくれますが、逆転されてしまいます。不満があっても率直にアピールするほうではありません。むしろ相手がイライラして事実を告白します。その不満を解決してくれないと爆発します。どうなるかって? その人の前から消えます。性格だと思います」

恋人であれば心を打ち明けて不満でも何でも話したほうが良いとアドバイスすると、相手に小言だと思われそうでそうしないと言う。「彼女ではなくお母さんの姿を見せるようだ」としながら、「まだ適切な線が良く分からない。男の人のことは本当に分からない」と付け加えた。同意する。しかし、私もまた女性のことが良く分からない。


歌手の夢、チアリーダーまで志願……キム・アジュンのタレント性はどこに?

元々キム・アジュンには歌手の夢があった。よく知られている事実だが、高校生のときはあちこちでオーディションを受けたし、芸名もあった。「エイ・ジュン」という。この事実を言及するとキム・アジュンは恥ずかしいと言いながら手を振った。

「歌手になりたいというよりは、演技も歌もしたいのに、歌が先であればまず歌手としての活動をやってみるのが良いと思いました(笑) 中高生のとき、私は人前で歌うタイプでした。体育祭では必ずチアリーダーをする性格でした。子どもの頃のほうがタレント性が豊富で活発だったと思います。今は大分丸くなりました。子どもの頃はナルシシズムのようなものがあったんですが、大人になったんですね」

消防車(ソバンチャ)、パク・ナムジョン、イム・チャンジョンの歌が好きで、Roo'Ra(ルーラ)とパク・ジニョンのダンスを真似ていた頃だ。キム・アジュンと同じ年頃であることを強調した。1990年代が歌謡の黄金期だったと声を高める姿が嬉しかった。しかし、今のキム・アジュンは、他人との関係において慎重で、人見知りをする様子であった。その、溢れていたタレント性はいったい、どこに行ったのだろうか。

「シャイで慎重な姿が無くなる時期が、演技をしているときです。試写会やCM撮影のときではなく、演技をするときに、人の目を気にせず集中します。私の子どもの頃の性格が移るようです。今はこれが良いです(笑)」


キム・アジュンは今安らかだ……女優と日常生活の両方を充実したい

最近キム・アジュンは1人でニューヨークに行って来た。撮影が始まる前だった。英語の勉強もして、見たかったブロードウェイの公演も見た。一人旅の怖さとときめきを感じるその瞬間が良いと、旅行のエピソードを伝えた。

一人旅、そして家でのDVD鑑賞、グルメ旅はキム・アジュンが追及する日常の楽しさだった。その裏には、昔悪戯っ子だった自身への反省も盛り込まれている。

「無駄な悩み事が減ったような気がします。前はミスと私が受ける傷にびくびくしていたとすれば、最近は大分余裕ができたと思います。それに比べて仕事に対する責任感は重くなりました。だからと言って焦ったりはしません。人間キム・アジュンに充実したい気持ちと言いましょうか。子どもの頃は役者になりたかったし、常に夢に浸っていました。今は仕事でも私の多彩な面を見せたいですが、人間キム・アジュンとしても、嗜好を探して、目標を立てて、一つ一つ成し遂げて行きたいです」

記者 : イ・ジョンミン、イ・ソンピル