【専門記者コラム決算】2012年の人々

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いつも年末になると“多事多難な一年”だったと言われるが、今年ほど慌しさを感じさせた年があったかと思う。この特別な一年について、NAVERコラムを掲載しているチョン・ソクヒ、チャン・ウチョル、カン・ミョンソクの3人が「2012年の人々」を取りまとめた。

2012年、待ちに待った人

ノ・ヒギョン、キム・ユンチョル:私の好きな、待ち遠しい人々が復帰した点で幸せな一年だった。ノ・ヒギョン脚本家の作品、JTBC「パダムパダム~彼と彼女の心拍音」を見ることができて良かったし、キム・ユンチョル監督の「私たち結婚できるかな?」を見ることができて嬉しい。やっぱり!と感心させられる。tvN「イニョン王妃の男」でソン・ジェジョン脚本家の作品に再会したのも良かった。(チョン・ソクヒ)

イ・ヨンエ:テレビの前や劇場で、何か物足りなさを感じると「これって全部イ・ヨンエがいないからだよ」と言い張ったりした。昨年イ・ヨンエが「暮らしが全部同じって、それこそ嘘ですよ」と、数編のCMシリーズにしばらく出演したときの“満足感”を覚えているので、なおさらそうだと思った。これからどれだけ長く待たなければならないのか分からないけど、我慢できる。戻ってくるのがイ・ヨンエなら!また、パク・チャンウクとポン・ジュノ監督も待っていた。「火車」「建築学概論」「ウンギョ」「王になった男」「10人の泥棒たち」……。今年の韓国映画にヒット作が多く、私も観客数1千万人の中の1人としてそれなりに楽しんでいたが、何か物足りなくて、彼らが待ち遠しくて仕方なかった。もしかして、待っているのは“映画らしい映画”なのかな?(チャン・ウチョル)

「TOPバンド2」のバンドたち:TOXICとPOEなどを発掘した「シーズン1」は希望であり、「シーズン2」にPiaとTHE KOXXが出演すると言ったとき、バンドをする人々にとって一つの転機になるかもしれないと思った。既存バンドが審査委員の前で評価される状況は残念だったが、それだけバンドの音楽を知らせる機会が切実だったのも事実だから。このバンドたちがKBS 2TV「TOPバンド2」を通じて人々に実力をアピールすると何か出来るかもしれないと思った。だけど、はぁ……(カン・ミョンソク)

2012年、どんでん返しを見せた人

神話 エリック:もう年だから、最近はそれほど驚くことも、新鮮さを感じることもない。ただ、テレビの前でうっとりした瞬間を一つ選ぶとすれば、JTBC「神話放送」のファッションショー編でエリックが演出した“エチルダ”(映画「レオン」のマチルダの扮装)を見たとき。2012年最高のパロディに選ばれても遜色のないほどだ。最近はとても頻繁にイメージを気にせず壊れているので、また演技ができるのか心配していたけど、「神話放送-密やかな個人レッスン」の悪役演技編を見たら、1~2秒の間だけで変わる目つきが凄い。心配いりませんよ。話によると個人活動をしない理由は、「神話」をより強く固めるためだそうだ。その義理と大胆さ、本当に気に入った。(チョン・ソクヒ)

PSY(サイ):完全に“台無し”になったと思った数年前の男。開き直って軍人番号が2つだと言いながら大きく笑っていた男。通常は温かく、人情のある男。オーディション参加者に愛情たっぷりの視線で勇気を与えるし、肝の太い男。ただ、ステージ上では胸が熱くなる男。ついに「江南(カンナム)スタイル」で世界の6大陸を動かした男。“Dressy Classy Dance Cheesy”のユーモアを駆使できる品のある男。そのようなどんでん返しのある男。(チャン・ウチョル)

キム・ジェチョルMBC社長:MBC「日曜の夜」が数年間1桁の視聴率に低迷していたとき、それがどん底だと思った。「ニュースデスク」が様々な問題を起こしたときも、この上なく最悪だと思った。だけど、上手くやっていた「ユ&キムの遊びにおいで」のシン・ジョンスプロデューサーを「日曜の夜-私は歌手だ」に投入して「ユ&キムの遊びにおいで」を下落させ、番組に戻ってきたシン・ジョンスプロデューサーに与えた時間はたったの2ヶ月間だけで、また番組から追い出した。それから「ユ&キムの遊びにおいで」を廃止させた。時間帯を変更した「ニュースデスク」は視聴率も信頼度もどん底だ。これより悪い状況があるのかと思うときに、悪化させられる男。下手だ下手だと言われても、それよりもっと下手にすることのできる男。本当にどんでん返しだ。(カン・ミョンソク)

2012年、苦労した人

放送局の社員たち:放送に関する内容を書くのが職業だから、「苦労」という単語の前では、ストライキに参加した、いや、依然として参加中の放送局の社員たちを思い浮かべざるを得ない。辛い一年だったうえに、これといった成果を得ることもできず年末を迎えることになり、凄く落ち着かないはずだ。解決どころか、なおさら難局に直面している職場を見るしかない。とても辛い思いをしているでしょう。特にMBC「ユ&キムの遊びにおいで」の廃止決定。視聴者の一人である私も心騒ぐのに。(チョン・ソクヒ)

ハン・ヨンエ:2012年は、ハン・ヨンエを「バラエティ」というタイトルの中で出会うようにした年だった。彼女のステージを見ていると、完全にノックアウトされたり、尊敬する気持ちになったり、何だかありがたい気持ちになったりする。なんとなく尻すぼみの番組で、断トツでハン・ヨンエだけが輝いていた?(正直に言って私にはそうだったけど)さあ、それは分からない。すべて知っているだけに、私が思っている範囲内で、見聞きして考えるのだから。夏のインタビューでハン・ヨンエは「“バラエティでしょう”ということを言いますよね。ただ気軽に楽しんでください」と話した。それから時間が経って冬になると、「実際に自分が楽しんでいなかったようだ」と話した。彼女のその言葉が切なく聞こえた。お疲れ様、幸せになってほしい。今年、ハン・ヨンエの歌を聴く間、私たちが幸せだったように、あなたもそうなったらいいと、笑顔で声をかけたい。(チャン・ウチョル)

T-ARA:精神的に、肉体的に苦労するようになった出来事の始まりが自分たちの(Twitter)投稿からスタートしたので、本当に苦労したとは言えないかも知れない。ただ、彼女たちが世間から反発を受けていたとき、所属事務所の代表は彼女たちに新曲を歌わせ、各自の演技活動をするようにした。その結果がどうなったかは誰もが知っている。そこまでしなくても苦労したのに、事務所の社長の意志が社員たちをもっと辛くさせた例。(カン・ミョンソク)

2012年、私だけ好んでいた人

パク・ジェボム:おばさんだから、こんな話を切り出すのがちょっと用心深くはなるけど、最近、俳優クォン・オジュンの挑発的なトークや、tvN「Saturday Night Live Korea」(以下「SNL KOREA」)の跳躍など、時代の変化が嬉しい。実は「SNL KOREA」を見ていつも残念がっていた。「シーズン1」がスタートするときから待ち遠しかったシン・ドンヨプが出演しても、その物足りなさは消えていなかったが、パク・ジニョン編になってやっと正しい道に入ったようだ。ところが、皮肉なことにパク・ジェボム編を見て「そうだ、これが真の『SNL KOREA』だな!」と思うようになった。一時はアイドルスターとして活動した彼が、そのような挑戦をするようになったことや、また私たちが何の拒否感もなくそれを受け入れている現実が不思議だ。PSYがグローバルスターに浮上したこと以上に、パク・ジェボムが戻ってきて、また安定的に活動できるようになった事実にも驚くばかりだ。(チョン・ソクヒ)

イ・ミスクとチェ・ブラム:賄賂を受け、税金を納付しなかった公職者には不思議なほど寛大でありながら、芸能人に限っては、ほんの少しの欠点があるだけで非難の対象になる。苦笑いしか出ない時代を生きていながらも、イ・ミスクのように度胸があって美しい女優がいること自体が快楽だ。(去年のドラマではあるが)SBS「千日の約束」に初登場したシーンで、イ・ミスクは包帯を巻いた顔にサングラスをかけて、形成外科の廊下をハイヒールの音を立てながら歩いていた。笑わせる手法ではなくて、いきなりキャラクターとして吸収してしまう女優の破壊力だった。最近、JTBC「私たち結婚できるかな?」で披露している、見とれるような、息が切れそうな演技は言うまでもない。世の中の全ての女優がイ・ミスクのようではないけれど、イ・ミスクのような女優がいることで、世の中のどこかは果てしなく輝く。そして、チェ・ブラムを覚えている。KBS 1TV「韓国人の食卓」の“仁川(インチョン)開港130年、私の故郷”編で、彼は幼いときに味わった、魚の入った母のキムチを探して歩き回る。そして、やっとのことで似たようなキムチを食べて、静かにハンカチを取り出して泣く。長老の彼が泣く。多くの人々が楽しむバラエティ番組ではないけれど、じゃれる“バラエティ感覚”だけでは到底至ることのできない深い感情を、チェ・ブラムという俳優を通じて出会った瞬間だった。(チャン・ウチョル)

Primary:ヒップホップシーンから大きな期待、エール、愛を受けているヒップホッププロデューサーのPrimaryを“私だけが好んでいる人”として選ぶのは語弊があるかもしれない。ただ、このような場でも、彼は一度でも多く言及され、今よりもっと知られるべき人物だ。彼のアルバム「Primary And The Messengers LP」は、アルバム自体としても優れたアルバムではあるが、韓国のヒップホップシーンの歴史が積もり、今この瞬間でないとリリースされないはずのもので、頂点に立っている。しかも、Primaryが作り上げたメロディーラインは、“K-POP”ではなく“K-Funk”の完成だ。来年にはより多くの人々に彼の音楽が届きますように。(カン・ミョンソク)

2013年、最も期待される人

ソン・ジュンギ:一歩一歩、少しずつ成長する彼に感心した。彼がいなかったら、KBS「優しい男」がそれほど注目されたかな?2013年には彼がどう変わっていくか、期待してやまない。またもう一人はDefconn(デフコン)だ。葉っぱが落ちるのを見るだけでも笑うという思春期。それに比べて中年はなかなか笑わない年だ。その年になった私が、爆笑してしまった。「ユ&キムの遊びにおいで」の“トゥルーマンショー”に出演したDefconnを見て。中学生のときに母親と市場にいくと、旦那さんだと誤解されたという。その内容を書いていると、爆笑するほど面白い話ではなかった気がするけど、雰囲気からか、それを見た瞬間はとても面白かった。一時、人気を集めたコメディアンたちは、人気を得ている時期には何か一言でも言うと人々が笑ってくれたという。Defconnにもまさにそのような時期が到来しているようだ。2013年、彼の活躍も期待される。(チョン・ソクヒ)

SHINeeとイ・ハイ:今年、SHINeeが「Sherlock」で復帰したMnet「M COUNTDOWN」のステージに心を奪われた。何よりもそのスタイリッシュさは嬉しかった。コンセプトだけを求めておかしくなってしまう幼稚な男ではなく、何かをアピールしたい意図もなく、自分が格好いいことに気付いていないように、さり気なくお洒落で洗練されている。トレンドとは関係なくジーンズを解析したスタイリストの独創的な感覚、そして、テミンとオンユのホットなヘアスタイル!考えてみると、SHINeeは一度も「期待に及ばない」歌を歌ったこともなく、それだけに時代をリードしていた。当然、2013年にも期待できる。一方、イ・ハイは毎日が期待される。あらかじめ練っている動線やダンスではなく、自由にステージを披露する時が来ますように。あ、もう一人いる。イム・ソンハン。(チャン・ウチョル)

キム・スルギ: キム・スルギはこの前、tvN「SNL KOREA」で最初は大統領候補のイ・ジョンヒを、後半にはパク・クネをパロディーした。そして、驚くほどに二人に似合っていた。可愛いらしい容姿はもちろん、どんな配役であれ、シナリオが求めるものを正確にこなす抜群の能力がある。生放送で行われる「SNL KOREA」に出演しているので、瞬発力はいうまでもない。久しぶりに演技の上手い新米のコメディ女優が登場した。(カン・ミョンソク)

文:コラムニスト カン・ミョンソク、チョン・ソクヒ、チャン・ウチョル

「NAVERコラム - カン・ミョンソク編 -」では、今話題の人物にクローズアップし、コラムニストのカン・ミョンソク氏が執筆。韓国で注目が集まっている人物や出来事についてお届けします。

記者 : カン・ミョンソク、チャン・ウチョル、チョン・ソクヒ