Gavy NJ「もう顔のない歌手ではありません」

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“顔のない歌手”だった。歌唱力で勝負するという戦略だった。意図は伝わったが、世間の反応は違った。放送活動を控えたため、歌のみが有名になった。女性グループなのに“不細工な歌手”というタイトルがついた。女性グループGavy NJは通称“不細工な歌手”と呼ばれた。

2005年にデビューしたGavy NJは着実にアルバムを発売した。声が収録された曲だけでも、100曲を超える。デビュー当時、最年少だったメンバーノ・シヒョンは、2012年、活動8年目を迎え、リーダーになった。今年の頭、ジェニーとコンジを新メンバーとして迎え入れ、Gavy NJは新たな出発を告げた。

チーム再編成“綺麗ですね”

「メンバー交代から1年も経っていませんが、幸い息がぴったりだ。グループ活動をしていると、仲が悪くなるケースが多い。私たち3人は、それぞれ性格が異なり相手への思いやりがあるため、ケンカすることがない。女性同士では嫉妬する可能性もあるのに、本当に良かった」

合流したメンバーのジェニーとコンジは「綺麗と言ってくださるのはとても有難いが、心配もある。凄く綺麗なガールズグループが多いので、彼女たちを見ると私たちはもっと歌をがんばらなきゃと思う。“私たちにできるのは歌だ”と自分に言い聞かせる。そして、反省もする」と恥ずかしそうに笑った。

Gavy NJの変わったイメージを代弁するように、新曲のタイトルが「綺麗ですね」だ。しかし、曲は悲しい。偶然、街を歩いていると元彼に出会った。しかし、彼の隣には新しい彼女がいる。自分よりその女性が“綺麗ですね”と独り言を言う状況だ。

レコーディングの前に、歌を練習するとき歌詞に集中していると、ふと悲しくなった。練習ができなくなるほど悲しかった。一日中、憂うつな気分で過ごしたときもあった。自分の話ではなかったが、その瞬間、感情移入した。ステージに上がっても涙が出そうで心配だ。女性の気持ちはみんな似ていると思う」

愛も思い出も“綺麗ですね”

愛と別れを順に経験したGavy NJのメンバーにも、「綺麗ですね」と話した、これと似たような状況があったのだろうか。

ノ・シヒョンは「別れた彼氏と鉢合わせになったことがある。振り返ることもできなかった。その場に立ち止まって、号泣した。通り過ぎた彼が戻ってきて私を慰めてくれた。そうやってまたよりを戻したこともあった」とにっこり笑った。

ジェニーは「鉢合わせたことはなかった。別れてからあまり経たないうちに彼のミニホームページを見たことがある。“綺麗ですね”の歌詞のように、綺麗で可愛い彼女ができていて、びっくりした。私のことで辛いだろうと思ったのに、腹立たしかった」と当時を振り返った。

コンジは「街を歩いていて偶然、食堂で美味しく肉を食べている昔の彼氏を見た。瞬間、気分が悪くなった。当時は連絡ができず、後で電話して『お肉がそんなに美味しかったのか?』と問い詰めた。しかし彼は『すごく美味しかった』と答えた」と虚しそうに話した。

Gavy NJも“綺麗ですね”

Gavy NJはグループ結成当時から、歌と歌唱力を優先した。そのため、いつからかそれだけにフォーカスが合わせられた。ノ・シヒョンは「顔のない歌手というイメージが定着し、そのままそれについて行くことになった。元メンバーたちは綺麗だったが、あえてルックスを磨いたりはしなかった。写真も一番写りが悪いものをチョイスした。不細工であれば歌が上手いという期待に応えるように動いた」と残念な気持ちを表した。

いつの間にかGavy NJがデビュー8周年を迎えた。しかし、発表した曲の数に比べて放送活動は多くなかった。そして、メンバーそれぞれの認知度も高くない。ニューアルバムを出すたび、「顔をもっと知らせよう」という目標で、いつも新人の心構えでいるそうだ。

「私たちらしい歌を、私たちだけの魅力で表現したい。Gavy NJというブランド自体が信頼できる、そんな歌手になりたい。“顔のない歌手”Gavy NJはもういない。人々のそばで悲しみと喜びを共感することができる、感情の表現ができるGavy NJとして、思いっきり顔を公開する(笑)」

記者 : キム・イェナ、写真 : ムン・スジ