映画「樹木葬」嫉妬が呼んだ破局の始まり ― 見る?見ない?

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※この記事には映画「樹木葬」の結末に関する内容が含まれています。
嫉妬が呼んだ致命的な破局が始まる。友人の恋人に恋をした愚かな女性と、自分の初恋が忘れられないサイコパスが、自分たちの欲のため、一組のカップルの未来を根こそぎ変えてしまう。

「樹木葬」(監督:パク・グァンチュン、制作:ノマドフィルム)は、総合編成チャンネルMBNの全2話の納涼特集として今年8月17日に韓国で公開された。そして現在、スクリーンでの上映を控えている。テレビ映画がスクリーン上映につながったのは、制作環境の新たな変化を夢見る試みであり、挑戦だ。

この映画は、死んだ人の遺体を火葬し、骨粉を木の根に埋める樹木葬から始まる。愛するフィアンセが自分に片思いするサイコパス男性によって残酷に殺害されるのを目撃した女性主人公の物語を描いた。さらに、今作がスクリーンデビューとなるパク・スジンの悪役の演技が加わった「樹木葬」。見る?見ない?


感動的なBEST2

ユニークなコンセプト:樹木葬。私たちには聞きなれないコンセプトだ。タイトルから好奇心を刺激する。この映画を見ながら、樹木葬が何かを知る。そして、映画を見てから、木を見るとチョンア(イ・ヨンア)のようにお化けが見えるかも知れないという錯覚により、恐ろしさを感じるかもしれない。

聞きなれない“樹木葬”というユニークな素材で、監督が観客に話したかったことを展開する方法は悪くない。主人公が覚えていない些細な部分まですべて覚えている木。動物や人間よりマシだ。

ヨン・ジェウクスタイルのサイコパス演技:ハ・ジョンウが映画「チェイサー」でサイコパス演技をし、観客に大きな衝撃を与えたことを覚えているだろうか? 除隊後、戻ってきたヨン・ジェウクは、チョンアにストーカー行為をする狂的なサイコパスからチック障害まで完璧に表現した。

100分の間、ヨン・ジェウクのサイコパス演技にハマっていく。より成熟した男らしさが感じられる演技とチック障害を表現するために、台詞を発しながら顔を歪める表情の演技は「樹木葬」において最も大きな見どころではないだろうか。


残念なBEST2

恥ずかしくなる台詞:1990年代の恋愛物の復活か。時間に逆行しているようだ。ホラーラブストーリーの中、こっちが恥ずかしくなるような台詞に、居ても立っても居られなくなった。甘い恋人たちにはお勧めできるが、恋人がいない人たちにとっては映画を見る間、苦痛になるかも知れない。

映画の後半、イ・ヨンアが「私が覚えている限り、私たちは別れるわけがないよ」というナレーションによって、2012年に公開を控えている映画は本当にホラー映画なのかと、目と耳を疑うようになる。

さらに、片思いする男性への切実な思いを込めたジヒョ(パク・スジン)の台詞と行動は、かなり真剣だが、見る人の笑いを誘うかもしれない。

急に終わってしまった物語:物語が展開されていると思ったら、急に途切れてしまう。そして大きな衝撃で記憶喪失になっていたチョンアが急にすべての記憶を取り戻し、事件が素早く片付く。

その後、ジョンフン(オン・ジュワン)とジヒョの話に移る。ジヒョは入院しているチョンアを申し訳なさそうな目で見つめる。チョンアが辛くなるのを望んでいないハンギ(ヨン・ジェウク)は、ジョンフンとジヒョの樹木葬をした木を抜き、彼らの痕跡さえ消そうとする。

そのとき、ジヒョの樹木葬した木が消えたことで、彼女の魂も消えるが、一瞬コメディ映画でも見ているような錯覚に陥った。もちろん結末は、チョンアがハンギの行動を阻止するという正しい方向で終わる。


記者が観客なら?

恋する恋人同士で見るのはいい:“樹木葬”というユニークなコンセプトで恐怖心を刺激した「タチャ イカサマ師」「殺人の追憶」「犯罪の再構成」制作チームの残酷ロマンスだ。フィアンセと幸せな結婚を夢見ていた女性に、青天の霹靂のような出来事が起きる。嫉妬に目がくらんだ友人によって、愛する恋人を失ったチョンア。傍にいる人の大切さを感じたいあなたなら、いい映画。

「樹木葬」と100分を過ごすと、傍にいる私の恋人、そして友人への愛情が急に湧いてくるかもしれない。R-18の同映画は今月15日から韓国で公開される。

記者 : ファン・ソヨン