「樹木葬」パク・スジン“神経質なジヒョ役を通して代理満足を感じた”

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ガールズグループSugarのメンバーとしてデビューし、ドラマタレントに変身するかと思いきや、今では映画界にまで進出し始めた人物がいる。映画デビューを果たしたパク・スジン(27)は、特有の色白の肌と明るい笑顔で取材陣を迎えた。

パク・スジンは韓国で今月15日から公開されている映画「樹木葬」で、チョンア(イ・ヨンア)とジョンフン(オン・ジュワン)の友人だが、ジョンフンへの執着が強く、極端な性格の持ち主であるジヒョ約を演じた。

「樹木葬」は火葬した人の粉骨を木の根に埋める樹木葬をテーマに、4人の男女の残酷な恋の記憶を描いた作品だ。「退魔録」「恋の潜伏捜査」「うちの学校のE.T」などを演出したパク・グァンチュン監督がメガホンをとった。

映画デビューの感想「今も何がなんだかよく分からない」

「樹木葬」は総合編成チャンネルMBNの納涼特集として全2話で今年8月17日に韓国で放送された。そのテレビ映画が映画館上映につながったのだ。

映画公開を控えたある日、映画デビューの感想を聞くと、彼女は「テレビでは見たけれど、インタビューのため、スクリーンではまだ見ていない。今もよく分からない。ドラマで放送されたときと、スクリーンとはかなり違うと思うので、早く見たい。公開されたら見に行く」と答えた。

続いてパク・スジンは、「春に撮影を始め、夏頃に終わった。私のシーンは2週間ほど撮影したと思う。ドラマでタイトなスケジュールにあわせて撮影することに慣れているので、私は大丈夫だったけれど、映画チームであるスタッフは忙しいスケジュールに混乱しているようだった」と笑顔で話した。

前作では憎らしい役や世間知らずの役を演じ、視聴者から嫌われることが多かった。今回の作品でもチョンアに嫉妬心を燃やすキャラクターだ。それでもこの作品を選んだ理由はなんだろうか?

「作品を選ぶときに一番気にしていることはキャラクターだ。今回の役が悪口を言われ、イメージが悪くなるとも言えるけれど、役者なら一度はやってみたい役ではないかと思った。すぐ泣いて、またすぐ笑ったりするジヒョの姿を見て、挑戦してみたいと思った。愛されずに、いつも愛を求めて、執着して、そして結局は死んでしまうので胸が痛かった。ジヒョに同情の気持ちが湧いた」

神経質なジヒョ役で代理満足

インタビューの途中で「樹木葬」だけの長所が何かを教えてほしいと尋ねてみた。するとパク・スジンは「私たちの映画は、幽霊やお化けがメインの恐怖ではない。人間の記憶から消されるのが一番怖いということを語るホラー映画だ。そんな点に集中してみてもらいたい」とアドバイスした。

撮影からかなり時間が経ったが、大変だったシーンは忘れられないはず。「樹木葬」の撮影中、もっとも辛かった瞬間はいつだったのかを聞いてみた。

パク・スジンは長く悩んだ末「雨の日、感情が最高潮に達するシーンがあった。こんなに感情を消耗するジヒョのような性格では、生きていけないと思った。エネルギーを使い果たして、体力的に大変だった。私はジヒョと違って、平和主義者だ。損をしてでも、早く終わらせたい。しかし、ジヒョとして生きる間、現実ではできないことを経験できた。代理満足とでもいえるかな」と微笑んで見せた。

パク・スジンは共演した俳優の中で、最年少のヨン・ジェウクの演技がもっとも印象深かったと取り上げた。彼の演技について撮影現場でイ・ヨンアと口を揃えて絶賛したそうだ。

「ヨン・ジェウクさんは私より年下だけど、演技に深みがある。眼差しや感情の表現の仕方などから学ぶものが多かった。さすが有望株といった演技だった。イ・ヨンアさんといつも褒めていた。これから大きくなると思う」


雨の中で運転していたシーンを思い出すと“鳥肌が立つ”

「樹木葬」にはパク・スジンにとってプレッシャーとなるシーンがあった。もちろんこのシーンは俳優だけでなく、観客の立場からしても「もし、あの役を自分がしたら、プレッシャーで違和感のある演技になるはず」と思えるシーンだ。片思いの相手、ジョンフンが着ていたガウンを脱ぎ捨て、別れのキスを求めるシーンである。

「正直プレッシャーがあった。『別れのキスをして!』という台詞もそうだし、正直、女のプライドを捨てて言う言葉だったので、気持ち的にも大変だったけれど、リードされるのではなく、リードしてこそシーンが完成するという点で難しかった。プレッシャーのせいか、かなりNGを出してしまった。だけど、大変だったのに、なんとなく流れるのはイヤだった。だから長い時間をかけて撮った」

キスシーン以外で、撮影しながら記憶に残るエピソードはなかったのだろうか? パク・スジンは「鳥肌が立つほど怖い思いをしたエピソードがある」と振り返った。

彼女は「雨の中で運転するシーンがあった。イ・ヨンアさんを車で引く前だったけれど、イ・ヨンアさんの視点から撮るシーンだったので、カメラが車の前にとりつけられている状態だった。カメラのすぐ前まで来て、車を止めなければならいのに、雨で車が滑って、ブレーキを踏んでも止まらなかった。スタッフにぶつかりそうで、大声で叫んだ。幸い、カメラの三脚だけぶつけて止まった。その数秒の間、鳥肌が立った」と振り返った。

最後にスクリーンデビュー作である「樹木葬」の予想成績を聞いた。ちなみに、「樹木葬」の公開日には洋画の「トワイライト・サーガ ブレイキング・ドーン Part2」ならびに「私が告白したら」「コードネーム:ジャッカル」などが同時に公開される。

「夏だったらよかったのにとも思うけれど、冬はほとんどホラー映画がない。愛する恋人ともっと近くにいたい方に『樹木葬』をオススメしたい。みんなヒットしたらいいと思う。お互い助けあえたらいいと思うけれど、皆さん、いかがでしょう?(笑)」

記者 : ファン・ソヨン、写真 : キム・ジェチャン